[[eLearning/Latin/Terentius]] *Terentius, '''Phormio'''(テレンティウス『ポルミオー』) [#ib1551d6] >Last updated: 2008/08/22 by MATSUURA Takashi **作品の情報 [#x4beaf59] -テレンティウス『ポルミオ』(音引きなし) -テレンティウス『フォルミオー』 -テレンティウス『フォルミオ』 -Ter. '''Ph.'''('''OLD''' 表記) -Terenti Phormio(ラテン語表記) -Terentii Phormio(ラテン語表記、i の縮約なし) -Terence: Phormio(英語表記) -The Phormio of Terence(英語表記) -Der Phormio des Terenz(ドイツ語表記) -Terenz' Phormio(ドイツ語表記) -Térence: Phormion(フランス語表記) -1055行 -全5幕 -紀元前161年上演 -最低4人の俳優が必要(ヘギオー、クラティーヌス、クリトーはそのうちに含めない) ~ #include(eLearning/Latin/Terentius/Phormio/Biblio,notitle) **登場人物 [#d65dbbcc] |~人物|~ラテン語名|~略号|~説明| |ダーウォス|Davos|DA.|奴隷(Servos)[ゲタが親友]| |ゲタ|Geta|GE.|[デーミポーの]奴隷(Servos)| |アンティポー|Antipho|AN.|若者(Adulescens)[デーミポーの息子]| |パエドリア|Phaedria|PH.|若者(Adulescens)[クレメースの息子]| |デーミポー|Demipho|DE.|老人(Senex)[クレメースの弟]| |ポルミオー|Phormio|PH.|居候(Parasitus)| |ヘギオー|Hegio|HE.|証人(Advocatus)[デーミポーの友人]| |クラティーヌス|Cratinus|CRA.|証人(Advocatus)[デーミポーの友人]| |クリトー|Crito|CRI.|証人(Advocatus)[デーミポーの友人]| |ドーリオー|Dorio|DO.|宿屋の主人(Leno)| |クレメース|Chremes|CH.|老人(Senex)[デーミポーの兄]| |ソープロナ|Sophrona|SO.|[クレメースの娘の]乳母(Nutrix)| |ナウシストラタ|Nausistrata|NA.|[クレメースの]妻(Matrona)| |幕引き|Cantor|---|| 舞台上に現れないが -''レームノス島の女'' クレメースの愛人 -''パニウム(Panium)'' クレメースの愛人の娘(ソープロナが世話をしている) -''パンピラ(Pamphila)'' ドーリオーの宿の竪琴弾きの娘 への言及がある。また、クレメースはソープロナからは -スティルポー(Stilpo) と呼ばれている。愛人やその娘、乳母に対しては偽名を使っていたということである。 **人物関係 [#c5682d6e] Internet Explorer では、設定によっては表示が崩れる場合があります((フォントを「MS Pゴシック」から「MS ゴシック」に変えると正しく表示されます。))。Firefox, Safari, Opera などなら正しく表示されると思います。 | ――――――――――――――――――――――――― | | ナウシストラタ―クレメース―(愛人関係)―レームノス島の女† デーミポー | | | パンピラ←――♡―――パエドリア パニウム←―――――♡――――――アンティポー **上演記録(Didascalia)より [#r067c27f] 紀元前161年(ガーイウス・ファンニウスとマルクス・ワレリウスが執政官の年)ローマ祭での上演。アポッロドーロス『結婚訴訟人』からの翻案。テレンティウス第4番目の作品。 **あらすじ [#k4ec3036] ***Breviata [#z7fe7391] -''in(n).'' init / ineunt -''ex(x).'' exit / exeunt |~行|~幕|~場|~あらすじ|~入退場| |''1--34''|''前口上''|>|ルスキウス・ラーヌウィーヌス(Luscius Lanuvinus)は私に悪口を言っていますが、私の方としてはそれに答えるつもりはあってもこちらから仕掛けるつもりはありません。さて、今日の出し物はギリシア語で『結婚訴訟人』、ラテン語では『ポルミオー』という劇で、主人公である居候の名前がもととなっています。前の『義母』のときのように上演が失敗しないよう、皆さんの好意に期待します。|| |''35--230''|''第1幕''|>|アテーナイの街道。第484行より、おそらく舞台上にドーリオーの家があり、これは観客から見て右手である。おそらく左手にデーミポーの家があり、クレメースの家は中央である。右手側が市街へと続き、左手側が港へと続いている。|| |35--50||第1場|ダーウォスが金の入ったバッグを持って(おそらく)舞台右手から登場し、状況を説明する。デーミポーの奴隷であるゲタは、主人の息子が結婚するというので、その贈り物をするためにダーウォスに貸した金を返してもらおうとしている。|DA. in. (35)| |51--102||第2場|ゲタがデーミポーの家から登場する。ダーウォスは金を返すが、ゲタが浮かない顔をしているので、その理由を聞く。あるときクレメースとデーミポーが旅行に行ったので、その間それぞれの息子のパエドリアとアンティポーの世話をゲタは命じられた。最初は厳しくしていたが、次第に息子たちの言いなりになってしまった。そのうちパエドリアはドーリオーの宿の竪琴弾きの女にのぼせ上がってしまうが、彼女をもらいうけるための金はない。一方アンティポーの方は、アテーナイ市民ではあるが両親を亡くし一文無しの娘パニウムに一目惚れしてしまう。父親デーミポーが素性の知れない娘と持参金なしで結婚することに反対するのは明白なのでアンティポーはうろたえる。そこで居候のポルミオーが策を練る。アテーナイには、親を亡くした娘はもっとも血縁の近い男と結婚すべしという法律がある。ポルミオーが原告として、アンティポーはパニウムの親族である、という理由をでっち上げてアンティポーを被告として訴える。アンティポーが何も抗弁せず、敗訴する。するとアンティポーはパニウムとめでたく結婚できるという算段である。実際それがうまくいく。あとはデーミポーをどういいくるめるか、である。ちょうどデーミポーが旅行から帰ってきたという知らせが入る。ダーウォスは市街の方へ、ゲタは港の方へ退場する。|GE. in. (51) &br;&br; DA. & GE. exx. (152)| |103--178||第3場|アンティポーとパエドリアがデーミポーの家から登場する。アンティポーは父親デーミポーが帰ってくるというので動揺している。パエドリアは、竪琴弾きの娘を妻にできない自分と比較して、アンティポーをうらやんでいる。アンティポーは、パエドリアがこの先どうするか好きに考えられる一方、自分はやめることも続けることもできないのだ、という。|AN. & PH. inn. (153)| |179--230||第4場|ゲタが港の方から登場する。ゲタは港でデーミポーを見たと言う。そうこうしているうちにデーミポーが近づいてくる。アンティポーはその場にいられなくなり、あとはゲタに任せたといって市街の方へ退場する。ゲタはパエドリアに、裁判のときのように弁明するように頼む。|GE. in. (179) &br;&br; AN. ex. (218)| |''231--464''|''第2幕''|>|デーミポーが旅行から帰ってくる。自分の不在中に勝手にアンティポーが結婚したことを知り、激怒する。ポルミオーは、そんなに事情を説明してほしければ裁判を起こせと要求するが、一事不再理の原則を持ち出し、実際アテーナイでそれは不可能だが、と言う。デーミポーはゲタにアンティポーを連れてくるように言い、自分はクレメースのところへ相談に行こうとする。|| |231--314||第1場|デーミポーがひとりごとを言いながら港の方から歩いてくる。それを陰で聞きながらゲタとパエドリアは作戦を立てる。パエドリアがデーミポーの前に出て行く。デーミポーは、自分の留守中にアンティポーが裁判の末、パニウムと結婚したことについてパエドリアに詰問する。パエドリアは、裁判の際、アンティポーは立派だったが、裁判官の前に出たとたん恥ずかしさで証言できなくなってしまったのだ、とうその言い訳をする。ゲタもデーミポーの前に出る。デーミポーはちゃんと息子の世話をしなかったゲタを責める。ゲタは、奴隷の身分では裁判に関わることができなかったといい、責任逃れをしようとする。デーミポーはパニウムの弁護人であるポルミオーを呼んでこいと言い、パエドリアにはアンティポーを連れてくるように言う。パエドリア退場、デーミポーは家の中に入り、ゲタは市街の方に退場する。|DE. in. (231) &br;&br; PH. ex. (309) &br;&br; DE. & GE. exx. (314)| |315--347||第2場|ポルミオーとゲタが市街の方から登場する。ポルミオーはデーミポーの怒りを自分に向けさせて万事をうまく解決させようとする。|PH. & GE. inn. (315)| |348--440||第3場|デーミポーが友人たちを伴って市街の方から入ってくる。ポルミオーとゲタはデーミポーに聞こえるようにうそのやりとりをする。ポルミオーは、パニウムの父親が自分の父親から畑を借りていたので、パニウムの父親が時々自分に「デーミポーは親族でありながら見捨てた」と愚痴をこぼしていた、と主張する。ゲタは、主人であるデーミポーを非難すると承知しないぞ、と答える。そこへデーミポーが割って入ってポルミオーに事情を説明してくれと言う。ポルミオーは母方のいとこにスティルポーがいるだろう、と言う。デーミポーはそんな奴は知らない、と答え、どういう血縁なのか説明しろとポルミオーに迫る。ここでポルミオーは、説明してほしければもう一度裁判を起こせばよいと言い、しかしアテーナイでは同じ訴訟で二度裁判は受けられないと注意する。デーミポーは渋々承知する。ポルミオーは市街の方へ退場する。|DE. & HE. & CRA. & CRI. inn. (348) &br;&br; PH. ex. (440)| |441--464||第4場|怒りが抑えられないデーミポーはゲタにアンティポーを連れてくるように命じる。その間にデーミポーは友人たち3人に意見を聞く((l.454: quot homines tot sententiae: suos quoique mos. 「人の数だけ意見があり、人それぞれにそれぞれのやり方がある」。))。ゲタが家から出てきて、アンティポーが帰ってきていないことを告げる。デーミポーは兄クレメースに相談するために、いつ旅行から戻ってくるか港へ聞きに行く。ゲタはアンティポーを探そうとするが、ちょうどそこへアンティポーが戻ってくる。|GE. ex. (446) &br;&br; HE. & CRA. & CRI. exx. (458) &br;&br; GE. in. (459) &br;&br; DE. ex. (462)| |''465--566''|''第3幕''|>|思い悩むアンティポーにゲタは、デーミポーはクレメースに相談しているのでとりあえずは大丈夫だと伝える。パエドリアは約束を破ってパンピラを他の人に売ろうとしているドーリオーと押し問答をする。先に金を払えばパエドリアに売るというのでパエドリアは引き下がる。金の工面に困っているパエドリアを見て、アンティポーはゲタにどうにかするように言う。ゲタは再びポルミオーに助けを求める。|| |465--484||第1場|アンティポーがひとりごとを言いながら市街の方から登場する。辛い立場にあるパニウムのことを思って悩んでいる。ゲタに会うと、現在の状況を尋ね、それに対してゲタは概要を伝え、デーミポーはクレメースが帰ってきたら相談しようとしているので今のところは大丈夫だと言う。|AN. in. (465)| |489--533||第2場|ドーリオーの家からパエドリアとドーリオーが言い争いながら登場する。ドーリオーはパエドリアが、あと3日待てば友人たちから金が入るので待ってくれ、と言っているにも関わらず、彼が煩わしいので自分の宿に置いている竪琴弾きの娘パンピラを売ってしまった。しかし実際には、パエドリアの支払いの期日は以前に決めてあり、その後にある軍人がパンピラをもらい受けようと言ってきて、その支払いが明日の朝になっているので、その軍人より先に金を払えばパンピラを売ってもよいとドーリオーは言う。|PH. & DO. inn. (489) &br;&br; DO. ex. (533)| |534--566||第3場|パエドリアは、どこから急にその金を調達できるのだ、と絶望する。アンティポーは父デーミポーが旅行から戻っているではないか、とゲタに言って30ムナを調達させようとする。主人からの仕打ちを恐れるゲタはぐずぐずしているが、アンティポーとパエドリアに脅されて渋々承知する。ゲタはポルミオーに助力を乞おうとする。アンティポーはパニウムを心配して家の中に入る。|AN. ex. (565) &br;&br; PH. & GE. exx. (566)| |''567--727''|''第4幕''|>|クレメースが旅行から帰ってくる。彼はレームノス島の自分の愛人のことが妻にばれないか心配している。弟デーミポーは協力すると言う。ポルミオーが30ムナを払えばアンティポーの結婚を取り消しにし、自分が結婚すると言っているとゲタがデーミポーに伝える。デーミポーはそんな大金は払えないと言うが、クレメースが代わりに払うと言う。|| |567--590||第1場|港の方からデーミポーとクレメースが話をしながら登場する。クレメースは旅行先のレームノス島で愛人とその娘を連れ帰ろうとしたが、すでに2人はアテーナイに出発したということだった。クレメースは愛人のことが妻にばれないか心配している。弟デーミポーは力になるとうけあう。|DE. & CH. inn. (567)| |591--605||第2場|ゲタが市街の方から登場する。ポルミオーは事情をすぐに理解してデーミポーを連れてこいとゲタに言ったので、ゲタはデーミポーを呼びに来た。|GE. in. (591)| |606--681||第3場|アンティポーがデーミポーの家から登場する。ポルミオーが「むしろ自分がパニウムと結婚したかったので30ムナを払えばパニウムと結婚する」と言っているとゲタがデーミポーに伝える。デーミポーはそんな大金は払えない、と言うが、クレメースは代わりに払うと言う。|AN. in. (606) &br;&br; DE. & CH. exx. (681)| |682--712||第4場|アンティポーはポルミオーの作戦を知らず、デーミポーたちから30ムナを受け取ったらポルミオーがパニウムと結婚しなければならないではないか、と言ってゲタをなじる。ゲタは心配するには及ばないと言い、金の用意ができたとパエドリアに言うようにアンティポーに伝える。アンティポーは市街の方へ退場する。|DE. & CH. inn. (712) &br;&br; AN. ex. (712)| |713--727||第5場|クレメースの家からデーミポーとクレメースが登場する。デーミポーはポルミオーに渡す30ムナを持っている。クレメースはデーミポーに、ポルミオーと会った後、ナウシストラタのところへ行き、彼女にアンティポーの妻の元へ行って、ポルミオーと結婚することになったので、アンティポーの家を出て行くように説得してもらえるよう頼んでほしいと言う。デーミポーとゲタはポルミオーに会うために市街の方へ行く。クレメースは愛人とその娘がどこで見つけられるか、頭を痛めている。|DE. & GE. exx. (726)| |''728--1055''|''第5幕''|>|クレメースは、アンティポーが結婚したのが、実は自分のレームノス島の愛人の娘(パニウム)であることを発見し、はからずも自分たち兄弟が思っていた通りの結婚をアンティポーが遂げていたことを知る。デーミポーにこのことを伝え、アンティポーとパニウムの結婚を認めることにする。愛人とその娘のことは妻にも息子たちにも知られてはまずいので口止めをしておく。しかしちょうどその話をゲタは盗み聞きしていた。このクレメースの弱みをゲタはポルミオーに教える。デーミポーとクレメースはポルミオーに30ムナを払う必要がなくなったので返せと言うが、ポルミオーはそれに応えない。デーミポーは怒り狂うが、ポルミオーは愛人のことを妻ナウシストラタに言うぞ、とクレメースを脅し、実際にナウシストラタの名を叫ぶ。ナウシストラタが現れ、愛人のことがばれてしまう。ここでポルミオーは、30ムナはパエドリアがドーリオーの宿の竪琴弾きの娘(パンピラ)をもらい受けるために使ったのでもう手元にないことを明らかにする。今度はクレメースが怒り狂うのだが、弱みを握られてしまったナウシストラタにいさめられ、何も言えなくなる。ナウシストラタは息子パエドリアの判断に任せるべき、と言って万事がうまくいき、幕となる。|| |728--765||第1場|デーミポーの家からソープロナが登場する。クレメースはしばらくして、彼女が自分の娘の乳母であることに気づき、声をかける。ソープロナはクレメースに向かって「スティルポー様ですか?」と言うが、クレメースは、その名前は自分の昔の偽名だから今その呼び名を使うな、と口止めする。関係がないはずなのにソープロナがデーミポーの家から出てきたことをクレメースは不審に思い、事情を尋ねる。ここでクレメースは、アンティポーに嫁いだのは自分の愛人の娘であったこと、自分の愛人は病で亡くなったことを知る。クレメースは、はからずも、自分とデーミポーの思った通りに、自分の娘とアンティポーが結婚していたということに喜ぶ。クレメースはソープロナに、パニウムが自分の愛人の娘であることがばれないようにと注意する。クレメースとソープロナはデーミポーの家に入る。|SO. in. (728) &br;&br; CH. & SO. exx. (765)| |766--783||第2場|デーミポーとゲタが市街の方から登場する。デーミポーはポルミオーから不当な仕打ちをうけた上に金まで払わなければならなくなったことを嘆いている。デーミポーはクレメースの妻ナウシストラタに話をしてもらおうとクレメースの家に入る。ゲタはパニウムに、何の心配もない、と言うためにデーミポーの家に入る。|DE. & GE. inn. (766) &br;&br; DE. ex. (778) &br;&br; GE. ex. (783)| |784--819||第3場|デーミポーとナウシストラタがクレメースの家から登場する。デーミポーはしっかり者のナウシストラタに、うまく交渉をしてもらおうとしている。そこへクレメースがデーミポーの家から出てくる。パニウムが自分の愛人の娘であることをナウシストラタに知られてはまずいクレメースは、とにかく自分たちがパニウムに一番近い親戚であることをデーミポーとナウシストラタに伝える。また、パニウムとアンティポーが愛し合っているので、2人を引き離すことはできない、と言う。ナウシストラタの出番がなくなったので、デーミポーの指示でナウシストラタは自分の家に戻る。ナウシストラタがいなくなったところでクレメースは、探していた自分の愛人の娘は、実はアンティポーと結婚していたことをデーミポーに教える。このことは自分の息子たちに知られてもまずいのでクレメースはデーミポーを連れてデーミポーの家に入る。|DE. & NA. inn. (784) &br;&br; CH. in. (795) &br;&br; NA. ex. (815) &br;&br; DE. & CH. exx. (819)| |820--828||第4場|アンティポーが市街の方から登場する。パエドリアが無事にパンピラをドーリオーからもらい受けられたことを喜ぶ。|AN. in. (820)| |829--840||第5場|ポルミオーが市街の方から登場する。|PH. in. (829)| |841--883||第6場|ゲタがデーミポーの家から出てくる。ゲタはアンティポーのいない間に起こったことを説明する。ゲタは金を受け取った後ポルミオーに渡し、デーミポーの家に向かった。デーミポーはゲタをパニウムのところへやった。パニウムの部屋に入ろうとすると、先にソープロナとクレメースが入っていて、話をしているというので、それを盗み聞きしたところ、アンティポーの妻パニウムはクレメースの娘だということを知る。クレメースは部屋から出てきて、デーミポーを部屋に入れて事情を話し、その後で2人が部屋から出てくると、ゲタに、アンティポーはパニウムを妻としてよいので、アンティポーを探してこい、と命じられたのである。アンティポーとゲタは急いでデーミポーの家に入る。|GE. in. (841) &br;&br; AN. & GE. exx. (883)| |884--893||第7場|ポルミオーは思いがけない幸運に喜ぶ。|| |894--989||第8場|クレメースとデーミポーはポルミオーに渡した30ムナを返してもらおうとするが、ポルミオーはすでに借金した相手に払ってしまったとうそをつく。ポルミオーはデーミポーたちの対面を考えて、もう1人の女には破談を通知し、パニウムと結婚する準備をしていたので、パニウムを渡すつもりなら結婚するが、そうでなければ持参金としての30ムナは返さない、と言う。怒ったデーミポーは裁判で片を付けようとする。ここでポルミオーはクレメースがレームノス島に愛人をもっていたことをクレメースの妻ナウシストラタにばらすぞ、と脅す。ばらされては困るクレメースは、30ムナは返さなくていい、とポルミオーに言う。怒りの収まらないデーミポーは訴えるぞ、と言ってポルミオーを脅すが、ポルミオーはナウシストラタを呼ぶぞ、と言って対抗し、実際にナウシストラタの名を叫ぶ。|DE. & CH. inn. (894)| |894--989||第8場|クレメースとデーミポーはポルミオーに渡した30ムナを返してもらおうとするが、ポルミオーはすでに借金した相手に払ってしまったとうそをつく。ポルミオーはデーミポーたちの体面を考えて、もう1人の女には破談を通知し、パニウムと結婚する準備をしていたので、パニウムを渡すつもりなら結婚するが、そうでなければ持参金としての30ムナは返さない、と言う。怒ったデーミポーは裁判で片を付けようとする。ここでポルミオーはクレメースがレームノス島に愛人をもっていたことをクレメースの妻ナウシストラタにばらすぞ、と脅す。ばらされては困るクレメースは、30ムナは返さなくていい、とポルミオーに言う。怒りの収まらないデーミポーは訴えるぞ、と言ってポルミオーを脅すが、ポルミオーはナウシストラタを呼ぶぞ、と言って対抗し、実際にナウシストラタの名を叫ぶ。|DE. & CH. inn. (894)| |990--1055||第9場|呼ばれたナウシストラタがクレメースの家から登場する。ポルミオーはクレメースが他に妻を迎え、娘も1人もうけていることを伝える。ナウシストラタはクレメースの仕打ちに嘆き((l.1010: qui mi, ubi ad uxores ventumst, tum fiunt senes. 「妻のところに戻ってきたときだけ、男の人は老人になるのよ」。))、デーミポーに事情を聞く。デーミポーは、過ちは1回だけだし、その愛人はもう死んでしまったので、許してほしいと言う。そこへポルミオーが割って入って、自分は30ムナをデーミポーたちからせしめて、クレメースとナウシストラタの息子パエドリアに渡し、パエドリアはそれをドーリオーに払ってパンピラを身請けしたとナウシストラタに伝える。そこへクレメースが割って入って、どういうつもりだ、とポルミオーを責める。しかしそこでナウシストラタは、2人妻をもったクレメースにそんなことを言う権利はないと言い、息子パエドリアの判断に任せるべきだ、と言う。若者たちの恋が成就し、幕引きとなる。|NA. in. (990)|