TeX/Font/FontInst
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[[TeX/Font]] *fontinst パッケージ [#u0b106d6] fontinst パッケージは Type 1 フォント(''.pfb'')などを TeX で使えるようにするためのパッケージです。teTeX には標準で含まれています。 **参考 [#v9d474b2] 以下の文書が大変参考になります。 -${CTAN}/info/Type1fonts/fontinstallationguide/fontinstallationguide.pdf -${CTAN}/fonts/utilities/fontinst/fontinst.pdf 下は fontinst パッケージの解説ですが、上の方が詳しく解説されているので、まずは 上の fontinstallationguide.pdf を見ることを勧めます。 以下は fontinst に関する議論です。 -[[The fontinst Archives (@TUG):http://www.tug.org/pipermail/fontinst/]] *概要 [#v3386a91] Type 1 フォントを TeX で使えるようにするには、''.afm'' ファイルから ''.tfm'' ファイルや ''.vf'' ファイルを作って… という作業が必要で、骨が折れます。その作業を TeX の形式で ''.tex'' ファイルに記述しておくと $ tex hoge.tex を実行するだけで ''.tfm'', ''.vf'', ''.enc'', ''.fd'' ファイルから、''.map'' ファイルまでを生成することができます。 さらに、Type 1 フォントで用意されていないスラント体('''slanted''')やスモールキャプス体を機械的に生成させることもできます。 以下ではフォントファミリ名を ''xxx'' で代表させています。適宜読みかえてください。 *準備 [#g64e5f39] インストールの方法に関わらず、fontinst を実行する前に次の作業を済ませておく必要があります。 **フォント名の変更 [#g3f0c606] 最初にファイル名を Berry 則にもとづいて変更しておきます。 -[[フォント名>TeX/Font/FontName]] を参考にファイル名を変更します。 **.afm ファイル [#i45aa7fc] Type 1 ファイルを入手した場合、''.pfb'' ファイルに ''.afm'' ファイルが付属してくるはずですが、付属しない場合があります。この場合は ''.pfm'' ファイルが付属しているはずです。これを用いて ''.afm'' ファイルを生成します。 ***.afm ファイルの生成 [#h0e3dd74] ''pf2afm'', ''type1afm'' を使って ''.afm'' ファイルを作成します。''pf2afm'', ''type1afm'' については [[Type 1 フォント>TeX/Font/Type1]] をご覧ください。 ***.afm ファイルの修正 [#i75819d6] 上の方法で作った ''.afm'' ファイルには合字(リガチャ)の情報が欠落している可能性があります。例えば、fi や fl の合字(リガチャ)が用意されていることが多いですが、''.afm'' ファイルからは欠落してしまうことがあります。これを手動で追加しておきます。 それぞれの ''.afm'' ファイルから、`N f' と書かれている行を探します。たとえば C 102 ; WX 322 ; N f ; B 27 -2 429 711 ; という行です。この行の最後に L i fi ; L l fl ; を追加して次のようにします。 C 102 ; WX 322 ; N f ; B 27 -2 429 711 ; L i fi ; L l fl ; これは、`f' の文字に関して、リガチャ(Ligature)を `i' と `l' の組合せに対して行う、という意味です。 ''.afm'' ファイルを修正したら忘れずに保存しておきます。 *自動インストール [#dd318c6d] *手動インストール [#jf7a763d] fontinstallationguide.pdf の第2章の記述にもとづいています。 この方法では、若干記述する内容が多くなりますが、その分柔軟な設定が可能です。 ''.tfm'', ''.fd'', ''.vf'', ''.map'' ファイルを生成するための fontinst のファイルを作成します。ファイル名は何でもよいですが、ここでは `xxx-driver.tex' としておきます。 なお、ここでは次の ''.pfb'', ''.afm'' ファイルが用意されているものとします。 -xxxr8a -xxxri8a -xxxb8a -xxxbi8a スモールキャップ体(small cap)と斜体(slant)は上に含まれていませんので、直立体(xxxr8a, xxxb8a)から機械的に生成することにします。 %%% Section 1 \input fontinst.sty \substitutesilent{bx}{b} \setint{smallcapsscale}{720} \setint{slant}{167} \recordtransforms{xxx-rec.tex} %%% Section 2 %% make .tfms \transformfont{xxxr8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxr8a}}} \transformfont{xxxri8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxri8a}}} \transformfont{xxxb8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxb8a}}} \transformfont{xxxbi8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxbi8a}}} % slant \transformfont{xxxro8r}{\slantfont{\int{slant}}\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxr8a}}} \transformfont{xxxbo8r}{\slantfont{\int{slant}}\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxb8a}}} %%% Section 3 %% installfonts (T1) \installfonts \installfamily{T1}{xxx}{} \installfont{xxxr8t}{xxxr8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{m}{n}{} \installfont{xxxrc8t}{xxxr8r,newlatin}{t1c}{T1}{xxx}{m}{sc}{} \installfont{xxxro8t}{xxxro8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{m}{sl}{} \installfont{xxxri8t}{xxxri8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{m}{it}{} \installfont{xxxb8t}{xxxb8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{b}{n}{} \installfont{xxxbc8t}{xxxb8r,newlatin}{t1c}{T1}{xxx}{b}{sc}{} \installfont{xxxbo8t}{xxxbo8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{b}{sl}{} \installfont{xxxbi8t}{xxxbi8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{b}{it}{} \endinstallfonts %%% Section 4 %% installfonts (TS1) \installfonts \installfamily{TS1}{xxx}{} \installfont{xxxr8c}{xxxr8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{m}{n}{} \installfontas{xxxr8c}{TS1}{xxx}{m}{sc}{} \installfont{xxxro8c}{xxxro8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{m}{sl}{} \installfont{xxxri8c}{xxxri8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{m}{it}{} \installfont{xxxb8c}{xxxb8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{b}{n}{} \installfontas{xxxb8c}{TS1}{xxx}{b}{sc}{} \installfont{xxxbo8c}{xxxbo8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{b}{sl}{} \installfont{xxxbi8c}{xxxbi8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{b}{it}{} \endinstallfonts %%% Section 5 \endrecordtransforms \bye それぞれのセクションについて簡単に解説します。 **Section 1, 5 [#ff5e874f] おまじないです。`smallcapsscale' は大文字とスモールキャップとの比率(千分法)です。フォントによっては変えた方がよいかもしれません。 **Section 2 [#k909cb86] ''.afm'' ファイルから 8r エンコーディングにもとづいて ''.pl'', ''.mtx'' ファイルを生成する指示です。あとで ''.pl'' ファイルを変換して最終的に ''.tfm'' ファイルを得ます。 % slant の部分で、斜体(slant)用の ''.pl'', ''.mtx'' ファイルを生成する指示を出しています。斜体は直立体を約9.5°(0.167)機械的に傾けて作っています。\setint{slant}{167}の部分を変更すると傾きを調節できますが、通常はこのままでよいでしょう。 **Section 3 [#a7d6a23f] T1 エンコーディング用の ''.vpl'' ファイルを生成する指示です。''newlatin.mtx'', ''t1.etx'' にもとづいて ''xxxr8r'' から生成するということです。スモールキャップ体だけは ''t1.etx'' ではなく ''t1c.etx'' を用いていることに注意してください。これを用いると、直立体から機械的にスモールキャップ体を生成することができます。 **Section 4 [#h98aac18] TS1 エンコーディング用の ''.vpl'' ファイルを生成する指示です。TS1 エンコーディングは、T1 エンコーディングで拾いきれなかった記号等を集めたものに対するエンコーディングです。 \installfontas の行に注意してください。TS1 エンコーディングで使うのは記号のみですから、「スモールキャップ」という指示は意味がありません。そこで、「スモールキャップ」を「直立体とみなす」という指示を書き込んでおく必要があります。 **まとめ [#e8208fcd] 結局上の作業で、次のシリーズ・シェイプが使えるようになります。 -ローマン体 --直立体(upright) --スモールキャップ体(small cap) --斜体(slant) --イタリック(italic) -ボールド体 --直立体(upright) --スモールキャップ体(small cap) --斜体(slant) --イタリック(italic) *.map ファイル生成用ファイルの作成 [#g01d0255] ''.map'' ファイル作成に必要な情報は、''xxx-driver.tex'' を処理した後、''xxx-rec.tex'' ファイルに記録されます。これを処理して ''.map'' ファイルを生成するためのファイルを作成します。ファイル名は ''xxx-map.tex'' としておきます。 \input finstmsc.sty \resetstr{PSfontsuffix}{.pfb} \adddriver{dvips}{xxx.map} \input xxx-rec.tex \donedrivers \bye *fontinst の実行 [#s6ec694c] 次のコマンドを実行します。 $ tex xxx-driver.tex $ tex xxx-map.tex *fontinst 実行後の作業 [#rff4578c] 以下が fontinst を実行した後に必要になる(かもしれない)作業です。 **.tfm, .vf ファイルの生成 [#o9d16aaa] fontinst を実行すると各種 ''.pl'', ''.vpl'' ファイルができていますので、これらを変換して ''.tfm'', ''.vf'' ファイルを生成します。 $ for i in *.pl; do pltotf $i; done $ for i in *.vpl; do vptovf $i; done **ファイルのコピー [#ic5aa6e9] それぞれのファイルをコピーします。以下は Bitstream 社製の baskerville フォントの場合です。 |~ファイルの種類|~コピー先| |~.afm|$TEXMFLOCAL/fonts/afm/bitstrea/baskerville| |~.tfm|$TEXMFLOCAL/fonts/tfm/bitstrea/baskerville| |~.vf|$TEXMFLOCAL/fonts/vf/bitstrea/baskerville| |~.pfb|$TEXMFLOCAL/fonts/type1/bitstrea/baskerville| |~.map|$TEXMFLOCAL/fonts/map/dvips/bitstrea/baskerville| |~.fd|$TEXMFLOCAL/tex/latex/bitstrea/baskerville| ***mktexlsr, updmap-sys [#e403a1b8] mktexlsr と updmap-sys を実行します。xxx には適切なファイル名を入れてください。 # mktexlsr # updmap-sys --enable Map=xxx.map **テスト [#s8c1e0d1] -[[フォント出力のテスト>TeX/Font/FontTest]] を参考にしてください。 **.sty の作成 [#t157712b] テストがうまくいったら、簡単に使えるように ''.sty'' ファイルを作成しましょう。次のものは Baskerville フォントの例です。 -bbaskerv -xx -xxx の部分と日付・バージョンを書き換えて使ってください。 \NeedsTeXFormat{LaTeX2e} \ProvidesPackage{bbaskerv}[2006/10/02 v1.0 Bitstream xx] \RequirePackage[T1]{fontenc} \RequirePackage{textcomp} \renewcommand*{\rmdefault}{xxx} \endinput オプションをつけるときは \renewcommand*{\rmdefault}{xxx} の代わりに次のような記述にします。 \DeclareOption{book}{\renewcommand*{\rmdefault}{xxxk}} \DeclareOption{regular}{\renewcommand*{\rmdefault}{xxx}} \ExecuteOptions{regular} \ProcessOptions\relax ''.sty'' ファイルができたら $TEXMFLOCAL/tex/latex/bitstrea/baskerville などにコピーし、''mktexlsr'' を実行しておきます。 **警告 [#dab02c84] platex で文書を処理すると、次のような警告が出ます。 LaTeX Font Warning: Font shape `JY1/mc/m/sc' undefined ... LaTeX Font Warning: Some font shapes were not available, defaults substituted. これは、日本語にスモールキャップ体などが定義されていないために出る警告です。無視して構いません。 -http://www.ascii.co.jp/pb/ptex/base/hints.html に説明があります。 この警告を出さないようにするためには -http://auemath.aichi-edu.ac.jp/~khotta/ghost/psfont.html などの解説が役に立ちます。 *ギリシア語 [#scc73254] 上はローマ文字用の方法です。ギリシア語については次の項目を参照してください。 -[[grkfinst>TeX/Font/FontInst/grkfinst]]
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[[TeX/Font]] *fontinst パッケージ [#u0b106d6] fontinst パッケージは Type 1 フォント(''.pfb'')などを TeX で使えるようにするためのパッケージです。teTeX には標準で含まれています。 **参考 [#v9d474b2] 以下の文書が大変参考になります。 -${CTAN}/info/Type1fonts/fontinstallationguide/fontinstallationguide.pdf -${CTAN}/fonts/utilities/fontinst/fontinst.pdf 下は fontinst パッケージの解説ですが、上の方が詳しく解説されているので、まずは 上の fontinstallationguide.pdf を見ることを勧めます。 以下は fontinst に関する議論です。 -[[The fontinst Archives (@TUG):http://www.tug.org/pipermail/fontinst/]] *概要 [#v3386a91] Type 1 フォントを TeX で使えるようにするには、''.afm'' ファイルから ''.tfm'' ファイルや ''.vf'' ファイルを作って… という作業が必要で、骨が折れます。その作業を TeX の形式で ''.tex'' ファイルに記述しておくと $ tex hoge.tex を実行するだけで ''.tfm'', ''.vf'', ''.enc'', ''.fd'' ファイルから、''.map'' ファイルまでを生成することができます。 さらに、Type 1 フォントで用意されていないスラント体('''slanted''')やスモールキャプス体を機械的に生成させることもできます。 以下ではフォントファミリ名を ''xxx'' で代表させています。適宜読みかえてください。 *準備 [#g64e5f39] インストールの方法に関わらず、fontinst を実行する前に次の作業を済ませておく必要があります。 **フォント名の変更 [#g3f0c606] 最初にファイル名を Berry 則にもとづいて変更しておきます。 -[[フォント名>TeX/Font/FontName]] を参考にファイル名を変更します。 **.afm ファイル [#i45aa7fc] Type 1 ファイルを入手した場合、''.pfb'' ファイルに ''.afm'' ファイルが付属してくるはずですが、付属しない場合があります。この場合は ''.pfm'' ファイルが付属しているはずです。これを用いて ''.afm'' ファイルを生成します。 ***.afm ファイルの生成 [#h0e3dd74] ''pf2afm'', ''type1afm'' を使って ''.afm'' ファイルを作成します。''pf2afm'', ''type1afm'' については [[Type 1 フォント>TeX/Font/Type1]] をご覧ください。 ***.afm ファイルの修正 [#i75819d6] 上の方法で作った ''.afm'' ファイルには合字(リガチャ)の情報が欠落している可能性があります。例えば、fi や fl の合字(リガチャ)が用意されていることが多いですが、''.afm'' ファイルからは欠落してしまうことがあります。これを手動で追加しておきます。 それぞれの ''.afm'' ファイルから、`N f' と書かれている行を探します。たとえば C 102 ; WX 322 ; N f ; B 27 -2 429 711 ; という行です。この行の最後に L i fi ; L l fl ; を追加して次のようにします。 C 102 ; WX 322 ; N f ; B 27 -2 429 711 ; L i fi ; L l fl ; これは、`f' の文字に関して、リガチャ(Ligature)を `i' と `l' の組合せに対して行う、という意味です。 ''.afm'' ファイルを修正したら忘れずに保存しておきます。 *自動インストール [#dd318c6d] *手動インストール [#jf7a763d] fontinstallationguide.pdf の第2章の記述にもとづいています。 この方法では、若干記述する内容が多くなりますが、その分柔軟な設定が可能です。 ''.tfm'', ''.fd'', ''.vf'', ''.map'' ファイルを生成するための fontinst のファイルを作成します。ファイル名は何でもよいですが、ここでは `xxx-driver.tex' としておきます。 なお、ここでは次の ''.pfb'', ''.afm'' ファイルが用意されているものとします。 -xxxr8a -xxxri8a -xxxb8a -xxxbi8a スモールキャップ体(small cap)と斜体(slant)は上に含まれていませんので、直立体(xxxr8a, xxxb8a)から機械的に生成することにします。 %%% Section 1 \input fontinst.sty \substitutesilent{bx}{b} \setint{smallcapsscale}{720} \setint{slant}{167} \recordtransforms{xxx-rec.tex} %%% Section 2 %% make .tfms \transformfont{xxxr8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxr8a}}} \transformfont{xxxri8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxri8a}}} \transformfont{xxxb8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxb8a}}} \transformfont{xxxbi8r}{\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxbi8a}}} % slant \transformfont{xxxro8r}{\slantfont{\int{slant}}\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxr8a}}} \transformfont{xxxbo8r}{\slantfont{\int{slant}}\reencodefont{8r}{\fromafm{xxxb8a}}} %%% Section 3 %% installfonts (T1) \installfonts \installfamily{T1}{xxx}{} \installfont{xxxr8t}{xxxr8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{m}{n}{} \installfont{xxxrc8t}{xxxr8r,newlatin}{t1c}{T1}{xxx}{m}{sc}{} \installfont{xxxro8t}{xxxro8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{m}{sl}{} \installfont{xxxri8t}{xxxri8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{m}{it}{} \installfont{xxxb8t}{xxxb8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{b}{n}{} \installfont{xxxbc8t}{xxxb8r,newlatin}{t1c}{T1}{xxx}{b}{sc}{} \installfont{xxxbo8t}{xxxbo8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{b}{sl}{} \installfont{xxxbi8t}{xxxbi8r,newlatin}{t1}{T1}{xxx}{b}{it}{} \endinstallfonts %%% Section 4 %% installfonts (TS1) \installfonts \installfamily{TS1}{xxx}{} \installfont{xxxr8c}{xxxr8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{m}{n}{} \installfontas{xxxr8c}{TS1}{xxx}{m}{sc}{} \installfont{xxxro8c}{xxxro8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{m}{sl}{} \installfont{xxxri8c}{xxxri8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{m}{it}{} \installfont{xxxb8c}{xxxb8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{b}{n}{} \installfontas{xxxb8c}{TS1}{xxx}{b}{sc}{} \installfont{xxxbo8c}{xxxbo8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{b}{sl}{} \installfont{xxxbi8c}{xxxbi8r,textcomp}{ts1}{TS1}{xxx}{b}{it}{} \endinstallfonts %%% Section 5 \endrecordtransforms \bye それぞれのセクションについて簡単に解説します。 **Section 1, 5 [#ff5e874f] おまじないです。`smallcapsscale' は大文字とスモールキャップとの比率(千分法)です。フォントによっては変えた方がよいかもしれません。 **Section 2 [#k909cb86] ''.afm'' ファイルから 8r エンコーディングにもとづいて ''.pl'', ''.mtx'' ファイルを生成する指示です。あとで ''.pl'' ファイルを変換して最終的に ''.tfm'' ファイルを得ます。 % slant の部分で、斜体(slant)用の ''.pl'', ''.mtx'' ファイルを生成する指示を出しています。斜体は直立体を約9.5°(0.167)機械的に傾けて作っています。\setint{slant}{167}の部分を変更すると傾きを調節できますが、通常はこのままでよいでしょう。 **Section 3 [#a7d6a23f] T1 エンコーディング用の ''.vpl'' ファイルを生成する指示です。''newlatin.mtx'', ''t1.etx'' にもとづいて ''xxxr8r'' から生成するということです。スモールキャップ体だけは ''t1.etx'' ではなく ''t1c.etx'' を用いていることに注意してください。これを用いると、直立体から機械的にスモールキャップ体を生成することができます。 **Section 4 [#h98aac18] TS1 エンコーディング用の ''.vpl'' ファイルを生成する指示です。TS1 エンコーディングは、T1 エンコーディングで拾いきれなかった記号等を集めたものに対するエンコーディングです。 \installfontas の行に注意してください。TS1 エンコーディングで使うのは記号のみですから、「スモールキャップ」という指示は意味がありません。そこで、「スモールキャップ」を「直立体とみなす」という指示を書き込んでおく必要があります。 **まとめ [#e8208fcd] 結局上の作業で、次のシリーズ・シェイプが使えるようになります。 -ローマン体 --直立体(upright) --スモールキャップ体(small cap) --斜体(slant) --イタリック(italic) -ボールド体 --直立体(upright) --スモールキャップ体(small cap) --斜体(slant) --イタリック(italic) *.map ファイル生成用ファイルの作成 [#g01d0255] ''.map'' ファイル作成に必要な情報は、''xxx-driver.tex'' を処理した後、''xxx-rec.tex'' ファイルに記録されます。これを処理して ''.map'' ファイルを生成するためのファイルを作成します。ファイル名は ''xxx-map.tex'' としておきます。 \input finstmsc.sty \resetstr{PSfontsuffix}{.pfb} \adddriver{dvips}{xxx.map} \input xxx-rec.tex \donedrivers \bye *fontinst の実行 [#s6ec694c] 次のコマンドを実行します。 $ tex xxx-driver.tex $ tex xxx-map.tex *fontinst 実行後の作業 [#rff4578c] 以下が fontinst を実行した後に必要になる(かもしれない)作業です。 **.tfm, .vf ファイルの生成 [#o9d16aaa] fontinst を実行すると各種 ''.pl'', ''.vpl'' ファイルができていますので、これらを変換して ''.tfm'', ''.vf'' ファイルを生成します。 $ for i in *.pl; do pltotf $i; done $ for i in *.vpl; do vptovf $i; done **ファイルのコピー [#ic5aa6e9] それぞれのファイルをコピーします。以下は Bitstream 社製の baskerville フォントの場合です。 |~ファイルの種類|~コピー先| |~.afm|$TEXMFLOCAL/fonts/afm/bitstrea/baskerville| |~.tfm|$TEXMFLOCAL/fonts/tfm/bitstrea/baskerville| |~.vf|$TEXMFLOCAL/fonts/vf/bitstrea/baskerville| |~.pfb|$TEXMFLOCAL/fonts/type1/bitstrea/baskerville| |~.map|$TEXMFLOCAL/fonts/map/dvips/bitstrea/baskerville| |~.fd|$TEXMFLOCAL/tex/latex/bitstrea/baskerville| ***mktexlsr, updmap-sys [#e403a1b8] mktexlsr と updmap-sys を実行します。xxx には適切なファイル名を入れてください。 # mktexlsr # updmap-sys --enable Map=xxx.map **テスト [#s8c1e0d1] -[[フォント出力のテスト>TeX/Font/FontTest]] を参考にしてください。 **.sty の作成 [#t157712b] テストがうまくいったら、簡単に使えるように ''.sty'' ファイルを作成しましょう。次のものは Baskerville フォントの例です。 -bbaskerv -xx -xxx の部分と日付・バージョンを書き換えて使ってください。 \NeedsTeXFormat{LaTeX2e} \ProvidesPackage{bbaskerv}[2006/10/02 v1.0 Bitstream xx] \RequirePackage[T1]{fontenc} \RequirePackage{textcomp} \renewcommand*{\rmdefault}{xxx} \endinput オプションをつけるときは \renewcommand*{\rmdefault}{xxx} の代わりに次のような記述にします。 \DeclareOption{book}{\renewcommand*{\rmdefault}{xxxk}} \DeclareOption{regular}{\renewcommand*{\rmdefault}{xxx}} \ExecuteOptions{regular} \ProcessOptions\relax ''.sty'' ファイルができたら $TEXMFLOCAL/tex/latex/bitstrea/baskerville などにコピーし、''mktexlsr'' を実行しておきます。 **警告 [#dab02c84] platex で文書を処理すると、次のような警告が出ます。 LaTeX Font Warning: Font shape `JY1/mc/m/sc' undefined ... LaTeX Font Warning: Some font shapes were not available, defaults substituted. これは、日本語にスモールキャップ体などが定義されていないために出る警告です。無視して構いません。 -http://www.ascii.co.jp/pb/ptex/base/hints.html に説明があります。 この警告を出さないようにするためには -http://auemath.aichi-edu.ac.jp/~khotta/ghost/psfont.html などの解説が役に立ちます。 *ギリシア語 [#scc73254] 上はローマ文字用の方法です。ギリシア語については次の項目を参照してください。 -[[grkfinst>TeX/Font/FontInst/grkfinst]]
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