Mac OS X で ptetex3 をソースコードからコンパイルするには次のものが必要です。
Ghostscript や X11 は「必須」ではありませんが、インストールしておいた方がいろいろな場面で便利なので、特に理由がなければインストールしましょう。
開発者ツールや X11 のインストールについては、それぞれのリンク先を参照してください。
Fink を利用するか、他のコンパイル済みのパッケージを利用することになると思います。熊本学園大学の小川先生がコンパイル済みのパッケージを配布していますので、これを利用するのが簡単だと思います。
利用している OS のバージョンにあったものをダウンロードしてインストールしてください。
フォントの設定の途中で日本語が表示されるので、文字コードを UTF-8 にした「ターミナル」で作業するとよいでしょう。「ターミナル」の文字コードは標準で UTF-8 になっています。設定を確認する場合は、「ターミナル」のメニューから[ウィンドウ設定]の[ディスプレイ]の項目で[文字設定エンコーディング]の部分を確認します。
そのままではコンパイルできないので、my_option の適当なところ(冒頭がわかりやすいでしょう)に
export CFLAGS=-O2
と書いておきます。
次のディレクトリが既に存在する場合は、削除するか名前を変えておきます。
~/.texmf-config
~/.texmf-var
/var/tmp/ptetex3 などの適当なディレクトリを作り、次のファイルをダウンロードしておきます。
ptetex-cmap は2005年11月11日以降ほぼ不要になっています。
ダウンロードしたファイルを展開します。作業ディレクトリはどこでも構いませんが、ここでは /var/tmp/ptetex にします。ptetex3 が使う展開・コンパイル用のディレクトリは /var/tmp/ptetex3 です。
$ cd /var/tmp $ mkdir ptetex $ cd ptetex $ cp (必要なファイルをコピーします) $ tar xzvf ptetex3-2007????.tar.gz $ tar xzvf ptetex-cmap-20051117.tar.gz
展開してできたディレクトリに移動します。
$ cd ptetex3-2007????
この中に README と README.xxxx というファイルがあります。README は OS によらない解説、README.xxxx の方は OS ごとの解説です。この2つは必ず読んでおきましょう。
my_option というファイルを作っておくと、インストールのオプションを指定できます。my_option ファイルは ptetex3-2007???? ディレクトリの一つ上の階層にあっても読み込んでくれますので、この例では /var/tmp/ptetex ディレクトリに保存しておくとよいでしょう*1。my_option.sample というファイルがありますから、README.xxxx を参考に書き換えておきます。
README(.xxxx) を読み、my_option を作成したら、コンパイルします。マシンの速度によりますが、make, make otf にはそれぞれ数十分かかるでしょう*2。root の権限が必要なのは make install だけです。
$ make $ make otf $ make babel $ make font $ make test # make install $ cd ../ptetex-cmap-2005???? # make
make font の代わりに make fonty とすると、質問にすべて Yes で答えてくれます。最近はこれらのうちのほとんどを実行してくれるオプションが新設されたようです。README や ChangeLog を参照してください。
make test の前に X11 を起動しておきます。
UNIX 系 OS ではパス(path)の設定が必要です。ptetex3 を用いると TeX の実行ファイル(プログラム)は /usr/local/teTeX/bin にインストールされますが、パスの設定をしないと、このディレクトリ内のプログラムを実行するために /usr/local/teTeX/bin/platex などの長いフルパス名を入力しなければなりません。今動かしているシェル(ターミナル)で設定するには
を実行します。
上の方法では、他のシェルを起動すると、そのシェルではパスの設定が無効になってしまいます。その場合は ~/.bash_profile, ~/.bashrc, ~/.tcshrc などのファイルに上の内容を書き込んでおきます。
UNIX のシステム全体で有効にするためには、次のようなファイルを作成します。
/etc/profile.d にファイルを作成・コピーするには root 権限が必要です。あるいは sudo コマンドを使って次のようにコピーします。
$ sudo cp tetex.sh /etc/profile.d/
実行属性が必要ですので、上の場所にファイルをコピーした後
# chmod 755 /etc/profile.d/tetex.sh # chmod 755 /etc/profile.d/tetex.csh
を実行します。
Mac OS X 10.2 までは「ターミナル」のデフォルトシェルは tcsh、10.3 以降は bash です。
make otf を行い、パスの設定をした後
# updmap-sys --setoption kanjiEmbed hiragino
を実行すると dvips, dvipdfmx, xdvi でヒラギノフォントが使えるようになります。