Personal/Seminar

2021年夏中級講読会!

https://museion.sakura.ne.jp/wiki/?Personal/Seminar/2021/04でこのページにアクセスできます

概要

投稿者
夏キャップ(予)
作成日
2021/06/19

古典ギリシア語・古典ラテン語の初級文法を終えたばかりの方々を対象に,原典を読む訓練を行うための読書会を夏休みに開催します.参加条件は「ギリシア語またはラテン語の初級文法を終えているか学習中であること」です.参加者に応じてギリシア語のみ,あるいはラテン語のみ,あるいはギリシア語・ラテン語の両方を開催します.

場所
オンライン開催
日時
8月6日から9月24日(予定)までの間の毎週金曜日10:00–12:00に行います.詳しくは「題材と日程」をご覧ください.
題材と日程
春のつづきです.
箇所備考
18月6日プラトーン『メノーン』71e1 (ἀλλʼ οὐ χαλεπόν, ...)から
28月13日プラトーン『メノーン』71e8 (καὶ ἄλλη ἐστὶν παιδὸς ἀρετή, ...)から
38月20日プラトーン『メノーン』72a8 (ἀτάρ, ὦ Μένων, ...)から
48月27日プラトーン『メノーン』72c5 (ἔγωγε.)から
59月3日プラトーン『メノーン』72d7 (ἄλλη μὲν ἀνδρὸς ...)から73a3 (ἐάντε ἐν ἀνδρί;)まで
69月10日エウリーピデース『メーデイア』第1–8行(εἴθʼ ὤφελʼ Ἀργοῦς ... Ἰάσονος)
79月17日エウリーピデース『メーデイア』第321行(ἀλλʼ ἔξιθʼ ὡς τάχιστα, ...)から
89月24日エウリーピデース『メーデイア』第326–332行(ἀλλ' ἐξελᾷς με ...)

さて,読書会への参加をご希望の方は

  1. 参加表明
  2. 「ギリシア語のみ・ラテン語のみ・ギリシア語とラテン語の両方」のいずれを希望するか
  3. 夏休みの開始・終了日
  4. 「この(曜)日だと出席できない!」などの予定

をお聞かせ下さい.このページの下の方の掲示板に書き込むか,メールを

cmatuura<AT>mail.ecc.u-tokyo.ac.jp

までお願いします(<AT> を @ に置き換えてください).

それではみなさんのご参加を心よりお待ちしています(^o^)

オンライン開催について

はじめに

Googleのサービスを利用します.必要な準備は次の通りです.

東京大学所属の場合
ECCSクラウドメールのメールアドレスをお知らせください(自分で決めたアドレスでも,共通ID@g.ecc.u-tokyo.ac.jpでもOK).
それ以外の所属の場合
Gmailのメールアドレスをお知らせください.お持ちでない方はご相談ください.

教材

Google Classroomで配布します.WebブラウザでECCSクラウドメール/Gmailにログインし,弁当メニューボタン(右上の縦横3点のボタン)でClassroomをクリックします.教材は「授業」のペインに用意します.

ビデオ会議への参加

Google Meetを用います.Webブラウザで利用することもできますし,スマートフォンやタブレット用にはアプリも用意されています(事前にインストールしておいてください).まずGoogle Classroomにアクセスしてください.該当するクラスをクリックすると「Meetのリンク」がありますので,これをクリックします.Google Classroomに「Meetのリンク」が表示されない方には毎回招待メールをお送りします.あるいはGoogle Classroomの「ストリーム」にURLを毎回貼り付けますので,そこからアクセスすることもできます.デバイスによっては,最初にアクセスする際にカメラやマイクへのアクセスの許可が求められる可能性がありますので「許可」してください.

一般には次の文書が役立ちます.(開催ではなく)参加する場合は「はじめに」,「ビデオ会議編 - 会議への参加(join)」を読んでおけば十分です.

改版履歴

掲示板

第8回

投稿者:夏キャップ[2021-09-24 (金) 09:46:50]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
    • GP 8 (s.v. ἀλλά [3-ii]).
    • αἰδέσῃ: 未来形(注釈の記述は誤り).
    • GP 73–74: γάρは同意とその理由を表して‘Yes, for ...’, ‘No, for ...’の意味になることがある.
    • πατρίς: πατήρから作られる形容詞(ただし曲用は女性のみ)だが,基本的にγῆの存在が了解されたものとして用いられる(「父なる[大地]」).
    • ὦ ..., ὡς ...: 呼びかけとὡςに導かれる感嘆文は対話の部分でしばしば用いられる.
    • βροτόςは「不死なる神々」に対して「死すべき定めにある人間」の意味で用いられる.
    • LSJ s.v. ὅπως A.I.2: ἄν+接続法を伴って「どんな方法であれ」という不定の言い方になる.
    • παραστῶσιν: ἵστημιの接続法アオリスト.直説法アオリストにἔ-στησ-α / ἔ-στη-νの2つがあるが,ここでは第2アオリストのἔστηνから作られている.
    • τῶνδε (332): 関係代名詞より前に飛び出しているが,これはしばしば起こること.
  3. 読書会終了後に古典語読書会!と合同でオンライン打ち上げを開催しました.中級講読会からの参加者は(教員を除いて)3名でした.ご参加ありがとうございました.
  4. 打ち上げの際に出た要望は次の通りです(古典語読書会!&西洋古典学勉強会!の内容を含みます).
    • 悲劇をもう少し読んでみたい.
    • Greek Particlesはどれをどこで買うとよいか.
    • ヘーロドトス(イオーニアー方言)など,他の方言の作品を読んでみたい.
    • クセノポーン『アナバシス』のアルメニアに関する箇所を読んでみたい.
    • 韻文体碑文でヘクサメトロス以外のものも読んでみたい.
    • ミュケーナイ文明期ギリシア語を読んでみたい.
    • 語源辞典を使いたい場合はどれがよいか:歴史言語学の観点からは今はBeekesを見るとよいでしょう.

第7回

投稿者:夏キャップ[2021-09-17 (金) 09:44:06]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
    • LSJ s.v. ἀλλά II.2 (cf. 3): 命令法や接続法(勧奨)とともに用いる.
    • GP 13–15 (s.v. ἀλλά [4]): 議論から行動に移る場合に用いる.
    • LSJ s.v. ἀραρίσκω: ἄρᾱρεは全体重複.語根のἀρ- を目印にList of Verbsを引くと見つけやすい.この完了は現在の状態を表す(現在完了).
    • Smyth §2209–2211: 配慮や努力を表すὅπως + fut.に準じて用いられる.
    • GMT §339: 同上.
    • LSJ s.v. πρός A.I.4: 次のσεはWackernagelの法則により入り込んだもの.実際にはπρὸς + gen.で「……にかけて」の意味.
    • 「Wackernagelの法則」(Google Classroomで配布します).

第6回

投稿者:夏キャップ[2021-09-10 (金) 13:24:05]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
    • Smyth, ’Appendix: List of Verbs’: 動詞の主要部分の一覧がある.
    • Smyth §1781: 過去の実現不可能な願望.
    • GMT §734: 過去の実現不可能な願望.
    • Smyth §1322: 同格の属格(Ἀργοῦς σκάφος).
    • Smyth §3047: Ἀργοῦς σκάφος「アルゴー船の船体」はsynecdoche.部分(船体)で全体(船)を表している.
    • LSJ s.v. διαπέτομαι: 自動詞だが対格を伴って(c. acc.)「…の間を飛ぶ」の意味になる.
    • LSJ s.v. πέτομαι: ἐπτάμην等の,各時称の活用形は(複合動詞ではなく)基礎動詞の方で調べた方がよい(いろいろな形が載っているから.).

第5回

投稿者:夏キャップ[2021-09-03 (金) 09:58:58]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
    • LSJ s.v. ὁ B.I.5: τόを付すことで,ある単語や句を引用することができる(ここでは前の文の «τῇ αὐτῇ» を引用している).
    • GP 434 (s.v. οὐκοῦν 2.c): 詳細な内容を列挙するときに,「それに加えて」と言うとき.帰納的に述べるときにも.

エウリーピデース『メーデイア』の予習方法

投稿者:夏キャップ[2021-09-02 (木) 17:56:53]

少しずつギリシア語に慣れてきたと思いますので,初心者向け注釈(今回はSteadman)以外にも,文法書その他で明確に引用されている箇所があれば,それに関しても調べてくるようにしてください.文学作品に関する説明をしている英語を読む練習にもなります.

第4回

投稿者:夏キャップ[2021-08-27 (金) 09:42:43]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
    • GP 209 (δή): 代名詞由来の副詞とともに用いられて,強調を表す.γεも強調を表すが,δήの方は節全体に強調が及ぶことが多いという点で異なる.
    • GMT §195: ἄνは直説法本時称(現在/完了)とともに用いられることはない.ただしプラトーンやアリストテレースの用いる «κἂν εἰ» に含まれるἄνは,次に続く節の中で,法や時称にかかわらず,用いられることがある.
    • GP 414 (γε): 限定の意味(limitative)で用いられるγε.ただし‘at least’ではなく,μένに近い意味.
    • ἀποκρῑνομενον: 現在分詞なのは開始・未遂「……ようとする」の意味.
    • LSJ s.v. τυγχάνω A.II.1: 特にτυγχάνω + ὤνの場合はほぼεἰμίと同じ意味のことが多い(「たまたま」の意味はない).
    • GP 130 (γε): 対話では,‘Yes’あるいは‘No’の意味をもつことが多い.ναί ‘Yes’はそれほど使われない.
    • LSJ s.v. κατέχω A.II.9: 「理解する」の意味をもつ.

韻文の題材

投稿者:夏キャップ[2021-08-25 (水) 18:17:39]

韻文も読んでみたいという希望がありましたので,最後の2回か3回程度は韻文を扱うことを考えています.以前は叙事詩を取り上げましたので,今回は悲劇を扱うつもりです.悲劇のうち,初心者に読みやすいのはエウリーピデースですので,特に希望がなければ,教材が入手しやすいエウリーピデース『メーデイア』にします.悲劇には一人の役柄による語りの部分,二人の役柄による対話の部分,合唱の部分ほかがありますが,合唱の部分は初心者には少し難しいので割愛します.語りの部分と対話の部分はそれぞれ特徴的な形式を備えていますので,両方取り上げる予定でいます.

第3回

投稿者:夏キャップ[2021-08-20 (金) 10:17:14]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
    • LSJ s.v. εἰκών
    • LSJ s.v. ἀποκρίνω: 第1アオリストはἀπέκρῑναのように長いιになる.
    • GMT §414
    • LSJ s.v. ᾗ: 場所や方法を表す関係副詞(<関係代名詞の女性単数与格形).
    • Smyth §952: ἕκαστοςが複数の主語と同格の場合は動詞は複数.
    • GP 425–426 (οὖν): 新しい場面や論点に入ったことを示す.
    • GP 575 (τοίνυν): 新しい例や新しい議論に入ったことを示す(講読会中に挙げた箇所から訂正します).
    • GP 267–268 (δήπου): δήが確実性を表し,πουがそれに不確実性を加える.「きっと」「もちろん」.
GMT
W. W. Goodwin, Syntax of the Moods and Tenses of the Greek Verb (London, 1889).

第2回

投稿者:夏キャップ[2021-08-13 (金) 09:44:11]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
    • LSJ s.v. πρέσβυς: もともとは形容詞と考えられ,比較級πρεσβύτεροςがある.散文では「…する人」を表す接辞を付したπρεσβύ-της, -ου, ὁもよく用いられる.
    • LSJ s.v. πόλις: 方言によってはπόλιος (sg. G)のように語幹末が常に -ι- になることがある.
    • LSJ s.v. πολύς I.2
    • LSJ s.v. σμῆνος II.2: 蜜蜂の群れと解釈されているが,κεῖμενονといっしょに用いられているのが少々気になる.確かに「そこにいる」と訳すこともできるが,「蜜蜂の巣」と訳した方がκεῖμενονに合うようにも思われる.
    • Smyth §1265: 疑問詞にτίςを用いるのは,それの部類に関して述べる場合(「それはどのような……か」),τίを用いるのはそれの本質に関して述べる場合(「それは(本質的に)か」).

第1回

投稿者:夏キャップ[2021-08-06 (金) 12:00:56]

  1. 進捗は「日程と題材」をご覧ください.
  2. 講読会中に参照した資料です.
GE
F. Montanari (ed.), The Brill Dictionary of Ancient Greek (Leiden, 2015).

Re: 2021年夏中級講読会!

投稿者:夏キャップ(予)[2021-07-10 (土) 22:44:03]

今のところギリシア語の参加希望者が4名,ラテン語が少なくとも1名です.また1名から月・火(午前)・金に開催を希望との回答をいただいています.

7月22日頃に日程を決める予定です.今のところ8月第1週に開始を予定しています.ラテン語の方はもう少し集まるようであれば開催します.

Re: 2021年夏中級講読会!

投稿者:夏キャップ(予)[2021-06-26 (土) 16:03:36]

参加表明をしてくださったみなさま,ありがとうございます.今のところ,(ギリシア語の)散文のほかに韻文(ホメーロス)を読んでみたい,という希望と,数回でも研究室で文献を手に取りながら読んでみたい,という希望があります.ほかにも何か希望があればお知らせください.可能な範囲で対応します.

Re: 2021年夏中級講読会!

投稿者:夏キャップ(予)[2021-06-19 (土) 22:57:01]

参加者が集まるようであればこの夏も中級講読会を開催しますので,みなさまぜひご参加ください.ギリシア語のみ・ラテン語のみ・ギリシア語とラテン語の両方のいずれにするか,と題材は検討中です.ご希望があればお知らせください.

今回もオンラインになる可能性が高そうです.開始は8月第1週くらい,終了は9月最終週くらいを予定しています.

題材は参加者のようすを見て,春の続きとするか,あるいは別の題材にします.ご希望があればお知らせください.

みなさまのご参加をお待ちしております.まわりに,読書会に参加してみたいなぁ,という方がいらっしゃればぜひ誘ってみてください.


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Last-modified: 2021-09-24 (金) 21:36:31