eLearning/InputMethod

サンスクリット語(ラテン文字)をUnix上で入力する

はじめに

サンスクリット語(ラテン文字)をUnix系のOS(Linuxなどを含む)上で入力する方法を解説します.

プログラムのインストール

m17nパッケージを用いるとよいでしょう.お使いのインプットメソッドにm17nパッケージを追加します.パッケージ管理システムで「m17n」を検索して,適切なものを導入します.たとえばVine Linux 6ならば

$ apt-cache search m17n

とすると,

libotf - OpenType フォントを扱うライブラリ
m17n-db - a part of the m17n database for the m17n library
m17n-lib - a multilingual text processing library for the C language
m17n-lib-devel - Development files for the m17n-lib package
ibus-m17n - The M17N engine for IBus platform
uim-m17n - m17n-lib support for Uim

と返ってきますので,IBUSを使っていればibus-m17nを,UIMを使っていればuim-m17nをインストールします.

$ sudo apt-get install ibus-m17n

Sanskrit TFインプットメソッドの導入と設定(IBUSの場合)

  1. 次のファイルをダウンロードします.
  2. 展開してコピーします.
    $ unzip skt-tf-m17n-2014xxxx
    $ sudo cp skt-tf-m17n-2014xxxx/skt-tf.mim skt-tf-m17n-2014xxxx/ved-tf.mim /usr/share/m17n/
  3. IBUSを再起動するか,コンピュータを再起動します.
  4. 「IBUSの設定」を実行するか,コマンドで「IBUS」の設定画面を開き,「インプットメソッド」タブを開きます.
    $ ibus-setup
  5. 「インプットメソッドの選択」をクリックします.

    IM_Skt_Unix_0.png

  6. 「梵語」の中にある「skt-tf」や「ved-tf」を追加します.

    IM_Skt_Unix_1.png

  7. 「skt-tf」などが表示されているのを確認して「追加」をクリックします.

    IM_Skt_Unix_2.png

  8. システムトレイなどにアイコンが表示されていれば,そこで「skt-tf」を選択します.「情報」をクリックすると入力方法を確認することができます.

    IM_Skt_Unix_3.png

Sanskrit TFインプットメソッドの使い方

skt-tfとved-tfの違い

skt-tf
おおむね古典サンスクリット語の範囲で使用できます.ただし母音のṛ ṝは,リングを用いたr̥ r̥̄ではなく下点になります.また,合成を用いた文字は入力できません.
ved-tf
合成を用いた文字もすべて入力できます.

合成文字がうまく表示できない場合はskt-tfを,表示できればved-tfを用いればよいでしょう.

入力方法の実際

おおむねTF方式そのままで入力できます.主な違いは次の通りです.

  1. 長音を入力する場合は,「aa」ではなくハイフンを用いて「-a」のように入力します.これでāが表示されます.
  2. 「;」自体を入力する場合,「;;」(2回)と打ちます.
  3. 「:」自体を入力する場合,「::」(2回)と打ちます.
  4. 「"」自体を入力する場合,「""」(2回)と打ちます.
  5. 「.」自体を入力する場合,「...」(3回)と打ちます.
  6. 「-」自体を入力する場合,「--」(2回)と打ちます.

フォントの選択

フォントの選択 - サンスクリット語(ラテン文字)を(Mac) OS X上で入力するをご覧ください.OSによって異なりますが,インストールされていればTimes New Romanを用いるのがよいでしょう.

テキストの取り扱い

テキストの取り扱い - サンスクリット語(ラテン文字)を(Mac) OS X上で入力するをご覧ください.

Emacsでの利用

  1. IBUSを使う場合,ibus.elを導入するとよいでしょう.
  2. IBUSやUIMを使わず,Emacsのquailを使う方法もあります.次の節をご覧ください.入力方法は入力方法の実際と全く同じです.

quail

  1. lispファイルをダウンロードします.
    • &ref(): File not found: "skt-tf-el-20140706.zip" at page "eLearning/InputMethod/Sanskrit/Unix";
  2. コピーします.
    $ sudo cp skt-tf.el* ved-tf.el* /usr/local/share/emacs/site-lisp
  3. .emacs.elなどに設定を追加します(下記参照).
  4. M-x set-input-methodで,「Sanskrit-TF」または「Vedic-TF」を選択します.
.emacs.el
(register-input-method
 "Sanskrit-TF" "Skt-TF" 'quail-use-package
 "SaC" "Sanskrit-TF"
 "/usr/local/share/emacs/site-lisp/skt-tf")

(register-input-method
 "Vedic-TF" "Ved-TF" 'quail-use-package
 "SaV" "Vedic-TF"
 "/usr/local/share/emacs/site-lisp/ved-tf")

.emacs.elに以上のような設定を追加する代わりに,M-x quail-update-leim-list-fileを実行してquail用の.el(c)ファイルが置かれたディレクトリを指定し,leim-list.elを作成してもよいでしょう.その場合,.emacs.elに次のように書いておきます.

(setq load-path (cons "/path/to/leim/" load-path))
(load "leim-list.el")

FAQ

  1. 合成文字がうまく表示できない.→フォントが合成文字に対応していない場合,ソフトウェアが合成文字に対応していない場合があります.まずフォントを合成文字に対応しているものに変えてみます.たとえばTimes New Romanなどに変えてみるとよいでしょう.ソフトウェアが合成文字に対応していない場合,ほかのソフトウェアを用いることを検討してください.

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