[[eLearning/Latin/Terentius]] *テレンティウスの写本 [#c362284d] **系図 [#aa83d1fd] ω / \ / \ A Σ / \ / \ γ δ **解説 [#gd97579f] Aは所有者の名前を取ってベンボー写本と呼ばれる。大文字で書かれた4--5世紀の写本である。 Σ系統の写本の下部には Calliopius recensui とか feliciter Calliopio bono scholastico とか書かれているので、それらをまとめてカッリオピウス(カリオピウス;Calliopius)写本と呼ぶことがある。 AにもΣにもスルピキウス・アポッリナーリス(Sulpicius Apollinaris; fl. AD 150)による梗概(periocha)があるため、AとΣが分かれたのはそれより後である。カッリオピウスが校訂を行ったのが、Aの書かれた時期(4--5世紀)、それからアエリウス・ドナートゥス(Aelius Donatus; fl. AD 350)の前か後かについては議論がある。紀元後300年から5世紀あたりに行われたというのが定説である。 Aは非常によい読みを伝えているが、しかしすべての点でΣに勝っているわけではない。というのは、5--6世紀の学者である Ioviales がΣの読みからの訂正を加えているからである(これにより、Σは少なくとも紀元後6世紀には存在したということがいえる)。 **リンク [#p8db1096] -[[Bodleian Library MS. Auct. F. 2.13:http://image.ox.ac.uk/show?collection=bodleian&manuscript=msauctf213]] オックスフォード大学ボドレアン図書館にある12世紀中頃の写本。挿絵があるのでδ系である。 オックスフォード大学ボドレアン図書館にある12世紀中頃の写本。挿絵があるのでγ系である。