#author("2023-03-21T18:32:14+09:00","","")
#author("2024-03-24T18:48:28+09:00","","")
[[TeX]]

*TeXシステムのインストール[#df146116]

''2023年3月19日にTeX Live 2023がリリースされました!''
''2024年3月13日にTeX Live 2024がリリースされました!''

//以下ではTeXを主に欧米系の人文科学で用いることを考えます.

//現在(2023年3月)おすすめのTeXのシステム(TeXディストリビューション)は以下の通りです.いずれもupTeXなどが提供されていますので,Unicodeで記述された多言語の原稿を組版することができます.

//:Linux|TeX Live 2023
//:macOS / (Mac) OS X|TeX Live 2023, MacTeX 2023
//:Windows|TeX Live 2022, w32tex

//LinuxならばたいていのディストリビューションでTeXが提供されています.ただし提供されているのがTeXLiveの古い版である場合があります.その場合はTeX Live 2022をインストールするとよいでしょう.MacTeX 2022はTeX Live 2022に,macOS (OS X)向けのソフトウェアを同梱したものと考えるとわかりやすいでしょう.

TeX Liveの内容は随時更新されており,アップデートプログラムを実行すると更新することができます.

**TeX Live 2022のインストール [#f3b1f030]

LinuxやmacOS (OS X)に,コマンドラインでインストールする方法を中心に解説します(Windowsの場合などはおまけ程度です).

***1, ネットワークインストール [#y73a23c7]

:Linux, macOSの場合|

-http://ftp.jaist.ac.jp/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz

をダウンロードします(ほかのミラーサーバからダウンロードすることもできます).次の順にコマンドを実行します.

 $ tar xzf install-tl-unx.tar.gz
 $ cd install-tl-2022xxxx
 $ sudo ./install-tl

従来通りのテキストモードでインストールする場合は次のように -no-guiオプションをつけます.

 $ sudo ./install-tl -no-gui

下の「5, 個人用texmfディレクトリの場所の変更(任意)」はインストール時に設定することもできます.‘Enter command’に対して‘D’を入力すると設定することができます.ほかに,インストールするディレクトリを変更することもできます.

‘Enter command’に対して‘I’を入力するとインストールが始まります.途中でエラーが出てインストールできない場合は,次の「ISOイメージからのインストール」を試してください.

:Windowsの場合|

-http://ftp.jaist.ac.jp/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet/install-tl.zip

をダウンロードし,ダブルクリックして展開します.日本語を含んだフォルダ名の直下,またはさらに下の階層にある場合はうまく動かない場合がありますので,たとえばCドライブの直下に英数字のみのフォルダを作ってその中で展開するとよいでしょう.

生成されたフォルダの中のinstall-tl.batを実行し,あとはインストーラに指示に従ってインストールします.

***2, ISOイメージからのインストール [#y668c31f]

-http://ftp.jaist.ac.jp/pub/CTAN/systems/texlive/Images/

からtexlive2022.isoをダウンロードします.この.isoファイルは巨大なので,ダウンロードの際に破損している可能性があります.チェックサムを比較して破損していないかどうかチェックします.たとえば上のURLからtexlive2022.iso.sha256をダウンロードして比較します.

:Linux|$ sha256sum -c texlive2022.iso.sha256 texlive2022.iso
:macOS|$ shasum -a 512 -c texlive2022.iso.sha512 texlive2022.iso
:Windows|shaなどをチェックするソフトウェアを用います

チェックサムが合致していたらマウントしてインストーラを実行します.

を実行します.マウントは次のようにします.

:Linux|$ sudo mount -o loop texlive2022.iso /mnt/cdrom
:macOS|texlive2022.isoをダブルクリックする.
:Windows 8|texlive2022.isoをダブルクリックする.
:Windows 7以前|DAEMON Tools Liteなどのソフトウェアを使う.

インストーラは次のように実行します.

:Linux, macOS|$ sudo ./install-tl
:Windows|install-tl.batをダブルクリックします

***3, アップデート [#z6b6a795]

リポジトリのURLを設定します.次のようにしておけばネットワーク上近いミラーにリダイレクトされます.

 sudo tlmgr option repository http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet

実際にアップデートするには次のようにします.

 $ sudo tlmgr update --self --all

とします.必要に応じてcronなどで自動アップデートするように設定します.

Windowsの場合,GUIのアップデートマネージャも用意されています.

***4, 埋め込む日本語フォントの設定 [#ofe4ccfc]

macOSにインストールした場合に,OS付属のヒラギノフォントを使うには,以前は次のようにしていましたが,TeX Live 2018からは別にスクリプトをインストールする必要があります.以下は後で書き換える予定です.

PDFファイルに日本語フォントを埋め込むかどうか,埋め込む場合,どのフォントを埋め込むかはkanji-config-updmapコマンドで設定します.現在の設定を確認するには次のようにします.

 $ kanji-config-updmap status

macOS付属のヒラギノフォントを埋め込むのをデフォルトにする場合は次のようにします.

 $ kanji-config-updmap --user hiragino-elcapitan

この場合,/usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiraginoのようなディレクトリに,システムで使用しているヒラギノフォントへのリンクを作成しておく必要があります.[[作成方法>./TeXLive2014/OSXFont]]

kanji-config-updmapは,設定を行ったユーザでのみ有効です.システム全体で有効にするためにはkanji-config-updmap --sysを使います.

複数のバージョンのmacOS (OS X)を同じコンピュータ上で利用していて,ほかのバージョンのmacOSに付属しているヒラギノフォントを利用したい場合は,スクリプトを利用せず,手動で作業する必要があります.

***5, 個人用texmfディレクトリの場所の変更(任意) [#s9bbfb4a]

TeXLive 2022ではmacOSにインストールすると,個人用texmfディレクトリは~/Libraryの下に設定されます.以前のようにホームディレクトリの下に置きたい場合はインストール時に設定するか,/usr/local/texlive/2022/texmf.cnfの以下の記述を削除します.

 TEXMFHOME = ~/Library/texmf
 TEXMFVAR = ~/Library/.texlive2022/texmf-var
 TEXMFCONFIG = ~/Library/.texlive2022/texmf-config

第2, 3行は削除しなくてもよいですが,以前と同様にするには削除します.

***6, TEXMFLOCALなどの変更(任意) [#hb2999e7]

インストールされたディレクトリを移動した場合など,自分でインストールしたファイルが見つからなくなることがあります.このような場合,まずkpsewhichで該当するファイルを探します.

 $ kpsewhich example.sty
 /usr/local/texlive/texmf-local/.../example.sty

のように返ってくれば該当するファイルを見つけることができていますが,返ってこなければ見つけることができていません.

texmf-localディレクトリ以下に正常にインストールされているのに,返ってこない場合,texmf-localディレクトリを見つけることができていない可能性があります.次のように確認します.

 $ kpsewhich -var-value TEXMFLOCAL
 /usr/local/texlive/texmf-local

/usr/local/texlive/texmf-localのように返ってくれば正しく設定されていますが,返ってこなければ正しく設定されていません.正しく設定されていない場合は/usr/local/texlive/201X/texmf-dist/texmf.cnfを書き換えることで正常になる可能性があります(ふつう管理者権限が必要です).

 TEXMFLOCAL = /usr/local/texlive/texmf-local

再びkpsewhichを実行します.

 $ kpsewhich -var-value TEXMFLOCAL
 /usr/local/texlive/texmf-local

のように返ってくれば正常です.

インストールしたファイルが~/texmf以下の場合は次のように確認します.

 $ kpsewhich example.sty
 /home/username/texmf/.../example.sty

で確認し,見つからなければ次のコマンドで確認します.

 $ kpsewhich -var-value TEXMFHOME
 /home/username/texmf

で確認し,返ってこなければ/usr/local/texlive/201X/texmf-dist/texmf.cnfを書き換えます.

 TEXMFHOME = /path/to/texmf

ただしTEXMFHOMEの値が~/texmfなら,上記の行を削除するだけでOKです.

***7, アップデート時のエラー [#kbb6d23d]

tlmgr updateを行うと,2020年9月30日頃から次のようなメッセージが出てアップデートできません.

 (文字化けしたメッセージ)
 please fix it! at /usr/local/texlive/2020/tlpkg/TeXLive/TLPOBJ.pm line 212, <TMP> line 143504.

このような場合,まずupdate-tlmgr-latest.shをダウンロードします.

-http://ftp.jaist.ac.jp/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet/update-tlmgr-latest.sh

これを実行します.

 $ sudo sh update-tlmgr-latest.sh

2020年10月9日現在,この方法では修正できないようです.

**古い記事 [#k79103d4]

以前使われていたTeXディストリビューションのインストール方法です.現在は以下の方法ではなく,TeX Live 2022をインストールする方法をお勧めします.

***TeXLive [#zb3a9864]

-[[TeXLive2016pretest>./TeXLive2016pretest]]
-[[TeXLive2013>./TeXLive2013]]
-[[TeXLive2013pretest>./TeXLive2013pretest]]
-[[TeXLive2012>./TeXLive2012]]

***ptetex3(UNIX系) [#s0397bf4]

-[[VineLinux>./ptetex3/VineLinux]]
-[[MacOSX>./ptetex3/MacOSX]]

***ptexlive(UNIX系) [#oe0f55ad]

-[[VineLinux>./ptexlive/VineLinux]]
-[[MacOSX>./ptexlive/MacOSX]]

***その他 [#n806f29b]

-[[TeXディストリビューションなどの解説>./Introduction]]
-[[システムのアップグレード>./Upgrade]]
-[[ユーティリティー>./Utilities]]
-[[texmf-localの移行>./texmf-local]]

トップ   編集 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS