eLearning/Greek/Aeschylus
アイスキュロス『慈しみの女神たち(エウメニデス)』(Aeschylus, Eumenides)†
- A. Eu.
- 全1047行
- 紀元前458年大ディオニュシア祭にて上演
- 第1等(13回目)
- 同時上演
- 『アガメムノーン』
- 『献酒を運ぶ女たち』
- 『慈しみの女神たち』
- 『プローテウス』(サテュロス劇)
登場人物†
人物 | ギリシア語名 | 略号(ギ) | ラテン語名 | 略号(ラ) | 説明 |
ピュートーの巫女 | Πῡθίᾱ | Πυ. | Pȳthia | Py. | アポッローン神殿の巫女 |
オレステース | Ὀρέστης | Ορ. | Orestēs | Or. | |
アポッローン | Ἀπόλλων | Απ. | Apollō | Ap. | |
クリュタイメーストラーの亡霊 | Κλυταιμήστρᾱς εἴδωλον | Κλ. | Clytemnestrae | Cl. | |
合唱隊 | Χόρος Ἐρῑνύων | Χο. | Chorus Erīnyum | Cho. | エリーニュースたちから成る |
アテーナー | Ἀθηναίᾱ | Αθ. | Minerva | Mi. | |
先導人たち | Προπομποί | Πρ. | Propompoi | Pr. | |
ほかに黙役としてヘルメース(85–93)など.
あらすじ†
Breviata†
- in(n).
- init / ineunt
- ex(x).
- exit / exeunt
行 | 場 | 韻律 | あらすじ | 役者入退場 |
1–139 | 前口上 | 3ia | | |
1–63 | | | デルポイ(ピュートー)のアポッローン神殿の前.ピュートーの巫女入場.アポッローンがデルポイを支配するに至った経緯を述べ,共に祀っている神々の名を挙げる.神殿の中に入る(33).殺人を最近行ったであろう男の人が,復讐の女神たちに追われ,神殿の中にある「大地の臍の石」(オンパロス)の上に座っているのを見て,恐ろしくなってふたたび神殿の外に出てくる.巫女退場. | Py. in. (1) & Py. ex. (63) |
64–93 | | | アポッローンが正面扉(神殿)から入場(テキストの復元によっては先にオレステースが入場).大地の臍の石でひざまずいているオレステースとその周りで眠りこけているエリーニュエスの姿も神殿の中に見える(搬出台車で舞台前方に出てきているという解釈もある).復讐の女神たちを恐れる必要はない,アテーナイでアテーナー女神に嘆願すればよい,また母への復讐を命じたのは自分である,と言ってオレステースをなだめる.ヘルメースとオレステース登場.アポッローンはヘルメースに,オレステースの道案内をするよう頼む.全員(アポッローン・ヘルメース・オレステース)退場. | Ap. in. (64) & He. et Or. in. (85) & Ap. et He. et Or. exx. (93) |
94–139 | | | クリュタイメーストラーの亡霊登場.眠りこけているエリーニュエスに対して不満を述べる.するとエリーニュエス(合唱隊)はうなり声を上げながら次々に起きてくる.クリュタイメーストラーの亡霊はオレステースを追うようにと述べる.クリュタイメーストラーの亡霊退場. | Cl. in. (94) & Cl. ex. (139) |
140–178 | 入場 | | エリーニュエス(合唱隊)は次々に起きてくる.オレステースをかばう若造のアポッローンを非難する. | |
179–234 | 第1挿話 | | アポッローン登場. | Ap. in. (179) & |
235–275 | stasimon prōton | | | |
276–320 | epeisodion deuteron | | | |
役者の割り振り(推定)†
行 | 第1俳優 | 第2俳優 | 第3俳優 |
1–63 | | | Pythia |
64–93 | Orestes | Apollo | |
64–139 | | | Clytemnestra |
140–178 | | Apollo | |
179–234 | Orestes | ↓ | |
235–396 | ↓ | ↓ | |
397–488 | ↓ | ↓ | Athena |
489–565 | ↓ | | |
566–777 | ↓ | Apollo | Athena |
778–1047 | | ↓ | ↓ |
参考文献†
- Mitchell-Boyask, R., Aeschylus: Eumenides (Bristol, 2009).