最近は PDF で文書をやりとりすることが多くなりました。PDF の利点は次のようなものです。
よくわかる利点は、「プラットフォームに依存しない」ことでしょう。Mac でも Windows でも Unix 系 OS でも見ることができます。それに「バージョンによってレイアウトが変化したりし」ませんので、Word 文書のようにバージョンやプラットフォームの違いに悩まされてしまう心配もありません。さらに、フォントを埋め込んでしまえば自分のコンピュータにその言語用のフォントがインストールされていなくても見ることができます。
Adobe/Acrobat Reader は Adobe のサイトから無償でダウンロードできます(インストール用ページへのリンクはこの下にあります)。持っていて損はないソフトですので、インストールしておきましょう。
Acrobat Reader という名前はバージョン5までで、バージョン6以降は Adobe Reader となっています。Adobe Acrobat というのは PDF の編集用ソフトの名称です(有償)。
2006年6月現在の主な最新版は、
です。頻繁にアップデートファイルが提供されていますので、こまめにチェックするとよいでしょう。
最新版を利用すればセキュリティ上も安心で多くの機能も使用できますが、古い OS を使っている場合はインストールできないこともあります。
PDF の仕様自体にもバージョンがあり、Adobe Acrobat や Adobe/Acrobat Reader の新しいバージョンのリリースと同時にバージョンが上がります。PDF の仕様の最新バージョンは 1.6 です*1。
もちろん古いバージョンの Adobe/Acrobat Reader では最新の PDF の仕様に基づいた PDF ファイルの機能を使うことはできませんが、閲覧/印刷といった最低限の機能は使用できます。以下ではどのバージョンを使用すればよいのか、またどのバージョンをインストールできるのかを解説します。
既に述べたように、やりとりされる PDF ファイルのバージョンによるので一概にはいえませんが、一般的に Acrobat Reader 5.0 以上があれば、閲覧に不自由することはないでしょう。ソフトのバージョンが古い場合、「この機能は使用できない可能性があります」といったメッセージが出ることがありますが、閲覧や印刷には問題ない場合がほとんどです。バージョン 5.0 以上をインストールできる OS の例は以下の通りです。
なお Adobe Acrobat で作成した PDF ファイルは、その Adobe Acrobat バージョンより1つ低いバージョンになるのが普通です。
研究室の論文集を制作した際に使った PDF ファイルのバージョンは、以下で述べる注釈機能を有効にしたものを除けば、1.3(Acrobat Reader 4.0 互換)です。
以下で述べる注釈機能が有効になった PDF ファイルに対して注釈を書き込むには Adobe Reader 7.0 が必要です。Adobe Reader 7.0 をインストールできる OS は以下の通りです。
環境にもよりますが、最新版が常に最適であるとは限りません。古いバージョンは
から入手できます。
Adobe/Acrobat Reader は以下の URL からインストール用のファイルをダウンロードできます。コンピュータ雑誌の付録にもよく収録されています。
次のようなアイコンを置いてリンクさせているサイトも多くあります。
フォントを埋め込んでいない場合は、使っているコンピュータにインストールされているフォントで代用して表示します。日本語フォントの例でいうと、Mac OS X の「プレビュー」ではヒラギノが、Windows では MS 明朝/ゴシックが、さらに Adobe/Acrobat Reader の場合は小塚フォントや平成フォントが使われることが多いでしょう。もちろんフォントが変われば見た目は変わります。ただこれによってレイアウトが変わることはありません。できあがりの PDF 文書を点検する際は注意してください。自分の見ているフォントと、他の人が見ているフォント、実際に印刷されたときのフォントは異なる可能性があります。
フォントを埋め込んでしまえばどの PDF 閲覧ソフトでも全く同じ見た目になります。ただしフォントを埋め込めばファイルサイズが大きくなりますし、PDF を作成する際に埋め込むフォントを持っていなければなりません。
Adobe/Acrobat Reader は長らく閲覧専用でした。しかし Adobe Reader 7.0 から、Adobe Acrobat 7.0 Professional で注釈機能を有効にした PDF ファイルに対しては、注釈を書き込めるようになりました。これにより、注釈機能が有効になった PDF にコメントをつけて返却したりすることが可能になります。雑誌や本の制作の現場、教育の現場でも有効に利用できるでしょう。
ファイルを書き出すときは、
の形式を選ぶことができます。XFDF は「差分ファイル」で、もとの PDF ファイルと違う部分だけを取り出したものです。ファイルサイズが非常に小さくなって便利ですが、それを渡された人がもとの PDF ファイルを持っていなければ意味がありません。PDF ファイルで出力すれば、もとの PDF ファイルを持っていなくても大丈夫です。
コメント挿入の形式にはおおまかにわけて
の2つがあります。紙に印刷された文書との類似でいえば、1はテキストに校正記号を書き込み、欄外(紙の場合は余白ですが、この場合は違う「紙」です)に校正内容を書き込むイメージです。2は、校正箇所に校正内容を書いた付箋紙を貼っていくイメージです。好みで使い分ければよいでしょう。
詳しい使い方については、Adobe Reader 7.0 の[ヘルプ]を参照してください。
PDF ファイルを作成するソフトで一番有名なものは Adobe Acrobat でしょう。PDF を開発した Adobe 社が作っているだけあって、非常に優れたソフトです。Windows と Mac 用にいくつかラインナップがあります(Elements は Windows のみ)。
上の2つは以前から存在したソフトです。Standard は若干機能が制限されています。Elements は最近リリースされたもので、PDF の作成機能に特化しています。
上の2つは高価ですが、アカデミックパックやソフトウェアライセンスが使えます。Elements は機能が制限されている分、安価です。
PDF は使用が公開されているため、作成ソフトも数多く作られています。OS ごとに解説します。
Mac OS X は OS レベルで PDF の作成に対応しています。各アプリケーションの[印刷]メニューから[PDF として保存...]といったボタンをクリックします。あとはファイル名などを入力するだけです。Mac OS X 10.4 Tiger からは PDF 化の時に選べるオプションが増えました。
Mac OS X の印刷機能から作成した PDF ファイルはサイズが大きくなってしまうのが難点です。
Windows 用の PDF 作成ソフトはいくつかリリースされています。無料で使えるものを紹介しておきます。
Unix 系 OS では PS ファイルで出力することが多いでしょう。ghostscript を使うと PS ファイルを PDF ファイルに変換できます。
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