[[eLearning/Greek/Aeschylus]]

*Aeschylus, '''Persae'''(アイスキュロス『ペルシア人たち』) [#n99bef3f]

>Last updated: 2014/04/07 by MATSUURA Takashi

**作品の情報 [#x45aa7da]

-A. '''Pers.'''
-全1077行
-紀元前472年ディオニュシア祭にて上演
-第1等
-同時上演(『ペルシア人たち』のみ残存)
++『ピーネウス』
++『ペルシア人たち』
++『ポトゥニアのグラウコス』
++『火を運ぶプロメーテウス』(サテュロス劇)
-合唱隊奉仕者はペリクレース(当時23歳)

**登場人物 [#ncb093db]
 
|~人物|~ギリシア語名|~略号(ギ)|~ラテン語名|~略号(ラ)|~説明|
|合唱隊|χορὸς γερόντων|Χο.|Chorus|Cho.|ペルシアの長老たちから成る|
|アトッサ|Ἄτοσσα|Ατ.|Atossa|At.|ダーレイオスの王妃、クセルクセースの母|
|使者|ἄγγελος|Αγ.|Nuntius|Nu.||
|ダーレイオスの亡霊|εἴδωλον Δαρείου|Δα.|Idolum Darii|Da.|クセルクセースの父ダーレイオス王の亡霊|
|クセルクセース|Ξέρξης|Ξε.|Xerxes|Xe.|クセルクセース王|

**あらすじ [#ebc63de5]

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-文字の大きさ

かっこ内の数字は特に断りのない限り行数。
 
***Breviata [#a60b2e08]

:in(n).|init / ineunt
:ex(x).|exit / exeunt

:Aeol.|Aeolic
:An.|Anaphaest
:An.|Anapaest
:Da.|Dactylic
:I.|Iambic Trimeter
:Ia.|Iambic
:Ia.-Chor.|Iambo-Choriambic
:Ion.|Ionic
:T.|Trochaic Tetrameter Catalectic
:Tetr.|Tetrameter
:Tri.|Trimeter
:Tro.|Trochaic
 
|90|90|50|450|80|c
|~行|~場|~韻律|~あらすじ|~役者入退場|
|''1--139''|πάροδος|An. & Ion.|(アケメネス朝ペルシアの首都)''スーサ''(Susa, Σελεύχεια)。先王ダーレイオスの墓がある。長老たちから成る合唱隊が町の方から入場する。クセルクセース王はギリシア遠征に際し、長老たちに留守中のことを任せた。長老たちは王と兵士たちの帰還のことが気がかりである。兵士は王が若いことに不満である。また、戦況報告の使者もまだスーサに来ていない。|Cho. in. (1)|
|''140--248''|ἐπεισόδιον αʹ||||
|RIGHT:140--154||An.|ペルシア人が勝つのか、ギリシア人が勝つのか、今こそ思いをいたすべき、と合唱隊が述べる。アトッサが入場してくるのに気づく。||
|RIGHT:155--158||T.|''アトッサ入場''。合唱隊長がアトッサに呼びかける。これで観客はアトッサがどのような人物であるかを知る。|At. in. (155)|
|RIGHT:159--175||T.|アトッサも兵士たちの帰還のことが気がかりであるが、それにも増して、ダーレイオスが富ませた王国を我が子クセルクセース王がそれを受け継いで保っていけるかどうかが心配である。アトッサは老人たちに相談してもよいかどうか尋ね、老人たちは了承する。||
|RIGHT:176--214||I.|アトッサの夢。ペルシア風の服を着たものと、ドーリス風の服を着た2人の姉妹がいた。一方はギリシアに、もう一方は別の土地に住んだが、憎しみあっていた。クセルクセース王は2人を車の下にしばりつけて車を出したが、一方が暴れたため、車は壊れてクセルクセース王は落車した。このような不吉な夢を見たのでアトッサは夢からさめると神々に犠牲を捧げようとしたが、凶兆を見た。||
|RIGHT:215--248||T.|合唱隊長は、凶兆を見たなら神々に祈り、また亡くなったダーレイオスに祈るべし、と言う。アトッサはアテーナイの位置やアテーナイ軍の強さなどを尋ねる。||
|''249--531''|||''使者の場面''。||
|RIGHT:249--256||I.|西の方から大急ぎで使者が登場し、ギリシア遠征軍が全滅したことを伝える。|Nu. in. (249)|
|RIGHT:257--289|| ~Ia.|合唱隊と使者の間の歌の交換。ペルシア軍の敗北を嘆く。||
|RIGHT:290--531||I.|アトッサが使者に戦争の詳しい状況を尋ねる。指揮官たちの多くは戦死したが、クセルクセース王は生きていることを知る。また、ギリシア軍は300船隊に加えて精鋭部隊の10船隊があったこと、ペルシア軍にはおよそ1000船隊に加えて快速船207があったことを知る。アトッサはさらに戦争の口火を切ったのが誰かを尋ねる。あるギリシア人がクセルクセース王のもとにやってきて、闇に包まれたらギリシア軍は逃げ出すだろう、と言った。これが企みだとは気づかずに、夜になったらギリシア軍の退路を断つように船隊を整えるように命令する。しかし夜になってもギリシア軍は現れない。夜明けとともに凄まじい閧の声をあげてギリシア軍が総攻撃をかけてくるとペルシア軍はそこで全滅した。クセルクセース王は全軍を見渡せる丘の上からこの様子を見ると、陸上軍とともに退却した。アトッサは自分の見た夢がペルシア軍の全滅を表していたことに気づく。これ以上の不幸が起こらないように祈りを捧げにいく。|Nu. ex. (514), At. ex. (531)|
|''532--597''|στάσιμον αʹ|An.|合唱隊がペルシア軍の全滅を嘆いて歌を歌う。||
|RIGHT:532--547||An.|||
|RIGHT:548--597|| ~Ia.|||
|''598--622''|ἐπεισόδιον βʹ|I.|死者たちにコエー(χοή)を捧げるために、アトッサが王宮からやってくる。合唱隊には弔いの歌を歌ってダーレイオスの魂を呼び戻すように頼む。|At. in. (598)|
|''623--680''|στάσιμον βʹ||''ダーレイオス招魂''。合唱隊は地下の神々やヘルメースに呼びかけ、ダーレイオスの魂を呼び戻す。||
|RIGHT:623--632||An.|||
|RIGHT:633--680|| ~Ion.|||
|''681--851''|ἐπεισόδιον γʹ|I./T.|''亡霊の場面''。||
|RIGHT:681--693||I.|ダーレイオスの亡霊登場。皆が嘆いているわけを尋ね、簡潔に答えるように促す。|Da. in. (681)|
|RIGHT:694--702|| ~Ion.|合唱隊長はダーレイオスに恐れおののき、答えようとしない。||
|RIGHT:703--758||T.|見かねたダーレイオスは、代わりにアトッサに尋ねる。クセルクセースが率いるペルシア軍が全滅したこと、クセルクセースは生きていることを知る。ダーレイオスは、自分が苦労して築き上げた富を、気が短く、勇気もないクセルクセースのために失ってしまうのではないかと恐れる。||
|RIGHT:759--851||I.|ダーレイオスはペルシア歴代の王を並べ立て、これほどの大敗は今までにないことを語る。合唱隊長が今後の方策を尋ねると、思い上がったまねはやめよ、と言う。アトッサはずたずたになったクセルクセースの服の代わりを取りに宮殿に入る。|Da. ex. (842), At. ex. (851)|
|''852--907''|στάσιμον γʹ|Da.|合唱隊はダーレイオスの奪ったさまざまな土地を歌い、それが今はギリシア人に奪われてしまったことを嘆く。||
|''908--1077''|ἔξοδος| ~An.|''クセルクセース王登場''。自分のみじめな境遇を嘆いて歌を歌う。合唱隊もそれに対して歌を歌う。|Xe. in. (908), Xe. & Cho. exx. (1077)|

**役者の割り振り(推定) [#v4f75f88]

|~行|~第1俳優|~第2俳優|
|RIGHT:1--154|---|---|
|RIGHT:155--248|Atossa|---|
|RIGHT:249--514|↓|Nuntius|
|RIGHT:515--531|↓|---|
|RIGHT:532--597|---|---|
|RIGHT:598--680|Atossa|---|
|RIGHT:681--842|↓|Darius|
|RIGHT:843--851|↓|---|
|RIGHT:852--907|---|---|
|RIGHT:908--1077|---|Xerxes|


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