eLearning/Intermediate
中級ギリシア語†
中級用辞典・文法書案内†
下の「参考文献」の節の下に「辞典・文法書等」の項目があります.
- 中級用希英辞典
- Liddell, Intermediate(Perseusのページでは‘Middle Liddell’と表示されます),あるいはより新しいDiggle (ed.), Lexiconを使うとよいでしょう.
- 中級用文法書
- Smyth, Grammar²か,あるいはより新しいvan Emde Boas et al., Grammarを使うとよいでしょう.Smythを紙媒体で購入する場合,古い版を購入してしまわないよう気をつけてください.少々値は張りますが(2023年4月現在10,000円以上します),Harvard University Press発行のハードカバー版(第2版,ISBN 978-0674362505)を買った方がよいです.安い(ペーパーバック)版は,版権の切れた古い第1版を印刷して製本しただけのもので,同じ内容を無料でPDFファイルとして入手できます.改訂内容はわずかなのでもちろん第1版を使ってもよいのですが,たとえば論文中で引用する際に第1版から引用していると,「最新の情報から引用する」という,学術論文の原則を理解していないと判断されるおそれがあります.あるいは,第1版はPDFファイルなどで閲覧し,論文やレポートで引用する際は,図書館のSmyth(第2版)でチェックするということでもよいでしょう.
- 大辞典
- 大辞典としてはLiddell, Scott, and Jones (eds), Lexicon⁹ (LSJ)が汎用的(注釈などでよく言及される)ですが,より現代的なMontanari (ed.), Dictionaryと併用してもよいでしょう.DGE (Diccionario Griego-Español)はLSJより大きな辞典です.所蔵のある図書館は少ないですが,Creative Commons licenceで公開されていますので,オンラインで利用するのがよいでしょう.ただしまだἔξαυοςまでしか出版されていません.
- オープンアクセス
- 文法書や辞典は古いものが多いので,オープンアクセスになっていることが多いです.Smyth(第1版の旧版),Goodwin, Gildersleeve, LSJ, Intermediateなど古い書籍はPerseusのサイトで閲覧することができます.DGEはLogeionで閲覧できます.それ以外はおおむねまだ著作権がありますので購入するか,図書館で借りるか,あるいは必要部分をコピーしてください.
- オンライン
- Perseusというサイトと,Logeionというアプリとサイトを使えばだいたいのものは揃います.LogeionにはBailly, Abbott–Smithなど,ほかの辞書もあります.下の「参考文献」の各図書のところにもリンクがあります.
- Liddell, Intermediate: Perseus, Logeion(アプリにはなくサイトのみ,‘Middle Liddell’のペイン)
- Smyth, Grammarの第1版: Perseus
- LSJ⁹: Perseus, Logeion
- Montanari, Dictionary(一部のみ):Logeion
- DGE: Logeion
学習案内†
下の「参考文献」の節に「講読用教材」の項目があります.
- 語彙:まずは語彙集付きの講読用教材を用いるとよいでしょう.不足するときはLiddell, IntermediateとLSJ (Liddell, Scott, and Jones [eds])を併用するとよいでしょう.英語が古くてわかりづらいときは,Diggle (Cambridge Lexicon)やMontanari (GE)を使うとよいでしょう.
- 単語の変化形:初級文法書で確認できます.載っていないものはSmyth, Grammar²で探します.確認テスト(作成中)
- 動詞の主要部分:初級文法書では不足していることがあります.Smyth, Grammar², 684–722 (Appendix: List of Verbs)で確認するようにするとよいでしょう.
- 統語論:初級文法書で確認できます.載っていないものはSmyth, Grammar²で探します.
- 小辞(particle):辞書や文法書では,訳が載っていても具体的な意味がわからないことがよくあります.難しいですがDenniston, Greek Particles²を見るとよいでしょう.紀元前4世紀以前の作品であれば,その箇所が引用されている可能性も高いので,引用箇所索引も探します.
G. Steadman氏作成の中級講読用教材†
- 20世紀半ばくらいまでは,ギリシア語・ラテン語の中級講読用の手頃で便利な教材が多数出版されていましたが,最近はそのような教材の出版はあまり盛んではありません.最近はG. Steadman氏がそのような教材を精力的に制作しています.無償のPDF版をダウンロードするのが簡便ですが,Amazonを通じて紙の図書を購入することもできます.
- ただし教材の質には気をつける必要があります.著者のギリシア語とラテン語の能力がそれほど高くないことと,専門家による校閲を(おそらく)受けていないために,初心者が陥るような単純な間違いも多く含まれているので,あまり信用しない方がよい場合も多くあります.そのため,自習用にも使えますが,やはり先生と一緒に講読を行いながら使った方がよいでしょう.
プラトーン『国家』第1巻の教材の使い方の例†
- 作品によって教材の内容に若干違いはありますが,おおまかな使い方を説明します.たとえばプラトーン『国家』第1巻の教材を使いたいとします.まず,‘1. Republic Book 1 Commentary’ (04Jan25)をダウンロードします.
- ギリシア語の本文(テキスト)・語彙・注があるのはp. 2(PDFファイルの第22頁)以降です.
- 左ページ(偶数頁)に本文が,右ページ(奇数頁)の上に語彙(出現回数5回以下)が,下に注があります.
- 長音記号は省略されているので,本当は辞書で調べておく必要がありますが,そもそも辞書が使えるようになる前にこの教材を使用していることが多いと思いますので,予習の段階では省略してよいでしょう.もちろん自分で辞書を引けるようになったら長音記号も確認するようにするとよいです.
- 語彙は,この教材の本文中での出現頻度が5回以下のものが,同じ見開きのページに収録されています(各項目の最後の数字は出現頻度).
- 出現頻度が6回以上の語彙は語彙集で調べます.語彙集は2種類あり,どちらを使ってもよいです.pp. xiv–xix(PDFファイルの第14–19頁)の語彙集は,その語彙が最初に出現した箇所の順(出現順)で並べられています.pp. 94–99はアルファベット順です.
- 辞書は,語彙(集)がありますので使う必要はありませんが,少し慣れてきたら,同じ単語を辞書でも調べ,辞書にどのように書かれているかを確認するようにするとよいでしょう.
- 単語カードが上記のページに別ファイルで用意されていますので,必要に応じて使います.
- 注には,本文中に少しでも難しい単語の形態や文法事項があれば,その解説が具体的に書かれています.ただし初級文法を学んだ人が当然身につけておくべき文法事項も詳細に書かれているのがデメリットです.これを写して答えただけでは何の勉強にもなりません.この注を使って大して難しくもない文法事項を教えてもらった場合は,それを初級文法書のどこで学んだかを復習し,反省して再度覚えておく必要があります.
- ‘S2959’などが注に書かれていれば,それは中級用文法書のSmyth, Grammar, §2959にその解説があることを示しますので,可能であれば調べておきます.
- 略号:impf. (imperfect), disc. (discourse)などの略号の一覧(Abbreviations)はp. xxにあります.Stephanus番号についてもp. xxにあります.
- この教材の使い方(p. xiii)やその他の項目も必要に応じて参照します.
プラトーン『ソークラテースの弁明』の教材の使い方の例†
- プラトーン『ソークラテースの弁明』の教材を使いたいとします.まず,‘1. Commentary for Plato’s Apology’をダウンロードします.
- ギリシア語の本文(テキスト)などがあるのはp. 1(PDFファイルの第25ページ) 以降です.それぞれのページは上段・中段・下段に分かれています.
- 上段はギリシア語の本文です.長音記号は省略されているので,本当は辞書で調べておく必要がありますが,そもそも辞書が使えるようになる前にこの教材を使用していることが多いと思いますので,予習の段階では省略してよいでしょう.もちろん自分で辞書を引けるようになったら長音記号も確認するようにするとよいです.
- 中段は語彙集です.この作品中での出現頻度が9回以下の単語が収録されています(各項目の最後の数字はこの出現頻度).10回以上の単語は別のページにあります.(出現頻度が10回以上の単語の)アルファベット順のリストはpp. 161–164にありますので,各ページの中段語彙集にない単語はこれで調べます.なお,この作品での出現頻度が10回以上の単語は,毎回調べるよりは暗記した方が楽です.そのような単語を出現頻度順に並べたリストはpp. ix–xiiにありますので,まずはこれらの単語を覚えてから講読を始めると効率的です.
- 下段は簡単な注です.少しでも難しい単語の形態があれば,この注にどの形態なのかが具体的に書かれています.ただしそれを写しただけでは勉強になりません.どうしてそのような形になるのかわからなければ教科書で確認しておきます.
- 注に‘S2959’などとあれば,それは中級用文法書のSmyth, Grammar, §2959にその解説があることを示しますので,可能であれば調べておきます.
- impf. (imperfect), disc. (discourse)などの略号の一覧(Abbreviations)はp. xxiiにあります.Stephanus番号についてもp. xxiiにあります.
- この教材の使い方(p. vii)やその他の項目も必要に応じて参照します.
参考文献†
辞典・文法書等†
- Denniston, J. D., Greek Particles², rev. K. J. Dover (Oxford: Oxford University Press, 1954). Bristol, Hackett
- Diccionario Griego-Español (Madrid: Consejo Superior de Investigaciones Científicas, 1980– ). Logeion(αからἔξαυοςまで)
- Diggle, J. (ed.), The Cambridge Greek Lexicon (Cambridge: Cambridge University Press, 2021).
- Gildersleeve, B. L., Syntax of Classical Greek from Homer to Demosthenes (New York, 1900–11). Perseus GBooks Part I Part I archive.org Part II Part II
- Goodwin, W. W., Syntax of the Moods & Tenses of the Greek Verb, rewritten and enlarged, corrected (Boston, 1897). archive.org amazon Perseus
- Kühner, R., und Blass, F. (bearb.), Ausführliche Grammatik der griechischen Sprache, i: Elementar- und Formenlehre³ (Hannover, 1890–92).
- ——— Gerth, B. (bearb.), Ausführliche Grammatik der griechischen Sprache, ii: Satzlehre³ (Hannover, 1898–1904). Perseus
- Liddell, H. G. (ed.), An Intermediate Greek-English Lexicon (Oxford: Clarendon Press, 1889). Perseus
- ——— Scott, R., and Jones, H. S. (eds), A Greek-English Lexicon⁹, rev. R. McKenzie (Oxford: Clarendon Press, 1940). Perseus
- Montanari, F. (ed.), The Brill Dictionary of Ancient Greek (Leiden: Brill, 2015).
- Schumann, W. A. (ed.), Index of Passages Cited in Herbert Weir Smyth Greek Grammar (Cambridge, Mass., 1961). GRBS Hathitrust
- Smyth, H. W., A Greek Grammar for Colleges (New York, 1920). Perseus Internet Archive: 1
- ——— Greek Grammar², rev. G. Messing (Cambridge, Mass.: Harvard University Press, 1956). amazon
- Stray, C., Clarke, M. and Katz, J. T. (eds), Liddell and Scott: The History, Methodology, and Languages of the World’s Leading Lexicon of Ancient Greek (Oxford: Oxford University Press, 2019).
- van Emde Boas, E., Rijksbaron, A., and Huitink, L., The Cambridge Grammar of Classical Greek (Cambridge: Cambridge University Press, 2019).
- 高津春繁,『ギリシア語文法』(岩波書店,1960).
- 古川晴風(編)『ギリシャ語辞典』(大学書林,1989).
講読用教材†
- M. W. Mather and J. W. Hewitt (eds), Xenophon’s Anabasis: Books I–IV (New York: American Book Company, 1910). University of Oklahoma Press (repr.) Internet Archive: 1 2
- J. Adam (ed.), Plato: Crito², reprinted with vocabulary (Cambridge: Cambridge University Press, 1927). HathiTrust
- Pamela Ann Draper (ed.), Homer: Iliad, Book 1 (Ann Arbor: University of Michigan Press, 2002).
- Pamela Ann Draper (ed.), An Odyssey Reader: Selections from Homer’s Odyssey, Books 1–12 (Ann Arbor: University of Michigan Press, 2012).
- Allen Rogers Benner (ed.), Selections from Homer’s Iliad (New York: Appleton-Century-Crofts, 1903). University of Oklahoma Press (repr.) Internet Archive: 1
新約聖書用辞書(オンライン)†