欧米系の人文学研究では様々な言語を大量に扱うことになりますので、そのフォントにもこだわりたいときがあります。LaTeX2e に標準で添付されているフォントの使い方については様々な解説書に載っていますから、ここでは省略します。ここで扱うのは、ギリシア語フォントなどの非ローマ字フォント、TeX の標準配布物(teTeX 3.0 などの TeX ディストリビューションの標準)に含まれていない(欧文)フォントのインストール方法です。和文フォントについては割愛します。
Knuth 教授が開発した METAFONT 形式で配布されていれば TeX との親和性は抜群ですが、PostScript で書かれた Type 1 フォント(.pfb)や TrueType フォント(.ttf)、OpenType フォント(.otf)も(必要な変換作業などを施せば)使用可能です。
自分で一からやる*1 のは大変ですから、最初はまず TeX 用に一式揃えて配布されているフォントをインストールしてみるとよいでしょう。
以下では LaTeX のシステムは、teTeX 3.0 であるとします。特に Unix(Linux や Mac OS X を含む)に 土村さん の ptetex3 でインストールされたシステムを標準とします(後のシェルスクリプトもこれに基づいています)。他の場合は適宜読みかえてください。なお、
という表記を使っています。( ) 内は ptetex3 のデフォルトです。
以下のページを順に読んでいくと、だんだんと TeX におけるフォントの知識がついていくようになっています。
TeX でのフォントのインストールに関する予備知識です。
TeX が扱うフォント関連のファイルには何種類かあります。インストールしたり、フォントの形式を変換したりするときにはこれらについて知っておく必要があります。
TeX でのフォントの命名の規則です。
.map ファイルの登録方法(特に「フォントの集中管理」)について。
METAFONT は Knuth 教授が開発したフォントの形式です。
PDF ファイルなどを作成するときは Type 1 フォントの方が便利です。METAFONT から Type 1 への変換などについても解説します。
インストールには直接関わらないもの、TeX に関わらないものなどのページです。
フォントテーブル(書体見本)の作り方についての解説です。
PostScript Type 1, TrueType, OpenType フォントなどのインストール方法については上の「一般用フォントの利用」にある各ページをご覧ください。
このサイトで配布しているシェルスクリプトを使うと、フォントをほぼ自動でインストールできます。なお、シェルスクリプトを使う前に必ずこの文書を読んでください。
古典学などで有用と思われる、配布されているフォントのインストール方法を解説しています。
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『基礎解説』の第10章に詳細な解説があり、新しいフォントのインストールや作成に役立ちます。『pLaTeX2ε for WINDOWS Another Manual』には主に、TeX 側から見て、インストールされたフォントをどのように使うのかという問題が書かれています。
Linux 向けのフォント解説ですが、TeX に関しての記述も充実しています。
稲垣さんによる Babel の使い方(p314babel.pdf)に詳細な解説があります。このページも p314babel.pdf を参考にさせて頂きました。
フリーのギリシア語フォントを OpenType や、TeX で使い勝手のよい Type 1 フォントで提供している団体です。