eLearning/Intermediate

中級ギリシア語

学習案内

このページの最後に「参考文献」の節があります.

  1. 語彙:まずは語彙集付きの講読用教材を用いるとよいでしょう.不足するときはLiddell, IntermediateとLSJ (Liddell, Scott, and Jones [eds])を併用するとよいでしょう.英語が古くてわかりづらいときは,Diggle (Cambridge Lexicon)やMontanari (GE)を使うとよいでしょう.
  2. 単語の変化形:初級文法書で確認できます.載っていないものはSmyth, Grammar²で探します.
  3. 動詞の主要部分:初級文法書では不足していることがあります.Smyth, Grammar², 684–722 (Appendix: List of Verbs)で確認するようにするとよいでしょう.
  4. 統語論:初級文法書で確認できます.載っていないものはSmyth, Grammar²で探します.
  5. 小辞(particle):辞書や文法書では,訳が載っていても具体的な意味がわからないことがよくあります.難しいですがDenniston, Greek Particles²を見るとよいでしょう.紀元前4世紀以前の作品であれば,その箇所が引用されている可能性も高いので,引用箇所索引も探します.

文献案内

中級講読用の辞典としてはLiddell, Intermediateか(Perseusのページでは‘Middle Liddell’と表示されます).あるいはより新しいDiggle (ed.), Lexiconを使うとよいでしょう.文法書としてはSmyth, Grammar²か,あるいはより新しいvan Emde Boas et al., Grammarを使うとよいでしょう.大辞典としてはLiddell, Scott, and Jones (eds), Lexicon⁹ (LSJ)が汎用的(注釈などでよく言及される)ですが,より現代的なMontanari (ed.), Dictionaryと併用してもよいでしょう.DGE (Diccionario Griego-Español)はLSJより大きな辞典です.所蔵のある図書館は少ないですが,Creative Commons licenceで公開されていますので,オンラインで利用するのがよいでしょう.ただしまだἔξαυοςまでしか出版されていません.

紙媒体の書籍を購入する場合,特にSmythについては気をつけてください.少々値は張りますが(2023年4月現在10,000円以上します),Harvard University Press発行のハードカバー版(ISBN 978-0674362505)を買うようにしてください(こちらは新しい第2版).安い(ペーパーバック)版は,版権の切れた古い第1版(無料でPDFファイルを入手できる)を印刷して製本しただけのものです.改訂内容はわずかなのでもちろん第1版を使ってもよいのですが,たとえば論文中で引用する際に第1版から引用していると,「最新の情報から引用する」という,学術論文の原則を理解していないと判断されるおそれがあります.

Smyth(第1版の旧版),Goodwin, Gildersleeve, LSJ, Intermediateなど古い書籍はPerseusのサイトで閲覧することができます.DGEはオープンアクセスです.それ以外はまだ著作権がありますので購入するか,図書館で借りるか,あるいは必要部分をコピーしてください.

G. Steadman氏作成の中級講読用教材

  1. 20世紀半ばくらいまでは,ギリシア語・ラテン語の中級講読用の手頃で便利な教材が多数出版されていましたが,最近はそのような教材の出版はあまり盛んではありません.最近はG. Steadman氏がそのような教材を精力的に制作しています.無償のPDF版をダウンロードするのが簡便ですが,Amazonを通じて紙の図書を購入することもできます.
  2. ただし教材の質には気をつける必要があります.著者のギリシア語とラテン語の能力がそれほど高くないことと,専門家による校閲を(おそらく)受けていないために,初心者が陥るような単純な間違いも多く含まれているので,あまり信用しない方がよい場合も多くあります.そのため,自習用にも使えますが,やはり先生と一緒に講読を行いながら使った方がよいでしょう.
  3. 作品によって教材の内容に若干違いはありますが,おおまかな使い方を説明します.たとえばプラトーン『ソークラテースの弁明』の教材を使いたいとします.まず,‘1. Commentary for Plato’s Apology’をダウンロードします.
  4. ギリシア語の本文(テキスト)などがあるのはp. 1(PDFファイルの第25ページ) 以降です.それぞれのページは上段・中段・下段に分かれています.
  5. 上段はギリシア語の本文です.長音記号は省略されているので,本当は辞書で調べておく必要がありますが,そもそも辞書が使えるようになる前にこの教材を使用していることが多いと思いますので,予習の段階では省略してよいでしょう.もちろん自分で辞書を引けるようになったら長音記号も確認するようにするとよいです.
  6. 中段は語彙集です.この作品中での出現頻度が9回以下の単語が収録されています(各項目の最後の数字はこの出現頻度).10回以上の単語は別のページにあります.(出現頻度が10回以上の単語の)アルファベット順のリストはpp. 161–164にありますので,各ページの中段語彙集にない単語はこれで調べます.なお,この作品での出現頻度が10回以上の単語は,毎回調べるよりは暗記した方が楽です.そのような単語を出現頻度順に並べたリストはpp. ix–xiiにありますので,まずはこれらの単語を覚えてから講読を始めると効率的です.
  7. 下段は簡単な注です.少しでも難しい単語の形態があれば,この注にどの形態なのかが具体的に書かれています.ただしそれを写しただけでは勉強になりません.どうしてそのような形になるのかわからなければ教科書で確認しておきます.
  8. 注に‘S2959’などとあれば,それは中級用文法書のSmyth, Grammar, §2959にその解説があることを示しますので,可能であれば調べておきます.
  9. impf. (imperfect), disc. (discourse)などの略号の一覧(Abbreviations)はp. xxiiにあります.Stephanus番号についてもp. xxiiにあります.
  10. この教材の使い方(p. vii)やその他の項目も必要に応じて参照します.

参考文献

新約聖書用辞書(オンライン)

初級文法の確認テスト(作成中)

基本問題

標準問題

発展問題

名詞の曲用形

  1. μακρός, -ά (ᾱ), -όν
  2. μοῖρα, -ᾱς, ἡ
  3. θάλαττα, -ης, ἡ
  4. γέρων, -ντος, ὁ
  5. δαίμων, -ονος, ὁ
  6. σῶμα, -ατος, τό
  7. πατήρ, πατρός, ὁ
  8. ἀνήρ, ἀνδρός, ὁ
  9. πόλις, -εως, ἡ
  10. τριήρης, -ους, ἡ
  11. γένος, -ους, τό
  12. βασιλεύς, -έως, ὁ
  13. ἧπαρ, -ατος, τό
  14. ὕδωρ, -ατος, τό

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