[[eLearning/Latin/Terentius]]

*テレンティウス『ポルミオー』(Phormio) [#ib1551d6]
*テレンティウス『ポルミオー』(Terentius, '''Phormio''') [#ib1551d6]

>Last updated: 2008/07/20 by MATSUURA Takashi
>Last updated: 2008/08/11 by MATSUURA Takashi

**登場人物 [#d65dbbcc]

|~人物|~ラテン語名|~略号|~説明|
|ダウォス|Davos|DA.|奴隷(Servos)|
|ゲタ|Geta|GE.|奴隷(Servos)|
|ゲタ|Geta|GE.|[デミポーの]奴隷(Servos)|
|アンティポー|Antipho|AN.|若者(Adulescens)[デミポーの息子]|
|パエドリア|Phaedria|PH.|若者(Adulescens)[クレメースの息子]|
|デミポー|Demipho|DE.|老人(Senex)[クレメースの弟]|
|ポルミオー|Phormio|PH.|居候(Parasitus)|
|ヘギオー|Hegio|HE.|証人(Advocatus)[デミポーの友人]|
|クラティーヌス|Cratinus|CRA.|証人(Advocatus)[デミポーの友人]|
|クリトー|Crito|CRI.|証人(Advocatus)[デミポーの友人]|
|ドーリオー|Dorio|DO.|宿屋の主人(Leno)|
|クレメース|Chremes|CH.|老人(Senex)[デミポーの兄]|
|ソープローナ|Sophrona|SO.|[クレメースの娘の]乳母(Nutrix)|
|ナウシストラタ|Nausistrata|NA.|[クレメースの]妻(Matrona)|
|幕引き|Cantor|---||

**上演記録(Didascalia)より [#r067c27f]

紀元前161年(ガーイウス・ファンニウスとマルクス・ワレリウスが執政官の年)ローマ祭での上演。アポロドーロス『結婚訴訟人』からの翻案。テレンティウス第4番目の作品。

**あらすじ [#k4ec3036]

|~行|~幕|~場|~あらすじ|
|''1--34''|''前口上''|||
|''35--230''|''第1幕''|||
|35--50||第1場||
|''1--34''|''前口上''||ルスキウス・ラーヌウィーヌス(Luscius Lanuvinus)は私に悪口を言っていますが、私の方としてはそれに答えるつもりはあってもこちらから仕掛けるつもりはありません。さて、今日の出し物はギリシア語で『結婚訴訟人』、ラテン語では『ポルミオー』という劇で、主人公である居候の名前がもととなっています。前の『義母』のときのように上演が失敗しないよう、皆さんの好意に期待します。|
|''35--230''|''第1幕''||アテーナイの街道。第484行より、おそらく舞台上にドーリオーの家があり、これは観客から見て右手である。おそらく左手にデミポーの家があり、クレメースの家は中央である。右手側が市街へと続き、左手側が港へと続いている。|
|35--50||第1場|ダウォスが金の入ったバッグを持って(おそらく)舞台右手から登場し、状況を説明する。デミポーの奴隷であるゲタは、主人の息子が結婚するというので、その贈り物をするためにダウォスに貸した金を返してもらおうとしている。|
|51--102||第2場|ゲタがデミポーの家から登場する。ダウォスは金を返すが、ゲタが浮かない顔をしているので、その理由を聞く。あるときクレメースとデミポーが旅行に行ったので、その間それぞれの息子のパエドリアとアンティポーの世話をゲタは命じられた。最初は厳しくしていたが、次第に息子たちの言いなりになってしまった。そのうちパエドリアはドーリオーの宿の竪琴弾きの女にのぼせ上がってしまうが、彼女をもらいうけるための金はない。一方アンティポーの方は、アテーナイ市民ではあるが両親を亡くし一文無しの娘パニウムに一目惚れしてしまう。父親デミポーが素性の知れない娘と持参金なしで結婚することに反対するのは明白なのでアンティポーはうろたえる。そこで居候のポルミオーが策を練る。アテーナイには、親を亡くした娘はもっとも血縁の近い男と結婚すべしという法律がある。ポルミオーが原告として、アンティポーはパニウムの親族である、という理由をでっち上げてアンティポーを被告として訴える。アンティポーが何も抗弁せず、敗訴する。するとアンティポーはパニウムとめでたく結婚できるという算段である。実際それがうまくいく。あとはデミポーをどういいくるめるか、である。ちょうどデミポーが旅行から帰ってきたという知らせが入る。ダウォスは市街の方へ、ゲタは港の方へ退場する。|
|103--178||第3場|アンティポーとパエドリアがデミポーの家から登場する。アンティポーは父親デミポーが帰ってくるというので動揺している。パエドリアは、竪琴弾きの娘を妻にできない自分と比較して、アンティポーをうらやんでいる。アンティポーは、パエドリアがこの先どうするか好きに考えられる一方、自分はやめることも続けることもできないのだ、という。|
|179--230||第4場|ゲタが港の方から登場する。ゲタは港でデミポーを見たと言う。そうこうしているうちにデミポーが近づいてくる。アンティポーはその場にいられなくなり、あとはゲタに任せたといって市街の方へ退場する。ゲタはパエドリアに、裁判のときのように弁明するように頼む。|
|''231--464''|''第2幕''|||
|231--314||第1場|デミポーがひとりごとを言いながら港の方から歩いてくる。それを陰で聞きながらゲタとパエドリアは作戦を立てる。パエドリアがデミポーの前に出て行く。デミポーは、自分の留守中にアンティポーが裁判の末、パニウムと結婚したことについてパエドリアに詰問する。パエドリアは、裁判の際、アンティポーは立派だったが、裁判官の前に出たとたん恥ずかしさで証言できなくなってしまったのだ、とうその言い訳をする。ゲタもデミポーの前に出る。デミポーはちゃんと息子の世話をしなかったゲタを責める。ゲタは、奴隷の身分では裁判に関わることができなかったといい、責任逃れをしようとする。デミポーはパニウムの弁護人であるポルミオーを呼んでこいと言い、パエドリアにはアンティポーを連れてくるように言う。パエドリア退場、デミポーは家の中に入り、ゲタは市街の方に退場する。|
|315--347||第2場|ポルミオーとゲタが市街の方から登場する。ポルミオーはデミポーの怒りを自分に向けさせて万事をうまく解決させようとする。|
|348--440||第3場|デミポーが友人たちを伴って市街の方から入ってくる。ポルミオーとゲタはデミポーに聞こえるようにうそのやりとりをする。ポルミオーは、パニウムの父親が自分の父親から畑を借りていたので、パニウムの父親が時々自分に「デミポーは親族でありながら見捨てた」と愚痴をこぼしていた、と主張する。ゲタは、主人であるデミポーを非難すると承知しないぞ、と答える。そこへデミポーが割って入ってポルミオーに事情を説明してくれと言う。ポルミオーは母方のいとこにスティルポーがいるだろう、と言う。デミポーはそんな奴は知らない、と答え、どういう血縁なのか説明しろとポルミオーに迫る。ここでポルミオーは、説明してほしければもう一度裁判を起こせばよいと言い、しかしアテーナイでは同じ訴訟で二度裁判は受けられないと注意する。デミポーは渋々承知する。ポルミオーは市街の方へ退場する。|
|441--464||第4場|怒りが抑えられないデミポーはゲタにアンティポーを連れてくるように命じる。その間にデミポーは友人たち3人に意見を聞く((l. 454: quot homines tot sententiae: suos quoique mos.「人の数だけ意見があり、人それぞれにそれぞれのやり方がある」。))。ゲタが家から出てきて、アンティポーが帰ってきていないことを告げる。デミポーは兄クレメースに相談するために、いつ旅行から戻ってくるか港へ聞きに行く。ゲタはアンティポーを探そうとするが、ちょうどそこへアンティポーが戻ってくる。|
|''465--566''|''第3幕''|||
|465--484||第1場|アンティポーがひとりごとを言いながら市街の方から登場する。辛い立場にあるパニウムのことを思って悩んでいる。ゲタに会うと、現在の状況を尋ね、それに対してゲタは概要を伝え、デミポーはクレメースが帰ってきたら相談しようとしているので今のところは大丈夫だと言う。|
|489--533||第2場|ドーリオーの家からパエドリアとドーリオーが言い争いながら登場する。ドーリオーはパエドリアが、あと3日待てば友人たちから金が入るので待ってくれ、と言っているにも関わらず、彼が煩わしいので自分の宿に置いている竪琴弾きの娘パンピラを売ってしまった。しかし実際には、パエドリアの支払いの期日は以前に決めてあり、その後にある軍人がパンピラをもらい受けようと言ってきて、その支払いが明日の朝になっているので、その軍人より先に金を払えばパンピラを売ってもよいとドーリオーは言う。|
|534--566||第3場|パエドリアは、どこから急にその金を調達できるのだ、と絶望する。アンティポーは父デミポーが旅行から戻っているではないか、とゲタに言って30ムナを調達させようとする。主人からの仕打ちを恐れるゲタはぐずぐずしているが、アンティポーとパエドリアに脅されて渋々承知する。ゲタはポルミオーに助力を乞おうとする。アンティポーはパニウムを心配して家の中に入る。|
|''567--727''|''第4幕''|||
|567--590||第1場|港の方からデミポーとクレメースが話をしながら登場する。クレメースは旅行先のレムノス島で愛人とその娘を連れ帰ろうとしたが、すでに2人はアテーナイに出発したということだった。クレメースは愛人のことが妻にばれないか心配している。弟デミポーは力になるとうけあう。|
|591--605||第2場|ゲタが市街の方から登場する。ポルミオーは事情をすぐに理解してデミポーを連れてこいとゲタに言ったので、ゲタはデミポーを呼びに来た。|
|606--484||第3場||
|465--484||第4場||
|465--727||第5場||

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