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*音律(Prosody) [#i93d8116]

**基本概念 [#ca3c2d9f]

-音節の長短を決定するための規則を音律(prosody)という。
-音節の長さと母音の長さを区別することは重要である。すなわち母音が短くても音節としては長いことがある。

**音節の区切り方 [#jbf533c3]

-音節の数は母音の数に一致する。すなわち1つの音節は母音(短母音、長母音、二重母音)を1つだけ含む。
-子音が2つ以上続く場合は、最後の1子音のみを後の母音につけ、それ以外は前の母音につける。

子音については次のことに注意する必要がある。

-気音(h)は子音としては扱われない。すなわち気音は、韻律上何の影響も与えない。
-ζ [= zd], ξ [= ks], ψ [= ps] は2子音と数える。

なお、韻律以外の場合とでは音節の区切り方・長短が異なる場合があるので注意する必要がある。以下にその例を挙げる。

-1つのピリオド内では、単語の切れ目は無視して、あたかも1つのピリオド全体が1つの単語であるかのようにして音節が数えられる。
-合成語の場合、一般に音節は成分ごとに区切られる(e.g. προσ-έ-χω)が、韻律を数える際には成分は無視される(e.g. προ-σέ-χω)。
-アクセントを決定する場合には語末の二重母音 -αι, -οι は短母音として扱われるが、韻律を数える際にはそのまま二重母音として扱われる。

**音律の公式 [#oe08a2ec]

音律の一般的な公式は次の通りである。

:音節の長短(1)|その音節が閉音節であるか、その音節が長母音または二重母音を含んでいれば長音節となり、そうでなければ短音節となる。

あるいは次のように言い換えることもできる。

:音節の長短(2)|短音節となるのは、その音節に含まれる母音が短母音であり、かつその音節が開音節の場合である。

ここで、''閉音節''(closed syllable)とは、子音に終わっている音節のことをいい、''開音節''(open syllable)とは、母音に終わっている音節のことをいう。

**例外 [#v29f8055]

音律の概要は以上の通りであるが、

+母音
++elision
++(epic) correption
++synecphonesis
++semi-vowel
++hiatus
+子音
++ϝ
++λ, μ, ν, ῤ, σ の延長(重複)
++語尾の ν, ρ, ς
++閉鎖音+流音、閉鎖音+鼻音(1子音)
++


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