eLearning/HandbookForWriters

Adversaria ad operis citationem

原則
引用文献の表記方法については、「簡潔に」「明瞭に」を心がける。これら2つは、多くの場合は相反する目的になるので、うまくバランスを取ることが大切である。他に「一目で分かる」などの原則にも気をつけるとよい。
典拠の表記
すべての情報に出典を記す必要はなく、例えば辞書や辞典に載ってることがらなどには出典を書く必要はない。しかし、議論のあることがらについて、他人の知見に対しては出典を与える必要がある。したがって、引用の際には「読者に対する礼儀(=出典の表記がなかった場合に読者が理解できるか)」「(元の文献の)著者に対する礼儀(=その著者の知見を自分のものと偽装することにならないか)」という2点から考えるとよい。
引用表記
BS 1629, BS 4148, BS 5605, Chicago Manual
著者が変わっているが、版表示が継続している場合
Teubner の Bacchylides の刊本は、Blass -> Snell -> Maehler と変わっているが、版表示は Blass から引き継がれている。たとえば、Teubner の Bacchylides の刊本の一覧を作る場合、西洋古典学で行われている普通の Bibliography の記法に従うと、それぞれが連続しなくなってしまう。eLearning/Greek/Bacchylides では、post . . . edidit を、revision の意味で解釈して(一部を)解決した。
編者、訳者を表題の前に書くか、後に書くか
一般に、前に書く場合は、後に書く場合よりも重要度が高くなる。古典作品の場合は、表題よりも編者や訳者の方が重要度が高いので、前に書く傾向がある。
author--date system
New Hart's Rules, 324 の Balassa, Bela (1961) . . . と Magarey, M.E. 1988 . . . の違いは?
et al.
New Hart's Rules, 325. et al. のあとに , は必要か? 通常は double punctuation を避ける。
ページ数の表記
自然科学では、論文などが短いことが多いため、ページ数は表記しないことが多い。一方社会科学などではページ数を表記する。
作者名と作品名の日本語表記
アリストパネース『蜂』などはよいが、Lys. 1 などはどのように表記するか。リューシアース第1番弁論、リューシアース弁論第1番、など、いくつか考えられる。
雑誌名の後のコンマ
省略記号(abbreviation)、融合記号(contraction)の後にはコンマをつけず、省略等がされていない雑誌名の後にはコンマをつけるという習慣(cf. Parker, Euripides: Alcestis)はどうか? 省略記号の場合は最後にフルストップがくる場合もないわけではないが、雑誌名の場合、たいていは acronym になるので、最後にフルストップはこない。すると、「二重の句読法(double punctuation)を避ける」という原則には当てはまらない。
参考文献の特徴
Butcher は copy-editor 向けで、writer 向けではないが、「背後にある考え方」がわかって面白い。New Hart's Rules は多岐にわたって詳細な説明があって便利。

著者、作品名の表記

主に

  1. スペースのみで分ける(ローマン体とイタリック体の違いにより項目を分ける)
  2. コンマを打って項目を分ける

の2つの方法がある。さらに2の場合には

という原則を適用する場合もある。

すると、次のような表記が考えられる。

省略なし

  1. Virgil Aeneid
  2. Virgil, Aeneid

省略あり

  1. Ver. Aen.
  2. Ver., Aen.

二重句読法を避ける

  1. Virgil, Aeneid
  2. Ver. Aen.

スペースのみで分ける(ローマン体とイタリック体の違いにより項目を分ける)

  1. Virgil Aeneid
  2. Ver. Aen.

Abbr. をつけるかどうか


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Last-modified: 2019-03-30 (土) 04:06:45