TeX/Manual/Babel/greek

teubner 記法

teubner パッケージを用いると、次のようなコマンド、記法が使えるようになります。

文字

アクセント記号がついた文字は、\as のように表します。

アクセント記号がついた文字を記述するには、おおよそ次のような原則で、1から順番に記したコマンドで表します。以下の記法が適用されるのは小文字だけです。大文字については Babel パッケージの記法を用いて >A のようにします。

  1. 初めに \ を書く
  2. アクセントを除いた部分の文字(上のアルファベット対応表参照)を書く(αなら a)
  3. 無気息なら s(smooth)、有気息なら r(rough)、分離記号なら d(dieresis)を書く
  4. 鋭アクセントなら a(acute)、重アクセントなら g(grave)、曲アクセントなら c(circumflex)を書く
  5. イオタサブスクリプトなら i を書く
  6. 最後に半角スペースを挿入する

ただし、\or というコマンドは他で使われているので、\oR と記します。

最後の半角スペースは、コマンドの終了を表すためのものです。例えば次のような例を考えて下さい。(αγαθοσです。)

\as gaj\oa s

これを

\asgaj\oas

と書いてしまうと、\asgaj がひとかたまりでコマンドを表すことになってしまいます*1。ところが、\asgaj というコマンドは存在しないので、エラーになります。半角スペースがあれば、そこでコマンドが終了していると判断されますので、正しく処理されます。

しかし、LaTeX では「複数の半角スペースは1つのものと数える」という規則があるため、και το を次のように書いてしまうと、二つの単語がくっついてしまいます。

ka\ig  t\oa

この場合、\ig のあとに、見えない区切り記号 {} を挿入します。

ka\ig{} t\oa

すると t の前の半角スペースがスペースとして認識されます。

では、\ig などのコマンドの後には必ず {} を入れるようにすればいいのでしょうか? 残念ながら厳密にいうとこの方法は正しくありません。{} を入れてしまうと、文字のカーニングがうまくいかなくなります。{} は上のような限られた場合にのみ使って下さい。

なお、コマンドのあとが記号の場合、半角スペースなどの区切り記号は省略します。例えば \oR\aa、\ig, など。


*1 \ がコマンド開始の合図です。

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