以下ではTeXを主に欧米系の人文科学で用いることを考えます.
現在(2013年6月)おすすめのTeXのシステム(TeXディストリビューション)は以下の通りです.いずれもupTeXなどが提供されていますので,Unicodeで記述された多言語の原稿を組版することができます.
LinuxならばたいていのディストリビューションでTeXが提供されています.ただし提供されているのがTeXLiveの古い版である場合があります.その場合はTeX Live 2013をインストールするとよいでしょう.MacTeX2013はTeX Live 2013に,(Mac) OS X向けのソフトウェアを同梱したものと考えるとわかりやすいでしょう.
Linuxや(Mac) OS Xにインストールする方法です.
をダウンロードします.次の順にコマンドを実行します.
$ tar xzf install-tl-unx.tar.gz $ cd install-tl-2013xxxx $ sudo ./install-tl
`Enter command'に対して`I'を入力するとインストールが始まります.途中でエラーが出てインストールできない場合は,次の「ISOイメージからのインストール」を試してください.
をダウンロードし,ダブルクリックして展開します.日本語を含んだフォルダ名の直下,またはさらに下の階層にある場合はうまく動かない場合がありますので,たとえばC:¥temp以下で展開するとよいでしょう.
生成されたフォルダの中のinstall-tl.batを実行し,あとはインストーラに指示に従ってインストールします.
からtexlive2013.isoをダウンロードし,マウントして
$ sudo ./install-tl
を実行します.マウントは次のようにします.
TeX Live 2013のリリース版ではjsclassesがUTF-8になっていますが,最新版では従来のISO-2022-JPになっています.ISO-2022-JPの方が問題が少ないので,アップデートを行ってjsclassesを最新版にするとよいでしょう.また,各種パッケージも更新することができ,新しいパッケージも自動的にインストールすることができますので,定期的にアップデートを行うとよいでしょう.アップデートの方法はどのOSでも同じです.
まず,リポジトリを検索します.
$ tlmgr get-mirror ... http://example.com/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet
得られたリポジトリのURLを設定します.
$ sudo tlmgr option repository http://example.com/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet
実際にアップデートするには次のようにします.
$ sudo tlmgr update --self --all
とします.必要に応じてcronなどで自動アップデートするように設定します.
Windowsの場合,GUIのアップデートマネージャも用意されています.
PDFファイルに日本語フォントを埋め込むかどうか,埋め込む場合,どのフォントを埋め込むかはkanji-config-updmapコマンドで設定します.現在の設定を確認するには次のようにします.
$ kanji-config-updmap status
(Mac) OS X付属のヒラギノフォントを埋め込むのをデフォルトにする場合は次のようにします.
$ kanji-config-updmap hiragino
この場合,/usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiraginoのようなディレクトリに,システムで使用しているヒラギノフォントへのリンクを作成しておく必要があります.
kanji-config-updmapは,設定を行ったユーザでのみ有効です.システム全体で有効にするためにはkanji-config-updmap-sysを使います.
以前使われていたTeXディストリビューションのインストール方法です.現在は以下の方法ではなく,TeX Live 2013をインストールする方法をお勧めします.