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後代の韻律

ギリシアの韻律は紀元前5世紀にそのピークを迎え、特にシモーニデース、ピンダロス、バッキュリデースにそれが顕著に現れている。それ以降の韻律は理解のしやすいものが大部分である。抒情詩はあまり書かれなくなり、単詩行型(stichic)の詩がほとんどである。特に以下の韻律がよく使われる(よく使われる順に挙げてある)。

  1. ダクテュロス・ヘクサメトロス
  2. エレゲイア詩型
  3. イアンボス・トリメトロス

ヘクサメトロスに関しては、カッリマコスなど、ヘレニズム時代の作家においては、ホメーロスなどの場合よりもより「厳密な」規則が適用され、紀元後5世紀のノンノスや、パウロス・シレンティアーリオスなどにおいてもっとも厳密な規則となる。例えば、ノンノスにおいては第3脚や第5脚のビケプスが縮合(contraction)をおこすことは皆無といってよい。

アクセント

ギリシア語はもともと高低アクセントであったが、ヘレニズム時代から次第に強弱アクセントになり、紀元後3世紀くらいには、話し言葉では長音節と短音節の区別はされなくなる。文学上ではそれ以降も音節の長短による韻律は使われるが、それは文字の上で表現されるだけであった。この傾向は中世まで続く。

韻律が音節の長短にもとづいているにもかかわらず、強弱アクセントの影響が認められる場合がある。強弱アクセントによる韻律への影響が認められるのは以下の点である。

  1. コーロンの終わりや詩行の終わりの方の、ある位置に強アクセントのある音節を置くのを避ける。
  2. 紀元後3世紀以降においては、強アクセントの置かれた短音節を誤って長音節として、また強アクセントの置かれない長音節を誤って短音節として扱う詩人が現れる。
  3. キリスト教文学で特に、音節の長短による韻律をまったく用いず、全面的に強弱アクセントによる韻律を用いる詩人が現れる。

参考文献


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Last-modified: 2019-03-30 (土) 04:06:55