Computer/OpenSource

Mew

概要

Mewとは,Emacs上で動くメールリーダ(メーラ)です.見た目は非常にシンプルですが,高機能で根強い人気があります.現在の最新の正式版はMew 6.8(2022年現在)です.

目次

  1. ECCS2016で使う(ECCSクラウドメール)
  2. ECCS2008で使う
  3. インストール

キー操作

Summaryモード
M-x mewMewの起動
qMewの一時終了
QMewの終了
リスト操作(メッセージ一覧の取得など)
iサーバからメッセージをローカルに取得
I‘T’マークのついているメッセージの全体を取得
sリストの再構築(IMAP でのメッセージ一覧の取得)
.メッセージの解析(添付ファイルなどの一覧を表示)
xマークを処理
バッファ操作(メッセージの閲覧など)
SPCメッセージを順に閲覧
n次のメッセージを表示
p前のメッセージを表示
バッファ操作(その他)
w新規メッセージの作成
a返信
A引用して返信
f転送
E再編集
Draft モード
TAB補完
C-c C-cメッセージを送信
C-c C-mメッセージを +queue に保存
C-c C-qメッセージを破棄
C-c TAB署名を挿入
C-c C-a添付ファイル挿入領域の作成

基本操作

キー操作

Mew を使う際には,Emacs と同じように Ctrl キー,Meta キーを多用します.以下に使い方,表記方法をまとめます.

C-c とは,「Ctrl キーを押しながら c キーを押す」ということです.M-x とは,「Meta キーを押しながら x キーを押す」ということです.一般的な PC 用のキーボードでは Meta キーは Alt キーに割り当てられています.つまり M-x とは,「Alt キーを押しながら x キーを押す」ということと同じです.Alt キーがない場合は,「Esc キーを押してから(いったん手を離して)x キーを押す」のと同じです.また,「M-x mew」というような表記が出てきますが,これは「Meta キーを押しながら x キーを押し,mew と入力してからリターン(エンター)キーを押す」という意味です.「リターンキーを押す」操作は時々省略しているので,読む時に補って下さい.

モード

::Summary モード

(%inbox, +inbox, +backup などで)メッセージの一覧が表示されている状態 ::Draftモード
新規メッセージを書いている状態

起動方法・終了方法

起動するには,Emacs が起動している状態で

とします.Emacs を起動させ,一緒に Mew も起動させたい時には kterm などから

$ emacs -f mew 

と入力します.起動後にパスワードを求められるので,入力しましょう.パスワードを正しく入力すると,メールボックスにあるメッセージの一覧が表示されます.

Mew から一時的に抜けるためには,Summary モードで

と入力します.すると Emacs に戻ります.もう一度 Mew に戻りたい時はもう一度「M-x mew」とするか,メニュータブの「Buffers」から「+inbox」などを選びます.プログラム自体を終了したい時には

とします.Emacs に戻ります.あるいは q や Q で終了させないで直接

として Emacs 自体を終了させても構いません.ログアウトの必要はありません.

受信方法

IMAP の場合(ECCS2004 システムの場合)

Summary モードで

を押します.すると,IMAP サーバ上の新着メッセージをチェックしてくれます(パスワードを求められることがあります).新着メッセージがあれば

のように,なければ

と表示されます.

POP の場合

Summaryモード(メッセージの一覧が表示された状態)で

を押します.

ECC1999 システムの場合

Mew 1.94でIMAPを用いていました.Summaryモードで

を押すと,画面の下の方に何やら表示された後,新着メッセージがあれば

のように,なければ

と表示されました.なお,「i」を何回も押すとEmacsが固まってしまうことがあり,反応が遅くても「i」を何回も押すのはやめましょう,という注記が必要でした.

メッセージを読む

メッセージを読む

メッセージを読むのは簡単です.読みたいメッセージにカーソルを合わせてリターンキーを押します.あるいは,メッセージを次々に読みたい場合には,Space キーを押していくと,次々にメッセージがブラウズされていきます.その他に次のキーが使えます.

メッセージを読む(添付ファイルの扱い)

ファイルが添付されたメッセージが送られてくることがあります.そのようなメールには,リストされた番号の右に「M」が表示されます.そのメッセージにカーソルを合わせて「.」を押すと添付ファイルの一覧が表示されます.メール本体には次のような表示が現れます.

Subject: -----------
From: ----------
To: ---------
Date: ----------

#     # ####### #     # #
#     #    #    ##   ## #
#     #    #    # # # # #
#######    #    #  #  # #
#     #    #    #     # #
#     #    #    #     # #
#     #    #    #     # #######


Size:		1665 bytes
Browser:	mozilla

To execute this external command, type 'C-c C-e'.

To save this part, type 'y'.
To insert this part in Message mode, type ','.
To execute a specified external command, type 'C-c C-y'.
To display this part as a specified Content-Type:, type 'C-u C-c C-e'.

のように表示されます.指示に従ってタイプして下さい.「ファイルを保存するには`y'を押す」は覚えておくと便利です.どこにどのような名前で保存するかを聞かれるので,適当に入力して下さい(fn なお,ECC1999 システムでは,保存する際にテキスト形式以外のファイルは破損してしまうというバグがありました.その際には「他のメーラーを使いましょう」という注記を加えていました).

メッセージの書き方

Summaryモードで

を入力すると次のようになり,新規メッセージを書く準備ができます.

To: 
Subject:
From: g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp 
X-Mailer: Mew version 4.2 on Emacs 21.3 / Mule 5.0 (SAKAKI)
----

上のような状態を「Draftモード」といいます.このメッセージは「+draft」,つまり「~/Mail/draft/」に保存されます(送信後は削除されます.ECC1999 システムでは,IMAP を使用している場合,~/Mail/imdraft/に保存されていました).

新規メッセージを書く

以下の項目を(必要に応じて)埋めていきます.To: は必須です.それぞれは(改行せずに)一行で記述して下さい.項目がなければ新たに作って下さい(----より上の部分に作って下さい.なお,----より上の行には空の行ができないように気をつけてください.空行があると正しく送信できません).

To
送りたい相手のメールアドレスを書きます.複数の相手に送りたい場合は,それぞれのメールアドレスを「,」(カンマ)で区切ります(カンマの後に空白を入れる必要はありません).
Cc
カーボンコピー.メッセージの写しを「To:」以外の相手にも送る時に使います.複数の相手に送りたい場合は,「ToDefinitionList」に複数のアドレスを書けばいいわけですから,「To:」と「CcDefinitionList」の使い分けは恣意的なものです.
Bcc
ブラインドカーボンコピー.「Cc:」と似ていますが,コピーを送ったということが送信者にしかわかりません.ふつうのBccの挙動とは違うので,「To: myaddress@g.ecc.u-tokyo.ac.jp: address1@example.com, address2@example.com;」のようにして送るとよいかもしれません.この場合,myaddress@g.ecc.u-tokyo.ac.jpは全員に表示されますがaddress1@example.comとaddress2@example.com(:と;によって挟まれた部分)は,送信者以外には表示されません.

メールアドレスを書き込む欄では,以前送ったことのあるメールアドレスを書き込む際にメールアドレスの最初の何文字かを入力した後,Tab キーを押すと,残りの部分が補完されます.いくつかマッチするものがあると,一回 Tab キーを押した後ビープ音が鳴り,さらにもう一回Tabキーを押すと,マッチするものがリストされるので,それを参考にして残りの部分を何文字か入力した後,再び Tab キーを押すと全体が補完されます.

メッセージの作成を一時中止したい時

メッセージの作成をいったんやめたい時は,「C-x C-s」 でメッセージを保存しておいてから次の作業に移ります.編集を再開したい時には,Summary モードで「g」(< go to folder)をタイプして「+draft」と入力し,編集したいメッセージにカーソルを合わせて「E」(< reEdit)をタイプします.あとは同じです.

署名を入れる

メッセージの最後に毎回署名を書くのは面倒です.定型文を作っておくと,簡単なキー操作で呼び出すことができます.

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
Name: Hoge Hogeta
Email: hoge@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
URL: http|//user.ecc.u-tokyo.ac.jp/~hoge/index.html
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

このようなファイルをあらかじめ「~/.signature」に作っておきます.Emacs で「C-x C-f」として「.signature」を開き,上を入力して「C-x C-s」で保存します.メッセージに挿入したい時は,挿入したい場所にカーソルを移動してそこで「C-c Tab」とタイプします.

ファイルを添付する

ファイルを添付するには,文章を書いたら「C-c C-a」とタイプします.あるいは上のメニューから 「Mew/Draft > Prepare Attachments」を選択します.すると本文の最後に次のように表示されます.

----––––––––––––– attachments –––––––––––––––
      Multipart/Mixed                                           1/          
     1  Text/Plain(guess)                                         -Cover.txt 
     2                                                            .          
----––0-1-2-3-4-5-6-7-8-9–––––––––––––––––––––––

「1」はメッセージの本文のことです.「2」以下に添付していきます.添付するには,「2」の行にカーソルを合わせて(「C-c C-a」とした時点ですでにそこに移動しているはずです)「c」(<copy)をタイプします.するとミニバッファに「Copy from: ~/」と表示されるので添付したいファイル名を入力して,リターンキーを押します.すると 「Copy to|」と表示されるので,元の名前のままでいい場合はリターンキーを,変更する場合はそのファイル名を入力してリターンキーを押します.さらにファイルを添付したい場合には,「3」以下の行で同じことを繰り返します.

ファイルの形式は,大体自動的に判別してくれますが,判別に失敗した時は「Text/Plain(guess)」となってテキスト形式になります.そのとき

Attached as text. Type 't' to toggle text to binary

というメッセージが出るので,バイナリ形式にしたい場合は「t」をタイプします.添付したファイルがテキスト形式かバイナリ形式かわからない時はバイナリ形式にしておくのが安全です

大きなファイルを添付する時には添付する前に圧縮しましょう.

届いたメッセージに返信する

新規メッセージを書いた際には,ヘッダの部分にいろいろ入力する必要がありましたが,届いたメッセージに返信する場合には省略できます.

届いたメッセージに返信するには,Summary モードで返信したいメッセージにカーソルを合わせて「a」(<answer)をタイプします.すると次のようなメッセージが準備されます.

To: #######@#####.ne.jp
Subject: Re|%%%%%%%%
From: g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp 
In-Reply-To: <abcdefg@#####.ne.jp>
References: <abcdefg@#####.ne.jp>
X-Mailer: Mew version 4.2 on Emacs 21.3 / Mule 5.0 (SAKAKI)
----

「To:」には宛先がすでに入力され,「Subject|」には「Re:」がついていて,何に対する返信なのかがすぐにわかります.本文の書き方,署名,添付などは新規メールと全く同じです.ヘッダを編集して「CcDefinitionList」などを追加することもできますし,「Subject:」も変更可能です.

届いたメッセージに返信する(引用して返信)

届いたメッセージを引用して返信することができます.そのためには Summary モードで返信したいメッセージにカーソルを合わせて「A」(大文字)をタイプします.すると今度は次のようなメッセージが準備されます.

To: #######@#####.ne.jp
Subject: Re|%%%%%%%%
From: g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp 
In-Reply-To: <abcdefg@#####.ne.jp>
References: <abcdefg@#####.ne.jp>
X-Mailer: Mew version 4.2 on Emacs 21.3 / Mule 5.0 (SAKAKI)
----
From: #######@#####.ne.jp
Subject: %%%%%%%%
Date: xxxxxxxxxxxxx
Message-ID: <abcdefg@#####.ne.jp>

> 引用する部分は最小限にしましょう. 

あとは普通の書き方と同じです.

届いたメッセージを転送する

受信したメッセージを転送するには,Summary モードで返信したいメッセージにカーソルを合わせて「f」をタイプします.すると今度は次のようなメッセージが準備されます.

To: #######@#####.ne.jp
Subject: FWD| %%%%%
From: g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp 
X-Mailer: Mew version 4.2 on Emacs 21.3 / Mule 5.0 (SAKAKI)
----


----––––––––––––– attachments –––––––––––––––
      Multipart/Mixed                                           4/          
     1  Text/Plain(guess)                                         -Cover.txt 
     2  Message/abc123                                            -1         
     3                                                            .          
----––0-1-2-3-4-5-6-7-8-9–––––––––––––––––––––––

ヘッダを埋めてあとは普通のメッセージと同じようにします.Subject: は,転送されてきたメッセージだと簡単にわかるように「FWD|#####」や「FW:#####」とするとよいでしょう.

なお,転送の際は元のメッセージが「添付」されます(「添付」とはそもそもそういう意味で,Mewは本来の動作をします).ただメッセージを引用して送りたいだけならば,「届いたメッセージに返信する(引用して返信)」を行って,「To:」の部分を書き換えて(これを忘れないようにしましょう.そして必要ならばメッセージを編集して)送るのが正しい方法です.

宛先を簡単に入力する方法

過去にメールを送ったことがある人に対しては,その人のメールアドレスの始めの部分を入力して Tab で補完することができますが,メールアドレスの最初の部分を覚えていないと使えませんね.Mew では,メールアドレスに Alias(別名)をつけることができます.

Mew と対話形式でアドレス帳を作る方法

Summary モードで hoge@foo.ne.jp からのメッセージを読んだあと,「C-c C-a」とタイプすると次のような画面になります.

#If you want to register this entry, type 'C-c C-c'.
#If you want to NOT register this entry, type 'C-c C-q'.
Shortname: hoge
Addresses: hoge@foo.ne.jp
Comments: 

「Shortname」がニックネームのことです.メッセージを書く時,「To:」の欄に「Shortname」の始めの何文字かを入力したあと「Tab」で補完すると,「Addresses」が入力されます.適当に編集して,登録する時は「C-c C-c」と,やっぱり登録は止めておく場合は「C-c C-q」とタイプして下さい.この内容は次に示すように ~/Mail/Addrbook{{fn Mew 1.94 までは ~/.im/Addrbook}} に保存されます.

「Addrbook」というアドレス帳を自分で作る方法

「~/Mail/Addrbook」というファイルをつくって下の内容を記述します.

hoge: g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp

とします.まず別名を行の最初に書き,「:」で区切ってその人のメールアドレスを書きます.何人にも Alias を定義したい時には行をかえて同じことを繰り返していけば OK です.他の人に見られて困る場合はパーミッションを変更しましょう.kterm などで

$ cd Mail
$ chmod 600 Addrbook 

とします.確認するには続けて次のようにします.

$ ls -l 

次のように表示されれば大丈夫です.

-rw----–-    1 g-------  g-------      1001 Jun  1 00:00 Addrbook

宛先を匿名にする

メッセージの送信

メッセージを送信したい場合にはメッセージを編集できる状態で「C-c C-c」とします.「Really send this message? (y or n)」と質問され,送信したい場合は「y」をタイプします.するとパスワードを聞かれるので入力します.画面の下に「Sending message ... done」と表示されれば送信完了です.また,「C-c C-m」をタイプすると「+queue」に保存されます.「+queue」にたまったメッセージを一括して送信する場合は「C-c C-c」をタイプして下さい.自分宛にメッセージのコピーを送るには「To:」や「Cc|」に自分のメールアドレスを加えれば良いのですが,いちいち入力するのは面倒ですね.メッセージを作成するときにコピーを送るようにする方法などは「カスタマイズ」の節を参照して下さい.

メッセージの整理

フォルダについて

POP と IMAP

POP は,メールをメールサーバからローカルにダウンロードする方式です.IMAP は,メールサーバ上でメールを読む方式です.IMAP ならばどの端末からでもメールを同じように読むことができますから優れた{{fn 若干主観的な判断です.デメリットとしては,ネットワークが遅いと使いものにならない,サーバ上のディスク容量(クオータ)に左右される,といったことが挙げられます.}} 方式です.ECCS では IMAP の使用を前提としています.

ローカルとサーバ上

今自分がサーバ上のメールを読んでいるのか,ローカルのメールを読んでいるのかを確認するには,今いるフォルダの名前を確認します.例えば「inbox」にいる場合は,その前についている記号を確認します.

::%inbox

IMAP サーバ上の inbox フォルダです.

::+inbox

ローカルの inbox フォルダです.つまり,~/Mail/inbox/ フォルダのことです.
ECCS2004 の IMAP フォルダ

ECCS2004 の IMAP フォルダは,%inbox と同じ階層にフォルダを作れない仕様になっています.「%inbox/folder」といったフォルダを作って下さい.

クオータ

2006年4月現在,ECCS のメールサーバーのクオータ(制限容量)は 10MB,ディスクは(Mac, Windows, Linux 等全て合わせて)600MB です.容量を考えながら整理しましょう.

メッセージをメールサーバー上のフォルダに移動する場合,「o」をタイプすると「Folder name (+aaa): +」と「+」がすでにタイプされた状態になっているので,「+」を消してから「%backup」のようにタイプします.

フォルダに分類

「%inbox」の中にメッセージがたくさんたまってくると,あとで見返したりする時に面倒です.また自分宛にメッセージのコピーを保存している場合などは「%inbox」に残しておきたくないでしょう.その時は,フォルダを作って整理しましょう.

メッセージを,例えば「+backup」に移動するとします(自分宛のバックアップのメッセージとします).その時は,移動したいメッセージにカーソルをあわせて「o」(Refile)をタイプします.すると「Folder name (+aaa): +」と聞かれます.カッコ内はデフォルトのフォルダで,このままで良いのであればリターンキーを押します.今の場合は「+backup」に移動したいので,「+」に続けて「backup」をタイプして下さい.タイプした後リターンキーを押すとメッセージの番号の右に「o」がマークされます.設定によっては色も変わります.

935  09/16 hogehoge@jp    Message from SkyMail
936o 09/16 To:foo@mail.   Re| あああ

もし「+backup」というフォルダが存在しない場合は「+backup does not exist. Creat it? (y or n)」と聞かれるので,「y」と答えて下さい.

「o」マークがついても,すぐには移動されません.移動の「予約」をしただけです.実際に「+backup」に移動させるには,「x」(<Execute)をタイプします.これは次に述べる「D」を実行した場合も同様です.

「o」マークをつけた後,やっぱり移動は取り消したい,という場合はそのメッセージにカーソルを移動して「u」(<Undo)をタイプします.

メッセージの削除

メッセージの整理と同様に,削除したいメッセージにカーソルを合わせて「d」(<delete)をタイプします.すると

 936  09/16 To:foo@mail.   Re| あああ
 937D 09/16 meiwaku@mail   こんにちは

となります.これも削除の「予約」ですので,実際に削除するには「x」(<Execute)をタイプします.「D」マークをつけた後,やっぱり移動は取り消したい,という場合はそのメッセージにカーソルを移動して「u」(<Undo)をタイプするのも移動の時と同様です.

削除されたメッセージは「+trash」の中に保存されます.削除を実行した後,「やっぱりとっておきたい」という場合は,「+ trash」に移動した後,「+inbox」などに移動すればOKです.「+trash」のメッセージを完全に消去する(「ゴミ箱を空にする」ですね)には,Summary モード(メールの一覧が表示されている状態)で「D」(大文字です)をタイプします.すると「Folder name (+trash): +」と聞かれるのでそのまま Enter をタイプします.その次に「Remove all messages in +trash? (y or n)」と聞かれるので,完全に消去したい時には「y」を,そうでないときには「n」をタイプします.「+trash」の中のメッセージを選択的に消去したい場合には,そのメッセージにカーソルを合わせて「d」を押して消去の予約をし,「x」で実際に消去します.

フォルダの移動

「+hoge」というフォルダに移動するには Summary モードで 「g」(<go to folder)をタイプして 「+hoge」 と入力します.あるいは Emacs のメニューから 「Mew > Munipulate folder > Go to folder」を選択して「+hoge」と入力します.

カスタマイズ

ECCS2004 (Mew 4.2)

/.mew.el を編集します.なければつくって下さい.

;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;                                           ;;
;; Mew 4.2  -  Messaging in the Emacs World  ;;
;;                                           ;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

;;起動時にメールを取りにいく
(setq mew-auto-get t)

; Mail Account
(setq mew-config-alist
; new ECCS (2004.3-)
 '(("default"
    ("proto"        . "%")
    ("name"          . "MATSUURA Takashi")
    ("user"          . "ll56083")
    ("mail-domain"   . "mail.ecc.u-tokyo.ac.jp")
    ("imap-user"     . "ll56083@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp")
    ("imap-server"   . "imap.ecc.u-tokyo.ac.jp")
    ("imap-auth"     . nil)
    ("smtp-server"   . "smtp.ecc.u-tokyo.ac.jp")
    ("from"          . "MATSUURA Takashi ")
    )
  )
)

; Password
(setq mew-use-cached-passwd t)

;; From ヘッダの "" で囲まれた文字も MIME デコードする
(setq mew-decode-quoted t)

;; Reply-To ヘッダがある場合そのアドレスにだけ返信
(setq mew-replyto-to-list '("Reply-To:"))
(setq mew-replyto-cc-list nil)

name, user, imap-user, from の欄を適当に変えてください.

Mew 1.94

Mew をカスタマイズするには 「~/.emacs」 を編集する必要があります.なければつくって下さい.

とします.カスタマイズの例を挙げます.

;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;; Mew 1.94                         ;;
;;  -  Messaging in the Emacs World ;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

;;load mew
(autoload 'mew "mew" nil t)
(autoload 'mew-send "mew" nil t)
(autoload 'mew-user-agent-compose "mew" nil t)
;(setq mew-auto-get nil)

;;from-field
(setq mew-from "TODAI Taro <g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>")

;;Outlook Express
(setq mew-decode-quoted t)

;; 返信時の引用フォーマットの指定
(setq mew-cite-fields '("From:" "Subject|" "Date:" "Message-IDDefinitionList"))
(setq mew-cite-format "From: %s?nSubject| %s?nDate: %s?nMessage-IDDefinitionList %s?n?n")
;;(setq mew-cite-prefix-function 'mew-cite-prefix-username)

;;dcc
(setq mew-dcc "g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp")

;;fcc
;(setq mew-fcc "%backup")

;; Reply-To ヘッダがある場合そのアドレスにだけ返信
(setq mew-replyto-to-list '("Reply-To:"))
(setq mew-replyto-cc-list nil)

;; スレッド表示を行う
;(setq mew-prog-imls-arg-list '("–thread=yes"))

;;; URL をマウス中クリックでブラウザ起動する様にする
(autoload 'browse-url-at-mouse "browse-url"
      "Ask a WWW browser to load a URL clicked with the mouse." t)
(add-hook 'mew-message-mode-hook
   (function
      (lambda()
         (local-set-key [mouse-2] 'browse-url-at-mouse)
)))

;;; ブラウザに Mozilla を使用する

(setq mew-prog-text/html-ext "mozilla")

;(define-key mew-message-mode-map [mouse-2] 'browse-url-at-mouse)
(setq browse-url-netscape-program "mozilla")
(setq thing-at-point-url-path-regexp "[~/A-Za-z0-9–-_.${}#%,:]+")

;;; らくらく整理整頓
;;; マッチするヘッダ,その値,リファイル先のフォルダを書いておくと,
:;; 簡単に振り分けができます

(setq mew-refile-guess-alist
  '(("Reply-To:"
      ("foobar-ml@" . "+ml/FooBarML")
    )
    ("From:"
      ("hoge@foo.bar" . "+from/hoge")
    )
))

上は「Emacs-Lisp」という言語で書かれているのですが,それを意識する必要はないでしょう.;よりあとはコメントになります.. emacs を読み込んでエラーが出た時などは,問題の行を消してしまうのではなく,行頭に「;」を入れてコメントにしてしまいましょう.後で役に立つかもしれません.上を .emacs にコピー&ペーストして,必要ない部分は「;」でコメントにしてしまいましょう.また,Emacs-Lisp はカッコを多用します.きちんとカッコの始めと終りが対応しているかどうか,よく確認して下さい..emacs の変更を反映するには

とするか,Emacs を再起動します.

以下は各部分の説明です.

(setq mew-auto-get nil)

これは Mew の起動時にメールサーバにメッセージを探しにいくかどうかを決めています.値が真(探しにいく)なら setq mew-auto-get のあとに 「t」 を,探しにいかないのなら「nil」(ここでは nil になっていますね)とします.デフォルトは「t」 です.つまり .emacs に setq mew-auto-get という行を書かなければ setq mew-auto-get は「t」であると解釈されます.普通は 「t」で良いのですが,ダイヤルアップで接続している場合などは「nil」にしておいた方がいいですね.

;;from-field
(setq mew-from "TODAI Taro <g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>")

これはメッセージの 「From:」 に表示される名前を決めるものです.メールアドレスは必ず < > ではさんで書きましょう.上のように書いておくと,

To: 
Subject:
From: TODAI Taro <g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp>
X-Mailer:Mew version 1.94.2 on Emacs 20.7
----

のように表示されるようになります.

;;Outlook Express
(setq mew-decode-quoted t)

ときどき送信者のメールアドレスを 「"TODAI Hanako <$$$$$$@$$$.ne.jp>"」 のように " " でくくってメッセージを送ってくるメーラがありますが,本当はこれは規格違反です.そのようなメッセージでも送信者の名前が正しく表示されるようにします.

;;dcc
(setq mew-dcc "g------@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp")
;;fcc
;(setq mew-fcc "%backup")

自分宛にメッセージのコピーを送信したい時に使います.「dcc」と「fcc」がありますが,違いは 「dcc」はいったんメールサーバに送信した後,自分のメールアドレスに送信されます.つまり送信した後,一度受信の操作が必要です.「fcc」はメールサーバには送信せず,フォルダにコピーをおきます.なぜか ECC1999 の Mew では「fcc」がうまく機能しないようです.

;;; らくらく整理整頓
;;; マッチするヘッダ,その値,リファイル先のフォルダを書いておくと,
;;; 簡単に振り分けができます

(setq mew-refile-guess-alist
 '(("Reply-To:"
    ("foobar-ml@" . "+ml/FooBarML")
   )
   ("From:"
    ("hoge@foo.bar" . "+from/hoge")
   )

"From" などに指定されたアドレスが含まれる場合,特定のフォルダに振り分けるようにします.受信と共に振り分けられるわけではありません.「o」でフォルダを指定する時に表示されるデフォルトのフォルダを決めます.


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