[[TeX/PackageFile]]

*ledmac [#k49d22a1]

ledmacパッケージはLaTeXで(主に散文の)校訂本を作るためのパッケージです.plain TeXの EDMAC, TABMAC, EDSTANZAマクロをLaTeXに移植したものです.以下の特長があります.

-ページごと・セクションごとに自動的に行番号をつけます.
-10.1や123a, 123bのような複雑な番号づけもできます.
-異なる読みを,行番号とリンクさせて自動的に挿入することができます.
-何段にもわたる脚注・後注を作成できます.例えば異読(variant)と証言(testimonia)を別々の2段の脚注として作成することができます)
-脚注を段組にできます.

//このパッケージは次の3つのパッケージから成ります(かっこ内はそれぞれの最新版です).
//
//+ledmac.sty v0.7 (2005/03/24)
//+ledpar v0.3b (2005/04/08)
//+ledarab v0.1 (2005/03/24)
//ledpar パッケージは,コラムごと,あるいは見開きページで対訳を作るためのパッケージです.ledarab パッケージは ArabTeX に実装されているように,アラビア語を LaTeX で使えるようにするパッケージです(ArabTeX の使い方はここでは説明しません).

**バージョン [#vad1d295]

-ver. 0.14 (2012/04/04)

**ダウンロード [#pba43f1a]

-http://www.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/macros/latex/contrib/ledmac.zip

//ledmacパッケージは${CTAN}/macros/latex/contrib/ledmac/にあります.${CTAN}はいろいろなサーバにありますが,例えば http://www.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/ にあります.ledmac内の必要なファイルをダウンロードして下さい.${CTAN}/macros/latex/contrib/ledmac.zipは${CTAN}/macros/latex/contrib/ledmac/内のファイルをまとめて圧縮したものなので,これをダウンロードするのが簡単でしょう.

**インストール [#vbea4b43]

既にLaTeXは正しくインストールされているものとします.

ダウンロードしたディレクトリ内で次のコマンドを実行します.

 $ latex ledmac.ins

するとledmac.styが生成されますので,例えば$TEXMFLOCAL/tex/latex/ledmac/にコピーして,

 $ sudo mktexlsr

を実行します.使い方は,ダウンロードしたledmac.pdfに載っています.

**使い方 [#x23717ff]

ledmacはさまざまな情報を外部ファイルに書き出すので,数回(p)latexを実行する必要がある場合があります.

***プリアンブル [#mf315c1f]

 \usepackage{ledmac}

と書いておきます.

***行番号 [#af889fe1]

行番号を自動的につけるには,テキストを次のように囲みます.

 \beginnumbering
 <text>
 \endnumbering

\beginnumberingは行番号を0にリセットし,\jobname.nnファイルを読み込んで行番号を管理します.nnはセクションの番号です.

実は,このままでは行番号は表示されません.実際に行番号を表示させるには,そのパラグラフを\pstartと\pendで囲む必要があります.

 \beginnumbering
   \pstart
   <text 1>
   \pend
 
   <text 2>
 
   \pstart
   <text 3>
   \pend
 \endnumbering

上のように入力すると,<text 1>と<text 3>には行番号がつきますが,<text 2>には行番号はつきません.なお,<text 3>の行番号は<text 1>の続きになります.

\pstartと\pendの代わりに\autoparを用いれば,自動的に行番号を表示させることができます.

 \begingroup
  \beginnumbering
    \autopar
    <text 1>
 
    <text 2>
 
    <text 3>
  \endnumbering
 \endgroup

行番号はすべての行で表示されるわけではありません.デフォルトでは最初に表示される行は第5行で,そこから5行ごとに行番号が表示されます(5, 10, 15, . . .).これを,たとえば最初に表示される行が第2行で,そこから3行ごとに行番号を表示させたい(2, 5, 8, 11, . . .)ときには次のようにします.

 \firstlinenum{2}
 \linenumincrement{3}

デフォルトでは,行番号はテキストの左側の表示されます.これを,外側(左ページなら左側,右ページなら右側)にしたい場合は次のようにします.`outer'の部分には,ほかにleft, right, innerが入り得ます.

 \linenummargin{outer}

***脚注 [#ia085764]

異読を記したい場合は次のようにします.まず,本文にはestを,脚注にはsuntを表示したい場合です.

 \edtext{est}{\Afootnote{sunt}}

これがたとえば第3行にある場合,このようにすると脚注には

 3 est] sunt

と表示されます.脚注の見出語を変更したい場合は\lemmaというマクロを使って

 \edtext{est}{\lemma{xxx}\Afootnote{sunt}}

のようにします.

脚注(apparatus criticus)を,たとえばOCTのように1段組み,項目ごとの改行なし,項目ごとのアキを3emとするには次のようにします.ただし,脚注はAの列のみを使用することとします(\Bfootnoteなどは用いない).

 \footparagraph{A}
 \interparanoteglue{3em plus 1.2em minus 1.2em}

\interparanoteguleのplusやminusの後の値は伸縮する長さを表します.状況によって値を変更します.

行番号のフォントを太字にしたい場合は次のようにします.フォントの大きさを調整したい場合は\footnotesizeのところを適当なものに変更します.

 \renewcommand{\notenumfont}{\bfseries\footnotesize}

行番号の範囲を表す半角ダーシ(1--2)を,たとえばドイツ語式の全角ダーシに変更するには次のようにします.

 \renewcommand{\endashchar}{\textnormal{---}}

**メーリングリスト [#i06eb52a]

-https://lists.berlios.de/pipermail/ledmac-users/

**リンク [#r582b096]

-http://ednotes.sty.de.vu/
-http://www.djdekker.net/ledmac/

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