TeX/Font/Packages/cbgreek
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[[TeX/Font]] *CBフォント [#a76ac946] LaTeXでよく用いられているギリシア語用のフォントの1つにcbfontsがあります.以下ではこのcbfontsについて記述します. //TeXのギリシア語フォントとしては,以前はClaudioBeccari作のフォント(cb)が使用されていましたが,2004年にApostolos Syropoulosによって更新されてcbfontsという名前に変わりました.teTeX3.0にも.mfファイルは含まれていますがType1フォントは含まれていないので,高品質のPDF/PSファイルを作る際にはインストールしておいた方がよいでしょう. //**ニュース //2008年1月に,多数のファイルを同梱したcbfonts-allパッケージがCTANに登録されました. //-http://core.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/fonts/greek/cbfonts-all/ //!!シェルスクリプト // //古いcbfontsを削除し,新しいcbfonts-allをインストールするためのシェルスクリプトを作成しました.このシェルスクリプトを使う前に,必ずを読んでください. // //このシェルスクリプトを実行する際は,特に次の点に注意してください. // //-古いcbfontsがインストールされているディレクトリが通常と異なる場合は削除されません.この場合は手動で削除してください. //-古いcbfontsは強制的に削除されます(古いものと新しいものを共存させるのは基本的に無理です).古いcbfontsをバックアップする必要がある場合は,必ずシェルスクリプトを実行する前にバックアップを行ってください. // //!シェルスクリプトの内容 // //このシェルスクリプトでは次の作業を行っています. // //+cbgreek.map(古いもの)が存在すれば,updmapで登録されているかどうか調べ,登録されていれば無効にする. //+古いcbfontsがインストールされていると思われるディレクトリを削除する. //+新しいcbfonts-all.zipが,シェルスクリプトと同じディレクトリになければ,wgetを使ってCTANからダウンロードする. //+.zipファイルを展開し,適切なディレクトリにファイルをコピーしてパーミッションを設定する. //+mktexlsrを実行する. //+updmap-sysを用いて,新しいcbgreek-full.mapを登録する. **CBフォントの概要 [#e653ddb0] //CBフォントはT1エンコーディング(Corkエンコーディング)に基づいていますが,昔からの慣習でLGRエンコーディング(ローカルなギリシア語のエンコーディング)と呼ばれています.TeXの世界ではまだギリシア語のエンコーディングが確立していないためです. ギリシア語のフォントにはもともとローマ文字のようなローマン体(直立体),イタリック体などという区別がありませんが,現在ではそれからの類推で,以前から存在した書体を直立体,イタリック体などとみなしたり,それぞれ新しくデザインしたりすることが多くなっています. CBフォントには主に以下のような書体が含まれています. -セリフ体 --中庸体(medium)[Didot] --イタリック体(italic)[Olga] --ライプツィッヒ体(leipzig)[Lipsiakos] --太字体(boldface) --斜体・スラント体(oblique, slanted) --スモールキャプ体(smallcaps) -サンセリフ体[~ New Hellenic] -タイプライタ体 [ ]内は,一般に使われているギリシア語書体の名前です.CBフォントに含まれる書体はそれらを「似せて」作ったものです.Didotはフランスの出版物に,LipsiakosはB. G. Teubner社の出版物に,New HellenicはCambridge University Pressの出版物によく使われています. サンセリフ体やタイプライタ体にもそれぞれ太字体や斜体などが用意されています. **cbgreekフォントの調整 [#yb14c0f8] Computer Modern以外のフォント(パッケージ)を利用してcbgreekフォントを使うと,コンパイルの際に次のような警告が出てしまいます. LaTeX Font Warning: Fontshape `LGR/lmr/m/n' undefined (Font) using `LGR/cmr/m/n' instead on input line 162. ... LaTeX Font Warning: Fontshape `LGR/lmr/bx/n' undefined (Font) using `LGR/lmr/m/n' instead on input line 399. 太字や斜体を使っていれば,それが反映されず,全てローマン体になってしまいます.これはComputer Modern以外に対応したフォント定義ファイルがないためです. 対応方法については[[TeX/Font/fd]]をご覧ください. **Lipsiakosフォントの使用 [#t06701fc] 実はこのままではteubnerパッケージを使用した\Lipsiakostext, \textLipsiasといったコマンドを使用しても,Lipsiakosフォントが使われず,Olgaフォントが使われてしまいます((\textit{}などでギリシア語の斜体を利用する場合も同じです.teubner.styの中で,Lipsiakosフォントに関する指定は全てギリシア語の斜体にスイッチされています.)).原因はlgrlmr.fdの次の行です. \EC@family{LGR}{lmr}{m}{it}{grmi} これは,lmrでmediumシリーズのイタリック(it)を使用する場合,grmiというフォントテーブルを使うという意味です.Lipsiakosフォントが収められているテーブルはgrmlです.grmiをgrmlに書き換えればよいでしょう. ***追記(2006年10月18日) [#j8540c9c] ''teubner.sty''には次のような記述があります. \expandafter\EC@family\expandafter{\GRencoding@name}{cmr}{m}{it}{grml} これと同様の記述を,それぞれのフォントに対して定義すれば,''.fd''ファイルを書き換えなくてもLipsiakosフォントが使えるような気がします.例えばプリアンブルに, \makeatletter \expandafter\EC@family\expandafter{\GRencoding@name}{pnc}{m}{it}{grml} \makeatother と書いておけばNew CenturyでもLipsiakosフォントを使えそうです. **書体見本 [#aa6d8401] -[[cbgreek_font_table.pdf:http://glc.l.u-tokyo.ac.jp/downloads/tex/font/tables/cbgreek_font_table.pdf]] **他のフォントの使用[#xe6d62ab] cbgreekには他にもいろいろなフォントが収められています.それらのフォントテーブルを取り出して比較してみるのもよいでしょう.[[TeXにおけるフォント>TeX/Font]]にフォントテーブルの参照の仕方についての解説があります. ${TEXMFDIST}/doc/fonts/cbgreek/cbgreek.txtに*.mfファイルの命名の規準についての解説があります. **CBフォントのインストール [#nf56f053] ---- ''TeXLive (2012)では標準でインストールされていますので以下の作業は必要ありません.TeXLive 2012のインストールについては次のページを見てください.'' -[[TeX/Install]] ---- ***シェルスクリプト [#d0a8db33] このページの一番下に添付されています.下に解説した「調整」も行っています.下の「調整」が必要なければ,下の解説を参考にして不必要な作業を行っているところを#でコメントアウトしてください. ***ダウンロード [#n74cf593] CTANについては[[TeX用語集>TeX/Keyword]]をご覧ください. -${CTAN}/fonts/greek/cbfonts.zip が必要なファイル一式をまとめたものです. -${CTAN}/fonts/greek/cbfonts/ 以下に個々のファイルがあります. ***展開 [#r2b9ab40] 適当なところに展開します.ここでは,シェルスクリプトに合わせて/var/tmp/texfontsworkに展開します. $ mkdir /var/tmp/texfontswork $ cp cbfonts.zip /var/tmp/texfontswork $ cd /var/tmp/texfontswork $ unzip cbfonts.zip ***ファイルのコピー [#t676391f] cbfonts.zipを展開すると -mf -dvips -encodings -tfm -type1 というディレクトリができるので,それぞれの下にあるファイルを[[TeXにおけるフォント>TeX/Font]]の「フォントの配布」にある規則にしたがってインストールします.インストールする際のディレクトリ名は「cbgreek」にします.例えばencodingsディレクトリの下にあるCB.enc, gmtr.encファイルは -$TEXMFLOCAL/fonts/enc/dvips/public/cbgreek/ ディレクトリにコピーします. ***ファイルリストの更新 [#j98a4744] # mktexlsr # updmap-sys --nomkmap --enable Map=cbgreek.map # updmap-sys ***LipsiakosのType1フォント [#md78d873] 実は,CTANで配布されているcbgreekのType1フォントにはLipsiakosフォント(grml1000.pfb)が含まれていません.そのため,PDFファイルやPSファイルにはビットマップフォントが使われて汚くなってしまいます. 以前のcbフォントにはgrml1000.pfbが含まれていましたので,(バージョンが古いのを我慢すれば)それを使うことも可能です.ただし今はcbフォントを入手することができませんので,[[ここ:http://glc.l.u-tokyo.ac.jp/downloads/tex/grml1000.pfb]]に置いておきました.他にmftrace,TeXtrace等を使って.mfファイルからType1フォントを生成することも可能ですが,TeXtraceでの変換はそれほど簡単ではありません. CTANの配布物にgrml1000.pfbが含まれるようになればよいのですが,とりあえずの処置として以前のcbフォントに含まれるgrml1000.pfbを用いる手順を解説します. +${TEXMFLOCAL}/fonts/type1/public/cbgreek/にgrml1000.pfbをコピーします.grml1000.pfbは10ポイント用のType1フォントですが,他のサイズはこれを自動的に拡大縮小して使いますので他の.pfbファイルはさしあたっては不要です. +${TEXMFLOCAL}/fonts/map/dvips/public/cbgreek/cbgreek.mapの記述を参考にしてgrml1000.pfbに関する記述を加えます. +#mktexlsrを実行しておきます.
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[[TeX/Font]] *CBフォント [#a76ac946] LaTeXでよく用いられているギリシア語用のフォントの1つにcbfontsがあります.以下ではこのcbfontsについて記述します. //TeXのギリシア語フォントとしては,以前はClaudioBeccari作のフォント(cb)が使用されていましたが,2004年にApostolos Syropoulosによって更新されてcbfontsという名前に変わりました.teTeX3.0にも.mfファイルは含まれていますがType1フォントは含まれていないので,高品質のPDF/PSファイルを作る際にはインストールしておいた方がよいでしょう. //**ニュース //2008年1月に,多数のファイルを同梱したcbfonts-allパッケージがCTANに登録されました. //-http://core.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/fonts/greek/cbfonts-all/ //!!シェルスクリプト // //古いcbfontsを削除し,新しいcbfonts-allをインストールするためのシェルスクリプトを作成しました.このシェルスクリプトを使う前に,必ずを読んでください. // //このシェルスクリプトを実行する際は,特に次の点に注意してください. // //-古いcbfontsがインストールされているディレクトリが通常と異なる場合は削除されません.この場合は手動で削除してください. //-古いcbfontsは強制的に削除されます(古いものと新しいものを共存させるのは基本的に無理です).古いcbfontsをバックアップする必要がある場合は,必ずシェルスクリプトを実行する前にバックアップを行ってください. // //!シェルスクリプトの内容 // //このシェルスクリプトでは次の作業を行っています. // //+cbgreek.map(古いもの)が存在すれば,updmapで登録されているかどうか調べ,登録されていれば無効にする. //+古いcbfontsがインストールされていると思われるディレクトリを削除する. //+新しいcbfonts-all.zipが,シェルスクリプトと同じディレクトリになければ,wgetを使ってCTANからダウンロードする. //+.zipファイルを展開し,適切なディレクトリにファイルをコピーしてパーミッションを設定する. //+mktexlsrを実行する. //+updmap-sysを用いて,新しいcbgreek-full.mapを登録する. **CBフォントの概要 [#e653ddb0] //CBフォントはT1エンコーディング(Corkエンコーディング)に基づいていますが,昔からの慣習でLGRエンコーディング(ローカルなギリシア語のエンコーディング)と呼ばれています.TeXの世界ではまだギリシア語のエンコーディングが確立していないためです. ギリシア語のフォントにはもともとローマ文字のようなローマン体(直立体),イタリック体などという区別がありませんが,現在ではそれからの類推で,以前から存在した書体を直立体,イタリック体などとみなしたり,それぞれ新しくデザインしたりすることが多くなっています. CBフォントには主に以下のような書体が含まれています. -セリフ体 --中庸体(medium)[Didot] --イタリック体(italic)[Olga] --ライプツィッヒ体(leipzig)[Lipsiakos] --太字体(boldface) --斜体・スラント体(oblique, slanted) --スモールキャプ体(smallcaps) -サンセリフ体[~ New Hellenic] -タイプライタ体 [ ]内は,一般に使われているギリシア語書体の名前です.CBフォントに含まれる書体はそれらを「似せて」作ったものです.Didotはフランスの出版物に,LipsiakosはB. G. Teubner社の出版物に,New HellenicはCambridge University Pressの出版物によく使われています. サンセリフ体やタイプライタ体にもそれぞれ太字体や斜体などが用意されています. **cbgreekフォントの調整 [#yb14c0f8] Computer Modern以外のフォント(パッケージ)を利用してcbgreekフォントを使うと,コンパイルの際に次のような警告が出てしまいます. LaTeX Font Warning: Fontshape `LGR/lmr/m/n' undefined (Font) using `LGR/cmr/m/n' instead on input line 162. ... LaTeX Font Warning: Fontshape `LGR/lmr/bx/n' undefined (Font) using `LGR/lmr/m/n' instead on input line 399. 太字や斜体を使っていれば,それが反映されず,全てローマン体になってしまいます.これはComputer Modern以外に対応したフォント定義ファイルがないためです. 対応方法については[[TeX/Font/fd]]をご覧ください. **Lipsiakosフォントの使用 [#t06701fc] 実はこのままではteubnerパッケージを使用した\Lipsiakostext, \textLipsiasといったコマンドを使用しても,Lipsiakosフォントが使われず,Olgaフォントが使われてしまいます((\textit{}などでギリシア語の斜体を利用する場合も同じです.teubner.styの中で,Lipsiakosフォントに関する指定は全てギリシア語の斜体にスイッチされています.)).原因はlgrlmr.fdの次の行です. \EC@family{LGR}{lmr}{m}{it}{grmi} これは,lmrでmediumシリーズのイタリック(it)を使用する場合,grmiというフォントテーブルを使うという意味です.Lipsiakosフォントが収められているテーブルはgrmlです.grmiをgrmlに書き換えればよいでしょう. ***追記(2006年10月18日) [#j8540c9c] ''teubner.sty''には次のような記述があります. \expandafter\EC@family\expandafter{\GRencoding@name}{cmr}{m}{it}{grml} これと同様の記述を,それぞれのフォントに対して定義すれば,''.fd''ファイルを書き換えなくてもLipsiakosフォントが使えるような気がします.例えばプリアンブルに, \makeatletter \expandafter\EC@family\expandafter{\GRencoding@name}{pnc}{m}{it}{grml} \makeatother と書いておけばNew CenturyでもLipsiakosフォントを使えそうです. **書体見本 [#aa6d8401] -[[cbgreek_font_table.pdf:http://glc.l.u-tokyo.ac.jp/downloads/tex/font/tables/cbgreek_font_table.pdf]] **他のフォントの使用[#xe6d62ab] cbgreekには他にもいろいろなフォントが収められています.それらのフォントテーブルを取り出して比較してみるのもよいでしょう.[[TeXにおけるフォント>TeX/Font]]にフォントテーブルの参照の仕方についての解説があります. ${TEXMFDIST}/doc/fonts/cbgreek/cbgreek.txtに*.mfファイルの命名の規準についての解説があります. **CBフォントのインストール [#nf56f053] ---- ''TeXLive (2012)では標準でインストールされていますので以下の作業は必要ありません.TeXLive 2012のインストールについては次のページを見てください.'' -[[TeX/Install]] ---- ***シェルスクリプト [#d0a8db33] このページの一番下に添付されています.下に解説した「調整」も行っています.下の「調整」が必要なければ,下の解説を参考にして不必要な作業を行っているところを#でコメントアウトしてください. ***ダウンロード [#n74cf593] CTANについては[[TeX用語集>TeX/Keyword]]をご覧ください. -${CTAN}/fonts/greek/cbfonts.zip が必要なファイル一式をまとめたものです. -${CTAN}/fonts/greek/cbfonts/ 以下に個々のファイルがあります. ***展開 [#r2b9ab40] 適当なところに展開します.ここでは,シェルスクリプトに合わせて/var/tmp/texfontsworkに展開します. $ mkdir /var/tmp/texfontswork $ cp cbfonts.zip /var/tmp/texfontswork $ cd /var/tmp/texfontswork $ unzip cbfonts.zip ***ファイルのコピー [#t676391f] cbfonts.zipを展開すると -mf -dvips -encodings -tfm -type1 というディレクトリができるので,それぞれの下にあるファイルを[[TeXにおけるフォント>TeX/Font]]の「フォントの配布」にある規則にしたがってインストールします.インストールする際のディレクトリ名は「cbgreek」にします.例えばencodingsディレクトリの下にあるCB.enc, gmtr.encファイルは -$TEXMFLOCAL/fonts/enc/dvips/public/cbgreek/ ディレクトリにコピーします. ***ファイルリストの更新 [#j98a4744] # mktexlsr # updmap-sys --nomkmap --enable Map=cbgreek.map # updmap-sys ***LipsiakosのType1フォント [#md78d873] 実は,CTANで配布されているcbgreekのType1フォントにはLipsiakosフォント(grml1000.pfb)が含まれていません.そのため,PDFファイルやPSファイルにはビットマップフォントが使われて汚くなってしまいます. 以前のcbフォントにはgrml1000.pfbが含まれていましたので,(バージョンが古いのを我慢すれば)それを使うことも可能です.ただし今はcbフォントを入手することができませんので,[[ここ:http://glc.l.u-tokyo.ac.jp/downloads/tex/grml1000.pfb]]に置いておきました.他にmftrace,TeXtrace等を使って.mfファイルからType1フォントを生成することも可能ですが,TeXtraceでの変換はそれほど簡単ではありません. CTANの配布物にgrml1000.pfbが含まれるようになればよいのですが,とりあえずの処置として以前のcbフォントに含まれるgrml1000.pfbを用いる手順を解説します. +${TEXMFLOCAL}/fonts/type1/public/cbgreek/にgrml1000.pfbをコピーします.grml1000.pfbは10ポイント用のType1フォントですが,他のサイズはこれを自動的に拡大縮小して使いますので他の.pfbファイルはさしあたっては不要です. +${TEXMFLOCAL}/fonts/map/dvips/public/cbgreek/cbgreek.mapの記述を参考にしてgrml1000.pfbに関する記述を加えます. +#mktexlsrを実行しておきます.
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添付ファイル:
cbgreekinst.sh
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