eLearning/Greek/Aristophanes

アリストパネース『蜂』

作品の情報

参考文献

登場人物

人物ギリシア語名ラテン語名略号説明
ソーシアースΣωσίαςSosiasΣω.ブデリュクレオーンの奴隷
クサンティアースΞανθίαςXanthiasΞα.ブデリュクレオーンの奴隷
ブデリュクレオーンΒδελυκλέωνBdelycleonΒδ.ピロクレオーンの息子
ピロクレオーンΦιλοκλέωνPhilocleonΦι.ブデリュクレオーンの父
裁判員たちから成るコロスΧορὸς δικαστῶνΧο.
子どもΠαῖςPuerΠα.
ΚύωνCanisΚυ.キュダテーナイ区出身
Ἀνήρ---
アルトポーリスἈρτόπωλιςArtopolisΑρ.
告発者ΚατήγοροςΚα.

あらすじ

Breviata

in(n).
init / ineunt
ex(x).
exit / exeunt

アテーナイの裁判制度

30歳以上の市民には裁判員になる権利があった。毎年はじめに希望者が集められ、6000人の裁判員候補者のリストがつくられた。裁判が行われる日の朝に裁判員候補者が集められ、くじによってどの法廷の裁判員になるかが決められた。普通の裁判では500人の裁判員が選ばれたが、重要な案件についてはそれらがいくつか集められて大きな裁判員団を構成することがあり、多い場合には裁判員が6000人にも上ったが、それは例外的な場合だけであった。

最初裁判員は無報酬であったが、そのうちに日当が支払われるようになり、『蜂』が上演された時には3オボロスであった。日当を3オボロスに引き上げたのはクレオーンだと考えられている(Σ ad Vespas 88)。紀元前5世紀において熟練工の1日の稼ぎは1ドラクマ程度だったと考えられているから、3オボロスという日当は少額であり、普通の成人男子は進んで裁判員をやろうとはしなかったと考えられる。

この制度は民主的であり、大人数が裁判に関わるという点で、よりアテーナイ市民全体の意見を表していると考えられる。また、裁判の直前までどの裁判を行うかがわからないので、わいろを渡すことが難しいという利点がある。しかし、逆に大人数なので、巧みな弁論によって簡単にだまされてしまう、審理を行わずにすべて多数決で決めるために公平な意見を聞く機会がない、といった欠点がある。

役者の割り振り(推定)

第1俳優第2俳優第3俳優第4俳優

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