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Metre(韻律)

Last updated: 2008/12/16 by MATSUURA Takashi

注意
  1. このページは、韻律を初めて学習する人のためのものである。したがって、次のものを読む準備段階として考えるとよい。
    • 韻文の注釈書の序文に書かれている韻律の項目
    • 韻律に関する(現代の)文献
  2. 韻律理論に初めて触れる人のために、できるだけ用語を日本語で表したが、それらの多くは新たに訳したものであり、一般的な訳語ではない。もっとも安全なのは、英語(に輸入された)の用語を使うことである。
  3. ここで挙げられているラテン語やギリシア語の用語は、古代の韻律の文献を読む際に役立つこともあるが、誤解を生じることもある。それは以下の理由によるものである。
    • 古代に使われていなかった用語もある。
    • 古代には別の意味で使われていた用語もある。
  4. 字下げがされて引用文となっている部分は、「注意」や「細かな解説」を表す。

特定のリズムによって作られる文を韻文といい、そのリズム、あるいはそれを形成する規則を韻律(metre)という。

ギリシア語においては、まず紀元前8--4世紀に音節の長短による韻律が導入され、紀元後4--6世紀にアクセント(語の強弱)による韻律が導入された。ここでは、音節の長短による韻律について解説する。

ラテン語の韻律は、基本的にはギリシア語から輸入したものであるから、ここでは別に解説することはしない。

記号

韻律に関する記号については次のページを参照のこと。

基本概念

韻律においては様々な専門用語が使われ、それらはしばしば意味の広がりをもっていたり、互いに重なり合っていたり、大体同じ意味であるがそれらの微妙な差異が重要だったりすることがあるので、基本概念をきちんと押さえておくことが重要である。

音節

先に述べたように古典ギリシア語・ラテン語の韻律は音節(συλλαβή; syllaba; syllable)の長さ(quantity)によっている。音節は長さによって長音節(longa [sc. syllaba])と短音節(brevis [sc. syllaba])の2種類に区別される。ある音節が長音節か短音節かを決定するための規則を(狭義の)音律(προσῳδία, prosody)という。

一般に「音律」はここでの音律より広い意味をもっており、母音や音節の長さ、気息の有無、アクセントの違いを表しうる。

音律は必ずしも一定ではない。例えば、πατρός は、悲劇などの場合は u - と数えられ、叙事詩などの場合は - - と数えられる。

音節の長さを調べることを音節分析(μερισμός; scansio; scansion)という。

脚や歩格(以下で述べる)を調べることも scansion と呼ばれる。このページではそれを区別して韻律分析(scansion)と呼ぶ。

個別韻律解説

参考文献

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