このクラスファイルは、西洋古典学研究室において制作される紀要*1 や科学研究費報告書*2 を組版するために作られたものである。基本的には奥村晴彦氏制作の jsbook.cls を元に作られているが、論文集を作るために必要な機能を追加し、また、人文科学・欧米系言語/文化研究・西洋古典学等で一般的な組版の慣習を盛り込み、なるべく少ない労力で美しく組版できるように工夫してある。
論文集の一般的な形式として柱には、
を入れることにする。jsbook.cls の以下の部分を変更した。
\def\ps@headings{% ... \def\@evenhead{% \if@mparswitch \hss \fi \underline{\hbox to \fullwidth{\autoxspacing \textbf{\thepage}\hfil\@articleauthor\hfil}}% ... \def\@oddhead{\underline{\hbox to \fullwidth{\autoxspacing {\if@twoside\hfil\@articletitle\else\leftmark\fi}\hfil\textbf{\thepage}}}\hss}%
jsbook.cls のデフォルトの脚注の形式は、この Wiki ページと同じように、本文中の文章の右肩につく記号は「*1」であり、ページ下の脚注の欄にも同じように「*1」と表示される。
この形式は、日本語の場合には jarticle.cls / jbook.cls の場合におけるような、数字のみの形式と比較して見やすくて良いと思う。
ただし脚注番号を参照するときには、若干不都合が生じる(と思う)。
脚注番号を参照するために
注\ref{fn_1}
という記述をした場合、jsbook.cls の場合、
注*1
という表記になる。これはあまり気にならない。しかし、
Douglas Olson (n. \ref{fn_1})
と記述した場合、
Douglas Olson (n. *1)
という表記になってしまう。これは若干気になる。
Douglas Olson (n. 1)
という表記が正しいだろう。また、「注*1」という表記の代わりに、「注1」という表記でも自然に思える。
よって
する、という方針を立てて、jsbook.cls の該当部分を次のように変更した。
\def\thefootnote{\ifnum\c@footnote>\z@\leavevmode%\lower.5ex\hbox{*}% \@arabic\c@footnote\fi} \def\@makefnmark{\hbox{\textsuperscript{\lower.5ex\hbox{*}\@thefnmark}}}
この処置を行うと、副作用として \footnotetext[0] で出力した脚注には、jsbook.cls の場合脚注欄に「*」が現れなかったのが、現れてしまう、という症状が現れる*3。
西洋古典学での文献表と LaTeX の標準の文献表*4 の違いは主に以下の2つである。
そのため、次のような方針を立てて、classicsbibliography 環境を定義した。
定義は以下のようにした。
\newenvironment{classicsbibliography}{% \list{}{% \leftmargin2em \itemindent-2em \labelwidth\z@ \labelsep\z@ } \sloppy \clubpenalty4000 \@clubpenalty\clubpenalty \widowpenalty4000% \sfcode`\.\@m} {\def\@noitemerr {\@latex@warning{Empty `classicsbibliography' environment}}% \endlist}
使うときは以下のようにする。
\section*{参考文献} \subsection*{注釈} \begin{classicsbibliography} \item aaaaa \item bbbbb \end{classicsbibliography}
表紙の例に従って、次のように maketitle を再定義した。
\def\kakennumber#1{\gdef\@kakennumber{#1}} \def\@kakennumber{\relax} \def\kakenkadai#1{\gdef\@kakenkadai{#1}} \def\@kakenkadai{\relax} \renewcommand{\maketitle}{% \begin{titlepage}% \let\footnotesize\small \let\footnoterule\relax \let\footnote\thanks \null\vfil \begin{center} \hrule width\textwidth height0.8pt \vskip 2em \Large\@kakenkadai% \vskip 2em% \hrule width\textwidth height0.8pt \end{center}\par \begin{flushright} {\Large \@kakennumber} \end{flushright}\par \vfil \begin{center} {\bfseries\Large \@title} \vfil\vfil {\large \@date \par}% \vfil {\large \@author \par}% \end{center}\par \@thanks\vfil\null \end{titlepage}% \setcounter{footnote}{0}% \global\let\thanks\relax \global\let\maketitle\relax \global\let\@kakenkadai\@empty \global\let\@thanks\@empty \global\let\@author\@empty \global\let\@date\@empty \global\let\@title\@empty \global\let\kakenkadai\relax \global\let\title\relax \global\let\author\relax \global\let\date\relax \global\let\and\relax }%
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