Adobe Acrobat 8.0 が2006年11月19日に発売されました。
Adobe Reader 8.0 は2006年12月上旬よりダウンロード可能になりました。
最近は PDF で文書をやりとりすることが多くなりました。PDF の利点は次のようなものです。
よくわかる利点は、「プラットフォームに依存しない」ことでしょう。Mac でも Windows でも UNIX 系 OS でも見ることができます。それに「バージョンによってレイアウトが変化したりし」ませんので、Word 文書のようにバージョンやプラットフォームの違いに悩まされてしまう心配もありません。さらに、フォントを埋め込んでしまえば自分のコンピュータにその言語用のフォントがインストールされていなくても見ることができます。
Adobe (Acrobat) Reader は Adobe のサイトから無償でダウンロードできます(インストール用ページへのリンクはこの下にあります)。持っていて損はないソフトですので、インストールしておきましょう。
Adobe Acrobat Reader という名前はバージョン5までで、バージョン6以降は Adobe Reader となっています。Adobe Acrobat というのは PDF の編集用ソフトの名称です(有償)。
2006年12月現在の主な最新版は、
です。Adobe Reader 8.0 は Mac OS X 10.4 Tiger にインストールできますが、Mac OS X のアップデートが必要かもしれません。デスクトップ左上のアップルメニュー(りんごマーク)より[この Mac について]を選択し、表示されるバージョンが低ければ、その下にある[ソフトウェア・アップデート]からアップデートしましょう。
最新版を利用すればセキュリティ上も安心で多くの機能も使用できますが、古い OS を使っている場合はインストールできないこともあります。
Adobe Acrobat はおよそ2, 3年に一度新しいバージョンが出ますが、PDF の仕様自体にもバージョンがあります。Adobe Acrobat の新しいバージョンのリリースと同時に PDF のバージョンが上がります。PDF の仕様の最新バージョンは 1.7 です*1。
なお Adobe Acrobat で作成した PDF ファイルは、その Adobe Acrobat に対応する PDF のバージョンより1つ低いバージョンになるのが普通です*2。
研究室の論文集を制作した際に使った PDF ファイルのバージョンは、以下で述べる注釈機能を有効にしたものを除けば、1.4(Acrobat Reader 5.0 互換)です。
もちろん古いバージョンの Adobe (Acrobat) Reader では最新の PDF の仕様に基づいた PDF ファイルの機能を使うことはできませんが、閲覧/印刷といった最低限の機能は使用できます。以下ではどのバージョンを使用すればよいのか、またどのバージョンをインストールできるのかを解説します。
一般的に、Acrobat Reader 5 があれば閲覧に不自由することはないでしょう。閲覧しようとする PDF のバージョンよりもソフトのバージョンの方が古い場合、「この機能は使用できない可能性があります」といったメッセージが出ることがありますが、閲覧や印刷には問題ない場合がほとんどです。
Adobe (Acrobat) Reader 6.0 までは、PDF ファイルに対して書き込んだり、PDF ファイルを保存したりする機能はありませんでしたが、Adobe Reader 7 以降は一定の条件の下で書き込みや保存の機能が使えます。
Acrobat Reader 5 以上をインストールできる OS の例は以下の通りです*3。
Adobe Reader 7.0 をインストールできる OS は以下の通りです。
Adobe Reader 8.0 をインストールできる OS は以下の通りです(2006年12月中旬現在)。
環境にもよりますが、最新版が常に最適であるとは限りません。古いバージョンは
から入手できます。
Adobe (Acrobat Reader) は以下の URL からインストール用のファイルをダウンロードできます。コンピュータ雑誌の付録にもよく収録されています。
次のようなアイコンを置いてリンクさせているサイトも多くあります。
Adobe Reader 7.0 以降には、注釈の書き込みやフォームデータの保存の機能が実装されています。それらについてここで簡単に解説します。詳しい使い方については、Adobe Reader の[ヘルプ]を参照してください。見出しの右のかっこ内の数字は、実装されたバージョンを示しています。
Adobe (Acrobat) Reader は長らく閲覧専用でした。しかし Adobe Reader 7.0 から、Adobe Acrobat 7.0 Professional で注釈機能を有効にした(Adobe 社の言葉では「Adobe Reader権限を有効にした、付与した」といいます)PDF ファイルに対しては、注釈を書き込めるようになりました。これにより、注釈機能が有効になった PDF にコメントをつけて返却したりすることが可能になります。雑誌や本の制作の現場、教育の現場でも有効に利用できるでしょう。
ファイルを書き出すときは、
の形式を選ぶことができます。XFDF は「差分ファイル」で、もとの PDF ファイルと違う部分だけを取り出したものです。ファイルサイズが非常に小さくなって便利ですが、それを渡された人がもとの PDF ファイルを持っていなければ意味がありません。PDF ファイルで出力すれば、もとの PDF ファイルを持っていなくても大丈夫です。
コメント挿入の形式にはおおまかにわけて
の2つがあります。紙に印刷された文書との類似でいえば、1はテキストに校正記号を書き込み、欄外(紙の場合は余白ですが、この場合は違う「紙」です)に校正内容を書き込むイメージです。2は、校正箇所に校正内容を書いた付箋紙を貼っていくイメージです。好みで使い分ければよいでしょう。
PDF には「フォーム」という概念があります。例えば申込用紙に氏名などを記入する欄を作っておいて、Adobe (Acrobat) Reader 上で入力することができます。ただし入力データは、以前は保存できませんでした。印刷することはできるので、入力して、ファイルを閉じる前に印刷するという手順を踏んでいました。
Adobe Reader 8.0 では、Adobe Acrobat 8.0 Professional で権限を与えた PDF に対してはフォームデータの保存ができるようになりました*5。
Mac OS X の「プレビュー」などでは以前からフォームデータの保存に対応していますが、Adobe Reader のようにはうまくいかない場合があるようです*6。
フォントを埋め込んでいない場合は、使っているコンピュータにインストールされているフォントで代用して表示します。日本語フォントの例でいうと、Mac OS X の「プレビュー」ではヒラギノが、Windows では MS 明朝/ゴシックが、さらに Adobe (Acrobat) Reader の場合は小塚フォントや平成フォントが使われることが多いでしょう。もちろんフォントが変われば見た目は変わります。ただこれによってレイアウトが変わることはありません。できあがりの PDF 文書を点検する際は注意してください。自分の見ているフォントと、他の人が見ているフォント、実際に印刷されたときのフォントは異なる可能性があります。
フォントを埋め込んでしまえばどの PDF 閲覧ソフトでも全く同じ見た目になります。ただしフォントを埋め込めばファイルサイズが大きくなりますし、PDF を作成する際に埋め込むフォントを持っていなければなりません。
PDF ファイルを作成するソフトで一番有名なものは Adobe Acrobat でしょう。PDF を開発した Adobe 社が作っているだけあって、非常に優れたソフトです。Windows と Mac 用にいくつかラインナップがあります(Standard, Elements は Windows のみ)。
上の2つは以前から存在したソフトです。Standard は Professional と比べて機能が制限されています*7。Elements は最近リリースされたもので、PDF の作成機能に特化しています。
上の2つは高価ですが、アカデミックパックやソフトウェアライセンスが使えます。Elements は機能が制限されている分、安価です。
PDF は仕様が公開されているため、作成ソフトも数多く作られています。OS ごとに解説します。
Mac OS X は OS レベルで PDF の作成に対応しています。各アプリケーションの[印刷]メニューから[PDF として保存...]といったボタンをクリックします。あとはファイル名などを入力するだけです。Mac OS X 10.4 Tiger からは PDF 化の時に選べるオプションが増えました。
Mac OS X の印刷機能から作成した PDF ファイルはサイズが大きくなってしまうのが難点です。
Windows 用の PDF 作成ソフトはいくつかリリースされています。無料で使えるものを紹介しておきます。
UNIX 系 OS では PS ファイルで出力することが多いでしょう。ghostscript を使うと PS ファイルを PDF ファイルに変換できます。
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