Last updated: 2020/07/30 by MATSUURA Takashi
人物 | ギリシア語名 | 略号(ギ) | ラテン語名 | 略号(ラ) | 説明 |
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子守 | オレステースの子守 | ||||
オレステース | Orestēs | Ore. | アガメムノーンの息子 | ||
エーレクトラー | Ēlectra | Ele. | オレステースの姉 | ||
合唱隊 | Χόρος | Χο. | Chorus | Cho. | 15人のミュケーナイの女 |
クリューソテミス | エーレクトラーの妹 | ||||
クリュタイメーストラー | アガメムノーンの妃 | ||||
アイギストス | アガメムノーンのいとこ |
以上のほかに黙り役として以下の人物が登場する.
行 | 第1俳優 | 第2俳優 | 第3俳優 | 場面 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1–85 | オレステース | 子守 | 前口上 | ||
86–120 | エーレクトラー | ,, | |||
121–250 | ↓ | 入場 | |||
251–327 | ↓ | 第1対話部 | |||
328–471 | ↓ | クリューソテミス | ,, | ||
472–515 | ↓ | 第1歌唱部 | |||
516–659 | ↓ | クリュタイメーストラー | 第2対話部 | ||
660–803 | ↓ | ↓ | 子守 | ,, | |
804–822 | ↓ | ,, | |||
823–870 | ↓ | ,,(号哭) | |||
871–1057 | ↓ | クリューソテミス | ,, | ||
1058–1197 | ↓ | 第2歌唱部 | |||
1198–1231 | ↓ | オレステース | 第3対話部 | ||
1232–1287 | ↓ | ↓ | ,,(舞台歌) | ||
1288–1325 | ↓ | ↓ | ,, | ||
1326–1375 | ↓ | ↓ | 子守 | ,, | |
1376–1383 | ↓ | ,, | |||
1384–1397 | 第3歌唱部 | ||||
1398–1421 | ↓ | (クリュタイメーストラー) | 退場 | ||
1422–1437 | ↓ | オレステース | ,, | ||
1438–1441 | ↓ | ,, | |||
1442–1465 | ↓ | アイギストス | ,, | ||
1466–1507 | ↓ | オレステース | ↓ | ,, | |
1508–1510 | ↓ | ,, |
かっこ内の数字は特に断りのない限り行数.
行 | 場 | 韻律 | あらすじ | 役者入退場 |
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1–120 | 前口上 | ピュラデース(黙り役)とともにオレステースと子守が入場(1). | ||
1–22 | ↓ | 3歩格 | 幼児の頃亡命したオレステースは,父殺しの復讐を行うために,子守とともに故郷のアルゴスにこの日の明け方に戻ってきたところである.子守は早朝のうちに復讐を完遂すべきとオレステースに進言する. | オレステース&子守入場(1) |
23–85 | ↓ | 3歩格 | オレステースは以前デルポイでアポッローン神にどのように復讐すべきかを尋ね,策略をもって行うべきとの神託を得た.そこで子守を王宮の中に送り込み,「オレステースは死んだ」との偽りの情報を伝えさせようとする.しかしエーレクトラーのものと思われる嘆き声が聞こえてきたので,先に父アガメムノーン王の墓参りをすることを決める. | オレステース&子守退場(85) |
86–120 | ↓ | an (r.) | 王宮からエーレクトラーが登場し,叙唱風アナパイストスで歌う(舞台哀悼歌).母クリュタイメーストラーとその情夫のアイギストスが父アガメムノーンを殺害したこと,またそれを悼むのが自分以外にいないことを嘆き,弟の帰還を願う. | エーレクトラー登場(86) |
121–250 | 入場 | 号哭の歌掛け. | 合唱隊入場(121) | |
121–152 | ↓ | Aeol. | 合唱隊は,いまだ嘆くことをやめずにやせ細ってしまったエーレクトラーの身を案じる.エーレクトラーは親の不幸な死を忘れるような人は心ない人だと反論する. | |
153–192 | ↓ | Aeol. | 合唱隊は,そのような不幸が訪れたのはエーレクトラーだけではないと言い,オレステースも戻ってくるはずだと慰める.しかしエーレクトラーは自分には味方がいないと嘆く. | |
193–232 | ↓ | an + ia | 合唱隊はアガメムノーンが宴の席で殺害された様子を述べ,エーレクトラーはその報いが下手人に降るよう願う. | |
233–250 | ↓ | an + da + doch | エーレクトラーはふたたび,父のことをいつまでも悼み,下手人は裁きを受けるべきという考えを述べる. | |
251–471 | 第1対話部 | 3歩格 | ||
251–327 | ↓ | エーレクトラーによる語り(254–309).アガメムノーン殺害後,自分は奴隷と同様の扱いを受け,母とも険悪になっていること,情夫アイギストスは父の玉座に座り,家長として祀りごとを行い,父の臥所で母と同衾していること,さらには殺害の日を記念日として祝っていることを述べる.そして弟オレステースの帰りを待ちながら自分は惨めに死んでいくのではないかと心配する. | ||
328–471 | ↓ | エーレクトラーと妹のクリューソテミスによる対話.何年経っても嘆きをやめない姉のエーレクトラーに,確かに自分の考えをしっかりもつことは大切だが,逆境の中では力をもつ人に従うべきであると妹のクリューソテミスが一行対話(385–414)で忠告する.それに対して,口では憎んでいると言いながら,自分の手助けをしてくれないクリューソテミスは下手人たちと同じだとエーレクトラーは反論する.クリューソテミスは,亡くなったアガメムノーンが地上に戻り,自分の王杖を炉に刺すという夢をクリュタイメーストラーが見たことを語る. | クリューソテミス登場(328)&同退場(471) | |
472–515 | 第1歌唱部 | ia | 旋舞歌(472–488)で合唱隊は,クリュタイメーストラーの夢を解釈するだけの理性を備えていることを歌う.対旋舞歌(489–515)では,その夢は復讐の女神たちがクリュタイメーストラーとアイギストスに取り憑くことを示していると歌う. | |
516–1057 | 第2対話部 | 3歩格 | クリュタイメーストラーが登場する.まず彼女による語り(516–551).クリュタイメーストラーは,アガメムノーンが死んだのは娘のイーピゲネイアを犠牲に捧げたためで,正義の女神もそれを認めていると述べ,自分をは悪し様に言われる筋合いはないと主張する.次にエーレクトラーによる語り(558–609).正義の女神を持ち出しているが,実際にはアイギストスとの愛欲のためであろうと言い,イーピゲネイアを捧げたのはアルテミス女神の指図であり,抵抗することなどできなかったと言う.二行対話(622–633)で両者の主張が敷衍される.クリュタイメーストラーは,館の前にあるアポッローンの祭壇に供物を捧げる(634–659).子守が登場(660)し,オレステースが死んだという偽りの知らせをクリュタイメーストラーに伝える.子守の語り(680–763).オレステースはピューティア競技祭の戦車競技の最中に亡くなったと伝える.クリュタイメーストラーはこの知らせに喜ぶ一方,エーレクトラーは悲しむ. | クリュタイメーストラー登場(516)&子守登場(660)&両者退場(803) |
516–822 | ,, | |||
823–870 | ,,(号哭) | オレステースの死をエーレクトラーが嘆き,それを合唱隊が慰める. | ||
871–1057 | ,, | クリューソテミス登場(871).アガメムノーンの墓に行ったところ,オレステースのものと思われる髪の毛の一房が捧げられていたことから,オレステースがまだ生きていることが確実だとエーレクトラーに伝える. | クリューソテミス登場(871) | |
1058–1197 | 第2歌唱部 | |||
1198–1383 | 第3対話部 | |||
1198–1231 | ,, | |||
1232–1287 | ,,(舞台歌) | |||
1288–1383 | ,, | |||
1384–1397 | 第3歌唱部 | |||
1398–1421 | 退場 |