2017年6月4日にTeX Live 2017がリリースされました! 日本のサーバにも数日以内に行き渡るでしょう.
以下ではTeXを主に欧米系の人文科学で用いることを考えます.
現在(2016年6月)おすすめのTeXのシステム(TeXディストリビューション)は以下の通りです.いずれもupTeXなどが提供されていますので,Unicodeで記述された多言語の原稿を組版することができます.
LinuxならばたいていのディストリビューションでTeXが提供されています.ただし提供されているのがTeXLiveの古い版である場合があります.その場合はTeX Live 2016をインストールするとよいでしょう.MacTeX 2016はTeX Live 2016に,(Mac) OS X向けのソフトウェアを同梱したものと考えるとわかりやすいでしょう.
TeX Liveの内容は随時更新されており,アップデートプログラムを実行すると更新することができます.1つ前のTeX Live 2015の更新は2016年4月上旬に終了しています.
Linuxや(Mac) OS Xにインストールする方法です.
をダウンロードします(ほかのミラーサーバからダウンロードすることもできます).次の順にコマンドを実行します.
$ tar xzf install-tl-unx.tar.gz $ cd install-tl-2015xxxx $ sudo ./install-tl
`Enter command'に対して`I'を入力するとインストールが始まります.インストールオプションを変更する場合,たとえばインストールするディレクトリを変更する場合は`I’を入力する前に,該当する文字を入力してください.途中でエラーが出てインストールできない場合は,次の「ISOイメージからのインストール」を試してください.
をダウンロードし,ダブルクリックして展開します.日本語を含んだフォルダ名の直下,またはさらに下の階層にある場合はうまく動かない場合がありますので,たとえばCドライブの直下に英数字のみのフォルダを作ってその中で展開するとよいでしょう.
生成されたフォルダの中のinstall-tl.batを実行し,あとはインストーラに指示に従ってインストールします.
からtexlive2016.isoをダウンロードします.この.isoファイルは巨大なので,ダウンロードの際に破損している可能性があります.チェックサムを比較して破損していないかどうかチェックします.たとえば上のURLからtexlive2016.iso.sha256をダウンロードして比較します.
チェックサムが合致していたらマウントしてインストーラを実行します.
を実行します.マウントは次のようにします.
インストーラは次のように実行します.
まず,リポジトリを検索します.
$ tlmgr get-mirror ... http://example.com/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet
得られたリポジトリのURLを設定します.
$ sudo tlmgr option repository http://example.com/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet
実際にアップデートするには次のようにします.
$ sudo tlmgr update --self --all
とします.必要に応じてcronなどで自動アップデートするように設定します.
Windowsの場合,GUIのアップデートマネージャも用意されています.
PDFファイルに日本語フォントを埋め込むかどうか,埋め込む場合,どのフォントを埋め込むかはkanji-config-updmapコマンドで設定します.現在の設定を確認するには次のようにします.
$ kanji-config-updmap status
(Mac) OS X付属のヒラギノフォントを埋め込むのをデフォルトにする場合は次のようにします.
$ kanji-config-updmap hiragino
この場合,/usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiraginoのようなディレクトリに,システムで使用しているヒラギノフォントへのリンクを作成しておく必要があります.作成方法
kanji-config-updmapは,設定を行ったユーザでのみ有効です.システム全体で有効にするためにはkanji-config-updmap-sysを使います.
以前使われていたTeXディストリビューションのインストール方法です.現在は以下の方法ではなく,TeX Live 2016をインストールする方法をお勧めします.