eLearning/Greek/Sophocles

ソポクレース『エーレクトラー』(Sophocles, Electra

Last updated: 2020/07/27 by MATSUURA Takashi

作品の情報

参考文献

登場人物

人物ギリシア語名略号(ギ)ラテン語名略号(ラ)説明
子守オレステースの子守
オレステースOrestēsOre.アガメムノーンの息子
エーレクトラーĒlectraEle.オレステースの姉
合唱隊ΧόροςΧο.ChorusCho.15人のミュケーナイの女
クリューソテミスエーレクトラーの妹
クリュタイメーストラーアガメムノーンの妃
アイギストスアガメムノーンのいとこ

以上のほかに黙り役として以下の人物が登場する.

役者の割り振り(推定)

第1俳優第2俳優第3俳優場面備考
1–85オレステース子守前口上
86–120エーレクトラー,,
121–250入場
251–327第1対話部
328–471クリューソテミス,,
472–515第1歌唱部
516–659クリュタイメーストラー第2対話部
660–803子守,,
804–822,,
823–870,,(号哭)
871–1057クリューソテミス,,
1058–1197第2歌唱部
1198–1231オレステース第3対話部
1232–1287,,(舞台歌)
1288–1325,,
1326–1375子守,,
1376–1383,,
1384–1397第3歌唱部
1398–1421(クリュタイメーストラー)退場
1422–1437オレステース,,
1438–1441,,
1442–1465アイギストス,,
1466–1507オレステース,,
1508–1510,,

あらすじ

かっこ内の数字は特に断りのない限り行数.

凡例

3歩格
イアンボス調3歩格(iambic trimeter)
4歩格
トロカイオス調4歩格(trochaic tetrameter)
韻律あらすじ役者入退場
1–120前口上ピュラデース(黙り役)とともにオレステースと子守が入場(1).
1–223歩格幼児の頃亡命したオレステースは,父殺しの復讐を行うために,子守とともに故郷のアルゴスにこの日の明け方に戻ってきたところである.子守は早朝のうちに復讐を完遂すべきとオレステースに進言する.オレステース&子守入場(1)
23–853歩格オレステースは以前デルポイでアポッローン神にどのように復讐すべきかを尋ね,策略をもって行うべきとの神託を得た.そこで子守を王宮の中に送り込み,「オレステースは死んだ」との偽りの情報を伝えさせようとする.しかしエーレクトラーのものと思われる嘆き声が聞こえてきたので,先に父アガメムノーン王の墓参りをすることを決める.オレステース&子守退場(85)
86–120an (r.)王宮からエーレクトラーが登場し,叙唱風アナパイストスで歌う(舞台哀悼歌).母クリュタイメーストラーとその情夫のアイギストスが父アガメムノーンを殺害したこと,またそれを悼むのが自分以外にいないことを嘆き,弟の帰還を願う.エーレクトラー登場(86)
121–250入場号哭の歌掛け.合唱隊入場(121)
121–152Aeol.合唱隊は,いまだ嘆くことをやめずにやせ細ってしまったエーレクトラーの身を案じる.エーレクトラーは親の不幸な死を忘れるような人は心ない人だと反論する.
153–192Aeol.合唱隊は,そのような不幸が訪れたのはエーレクトラーだけではないと言い,オレステースも戻ってくるはずだと慰める.しかしエーレクトラーは自分には味方がいないと嘆く.
193–232an + ia合唱隊はアガメムノーンが宴の席で殺害された様子を述べ,エーレクトラーはその報いが下手人に降るよう願う.
233–250an + da + dochエーレクトラーはふたたび,父のことをいつまでも悼み,下手人は裁きを受けるべきという考えを述べる.
251–471第1対話部3歩格
251–327エーレクトラーによる語り(254–309).アガメムノーン殺害後,自分は奴隷と同様の扱いを受け,母とも険悪になっていること,情夫アイギストスは父の玉座に座り,家長として祀りごとを行い,父の臥所で母と同衾していること,さらには殺害の日を記念日として祝っていることを述べる.そして弟オレステースの帰りを待ちながら自分は惨めに死んでいくのではないかと心配する.
328–エーレクトラーと妹のクリューソテミスによる対話(328–).何年経っても嘆きをやめない姉のエーレクトラーに,確かに自分の考えをしっかりもつことは大切だが,逆境の中では力をもつ人に従うべきであると妹のクリューソテミスが忠告する.それに対して,口では憎んでいると言いながら,自分の手助けをしてくれないクリューソテミスは下手人たちと同じだとエーレクトラーは反論する.クリューソテミス登場(328)
472–515第1歌唱部
516–1057第2対話部
516–822,,
823–870,,(号哭)
871–1057,,
1058–1197第2歌唱部
1198–1383第3対話部
1198–1231,,
1232–1287,,(舞台歌)
1288–1383,,
1384–1397第3歌唱部
1398–1421退場

トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS