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原稿作成の手引き†
下書きです.
- 西洋古典学など,和文が主だが,数種類の欧文も相当程度引用し,体裁のすり合わせが必要な場合.
- 欧文が相当程度含まれるので,欧文に和文の体裁を強要することはせず,それぞれの欧文に適した体裁を用いる.
- 和文のみで用いられるような体裁は用いない.
- 原稿の分量に制限がない場合.
- 組版作業の負担を減らすために標準化する場合.
- Microsoft WordやLibreOfficeなどを用いて作成する.ソフトウェアの使い方を紹介している部分もあるが,詳しい使い方について質問されても答えることはない.
- ごく短い論文を除いては適宜節に分割し,できるだけ短い表題を付す.Wordなどで見出し1などに設定する.
- 自分でレイアウトしない.Wordの機能をそのまま使うよう心がける.表題,見出し,引用など.
- 別行立ての引用文は引用文に設定する.
- Wordの注機能を使ってつける(手動ではつけない).
- 合印は和文中では句読点の前につける.句読点のないところに合印をつけるのは避ける.その文の最後(句点の前)またはその段落の最後(最後の句点の前)に合印をつけ,そこまでに挙げた文献情報をまとめて書く.
- 合印は英文中では句読点の後につける.
- 合印は英語以外の欧文では原則として句読点の前につける.
- 出典を表すごく短い注でも最後にフル・ストップを付す.例外はすべての注が出典を表すごく短いものである場合で,かつ後注の場合.
- 表題や節見出しには合印をつけない.代用方法として,謝辞などは注0に当たるものとする.節見出しには代用方法がないので,節見出しに当たる単語を本文中に入れ,そこに合印を付す.
作家・作品略号†
- 原則としてLSJ, OLD, OCD, APhで定義されている略号のみを用いる.それ以外の略号を用いる場合は,相当の理由がある場合に限る.たとえばLSJで定義されている略号だと長すぎるようなマイナーな作家を主に扱い,それに短い略号を定義する場合.新たに定義する場合は略号表をつける.
- 略号を用いる場合,作家・作品・引用箇所の間にはコンマを入れない(フルストップとの二重句読を回避).略号を用いない場合は「Homerus, Ilias, 1.234」のように間にコンマを入れる.和文中ではわざわざラテン文字表記にせず「ホメーロス『イーリアス』第1巻第234行」のように表記すべき.
- 略号を用いる場合と用いない場合について.略号は本文中では使用しない.逆に脚註,本文中のかっこ内などでは積極的に略号を使用する.
- 前項に関連して,たとえば「ホメーロスは」を「H.は」とは書かない.打鍵するのが面倒なら「ほ」で単語登録する,論文作成後一括して置換する,などの方法を用いる.
- 「op. cit.」「art. cit.」や「前掲書」「前掲論文」は使わず,「Vlastos (n. 9), 245」のように表記する.ただし,分量に制限がないので参考文献表を作るべき.
引用文†
- 古典作品を引用する場合,原語で引用したならその直後に作家・作品名のラテン語表記を書く.和訳で引用したならその直後に作家・作品名の日本語表記を書く.いずれも丸括弧( )でくくる.
- 引用表記の位置は要検討.一番長い行に合わせるべきだが測るのは面倒.
- 引用文は三全角下ガリで組むが,短い詩行だと左に寄っているように見えてしまう.
- 原語と和訳の間のスペースは要検討.原語→和訳→引用箇所(日本語)なら間にアキは不要? 原語→引用箇所(原語)→和訳なら引用箇所と和訳の間は.5\baselineskipくらい詰めればよさそう.
括弧など†
- 和文中では「」()[]を,一般の用法にしたがって用いる.独自の用法は避ける.
- 欧単語や欧文を「自分で」括るときは一貫した方法を用いる.イギリス英語式(‘ ’),アメリカ英語式(“ ”),フランス語式(« guillemets »),ドイツ語式(„ “)などを混用する場合は,括られる欧単語や欧文がその言語のものである場合に限る.
和文と欧文の混植†
- 和文を主,欧文を従にする.欧単語や欧文(と見なせるもの)を和文中で引用する場合,それを和文でサンドイッチするようにする.特に1つの文章を,和文で始めて欧文(と見なせるもの)で終えるのは避ける.「(たとえば)……である」,「(たとえば)……がある」とか「……を見よ」(«vid.» に導かれる文で文章を終えない)とか「……と比較せよ」(«cf.» に導かれる文で文章を終えない)のように和文で終わらせるようにすれば違和感が少ない.欧単語や欧文(と見なせるもの)で和文を始めるのは一応許容される.
- 和文中で欧文を引用する場合,その欧文の最後にある句読点は省略する.ただし疑問符や感嘆符は省略しない.
かっこや記号†
- かっこや記号の使い方はごく一般に用いられているものに限る.投稿者独自の使い方は認めない.
- 墨つき亀甲【 】や亀甲〔 〕は横書きでは使うべきではない.代替として角かっこ[ ]がある.
- 傍点(丶)は横書きでは使うべきではない.代替として圏点(・)が使える.
- (詩)行の区切りには / を使う場合と | を使う場合がある./ はよく用いられるが,ほかの意味でも使われることがあるので,| を使うということも考えられる(Oxfordではこの方式を主に用いる).
- 二重に,あるいはそれ以上にかっこを用いた場合「))」のように閉じ(開き)かっこが2つ以上連続する場合があり,見苦しい.できるだけ( )→[ ]の順に変えてもらう.ただし( )でないと困る場合があるのでその場合は要検討.ただしそのような場合は執筆者の文章の書き方が悪いだけとも言えるので,たとえば注にまわしてもらうとかしてもらう.
- ‘Lloyd-Jones’はハイフンだが‘Nisbet–Hubbard’は二分ダーシ(U+2013:Unicodeのコード番号)なので投稿者も気をつける.二分ダーシの代わりにハイフン2つ -- でもよい.全角ダーシ(—: U+2014)はハイフン3つ --- で代用してよい.
- プラトーンなどの引用箇所の表記の場合,‘123d–e’のようにアルファベット間を二分ダーシで結ばなければならないが,組版者側で自動で書き換えることができないので,投稿者の方でも対処すべき.
- 略語を定義するときは一覧表を作り,論文の各所で定義するのは避ける.
- 自分で独自に文献に略号を定義するのはできるだけ避ける.
- フランス語圏風にしてもよいが,それ相応の理由がある場合に限る.
参考文献一覧†
- できるだけ参考文献表を作成する.
- 著者・表題方式,著者・年号方式(ハーバード方式)のどちらかを用い,標準的な記述方法にする.バンクーバー方式でもよいが,(西洋古典学の分野では)あまり用いられないので詳述しない.
- 著者・年号方式は便利だが制約が多いので,慣れていなければ避けるのが無難.
- 参考文献一覧を作ったなら,引用する際,はじめから省略された記法を用いる.
- 参考文献表はアルファベット順に並べる.
- 参考文献表はできるだけ分割しない.分割が許容される例は第1次文献と第2次文献.
- 句読法や括弧の使い方は要検討.
- 和文の場合,「鈴木(2001: 12–34)は……と論じている」「……と論じられている(鈴木2001: 12–34).」とする.後者は「(鈴木,2001: 12–34)でもよいが,「、」を用いる場合に違和感があるので避ける.
- 著者・年号方式の場合,ページ数の表記を省略する場合が多く見られるが,少なくとも西洋古典学の分野では避けるべき.
- 著者・年号方式の場合,出典は本文中に記し,わざわざ脚注には入れない.
- 鈴木太郎(2001)『善について』(田中書店).
- 小林一郎(1999)「合唱隊について」『アイスキュロス研究』30: 123–132.
例として用いることのできそうな名前†
- 佐藤
- 伊藤
- 渡辺
- 山本
- 中村
- 加藤
- 吉田
- 山田
- 佐々木
- 木村
- 林
- 山口
- 井上
- 誠
- 剛
- 学
- 哲也
- 健一
- 直樹
- 秀樹
- 智子
- 裕子
- 純子
- 恵子
著者校正†
- 日本人の名前の途中で行分割するのは失礼なので,著者がチェックする.
- 英語以外の分綴は正しく行われていない可能性が高いので,著者がチェックする.
組版者側で対処すべき問題†
- 組版者側でスクリプト等を用いて一括で変更すべきで,著者に要求すべきことがらではないこと.
- いわゆる半角を用いるか,全角を用いるか.→半角に一括で変更すべき.
- 時計文字(IV)を使ってよいか.→時計文字を使わずに半角英字に一括で変更すべき.
- 句読点にどちら(、。か,.)を使うか.→その書籍や雑誌の内部で統一すべき.組版者側で一括で変更すべき.ただし欧文をよく用いる雑誌ならば,.を使った方が統一感が出る.
- 半角カタカナを使ってはいけない.→全角に一括で変更すべき.
- 日本人の名前の途中での行分割は一応組版者で対応すべきだが,漏れが多くなると考えられるので投稿者のチェックも必要.
- 英語以外の分綴は一応組版者で対応すべきだが,漏れが多くなると考えられるので投稿者のチェックも必要.
Microsoft Wordの調査†
- 見出し
- 引用文
- 引用文(詩)
- リスト
LaTeXの調査†
- ローマ数字を用いる場合のリスト.本来ローマ数字は「右にのびて」いかなければならない.