Bodoni フォントは、18世紀イタリアの活版印刷技術者ジャンバッティスタ・ボドーニ(Giambattista Bodoni)によって開発されたフォントです。はじめボドーニはヴァチカンで仕事をしていましたが、パルマで自分の印刷所を持つと、自分のギリシア語フォントを使った古典の本をたくさん出版するようになりました。彼のフォントは、初めてビザンチン時代の字型(cursive font:草書体;合字も頻繁に使われる)を捨て去ったことで有名です。彼のフォントは大きな影響を与え、19世紀半ばまでよく使われました。
Bodoni フォントは Greek Font Society が初めて実験的に作ったフォントです(1992--1993)。Takis Katsoulidis がデザインし、George Matthiopoulos によって電子化されました。
$TEXMFLOCAL/doc/latex/GFS/Bodoni/gfsbodoni.pdf が簡単な使用方法のドキュメントです。組版の見本は同じディレクトリにある Bodoni_Specimen.pdf です。
プリアンブルには次のように書いておきます。japanese.sty と共存することもできます。
¥usepackage[T1]{fontenc} ¥usepackage[greek]{babel} ¥usepackage{gfsbodoni}
T1 よりも OT1 の方がよいようです。¥usepackage[default]{gfsbodoni} とすると GFSBodoni をギリシア語のデフォルトフォントとして使います。
GFSBodoni フォントを使用する場合、その箇所の前でギリシア語を使うようにしてから、その箇所を ¥textbodoni で囲みます。¥begin{bodoni} ... ¥end{bodoni} の environment 型も使えます。
¥selectlanguage{greek} ¥textbodoni{dokim'h}
¥selectlanguage{greek} ¥begin{bodoni} dokim'h ¥end{bodoni}
のようにします。¥selectlaguage を使わなくてもギリシア語フォントの出力はできますが、ハイフネーションなどが正しく処理されないので、使った方がよいでしょう。
teubner.sty と一緒に gfsbodoni.sty を読み込むと、次のようなエラーが出ます。
! LaTeX Error: Command ¥numero already defined. Or name ¥end... illegal, see p.192 of the manual. See the LaTeX manual or LaTeX Companion for explanation. Type H <return> for immediate help. ... l.68 ...odoninums}{m}{tabnums}¥selectfont¥char'5}} ?
¥numero というコマンドが双方で定義されているためです。どちらかの定義をコメントアウトするか、違うコマンドに変えればOKです。編集の際は必ずバックアップを取るようにしてください。
さて、私の場合は teubner.sty を優先したいので、$TEXMFLOCAL/tex/latex/GFS/Bodoni/gfsbodoni.sty の68行目の頭に % をつけて次のようにコメントアウトしておきました。
%¥newcommand{¥numero}{{¥usefont{U}{bodoninums}{m}{tabnums}¥selectfont¥char'5}}
gfsbodoni.sty で ¥numero コマンドを使いたくなったときにはまた別の方法を考えましょう*1。
TeX におけるフォント に「フォントテーブル」についての解説があります。GFSBodoni の場合は、以下のフォントがあります。
書体見本の例です。