古典ギリシア語初級(前半)

目次

目次

正誤表

資料名箇所備考
課題(12)p. 2, l. 6(「ない.」の後に追加)中動態のときはどの用法かを調べること
課題(12)p. 2, l. 11(対格)に(与格)を塗る(対格)を(与格)で塗る
課題(10)問題(11)の(10)στραγηγόςστρατηγός
課題(10)問題(11)「3 問題(11)」の後に追加代名詞に関しては「人称代名詞」「再帰代名詞」などの品詞名も調べなさい.またそれぞれの代名詞の詳しい用法を教科書pp. 62–66, 73で調べること.
課題(9)問題(10)の(8)の語彙(追加)μόρος, -ου, ὁ 運命
課題(9)問題(10)「■和訳」の後に追加代名詞に関しては「人称代名詞」「再帰代名詞」などの品詞名も調べなさい.またそれぞれの代名詞の詳しい用法を教科書pp. 62–66, 73で調べること.
課題(8)問題(9)の(3)εὐρέαεὐρὺν
課題(4)問題(5)の■和訳の前(追加)主語を明示し,性・数・格に気をつけること.彼/彼女(/それ)がわからないときはいずれかを仮定して訳せばよい.
課題(3)p. 4の(1)12 p.13 p.
教科書(語彙集)p. 203右欄δοκέωの項目p. 204左欄のδιώκωの項目の後に移動
教科書(語彙集)p. 203右欄δείνος, -η, -ονδεινός, -ή, -όν
教科書p. 61, (72)の後(追加)(73) -ων, -ον: 3. εὐδαίμων [p. 49]以降の連番をすべて1ずらす.
教科書p. 48, ἀληθήςの中性単数対格形(< *-έσα)(削除)
教科書p. 35の(4)の後(追加)複数属格形は *-ᾱ́σων > -ᾱ́ωνが母音融合を起こしたもの.常に語末音節が曲アクセントをもつ.
教科書p. 30, μοῖραの複数属格形μοίρῶνμοιρῶν

進捗・予定

  1. 文字と音韻(1):文字と気息記号
  2. 文字と音韻(2):アクセント
  3. 第1曲用名詞:τῑμήとθάλαττα(χώρᾱ, μοῖρα)
  4. 第2曲用名詞・第1/2曲用形容詞
  5. 第3曲用名詞(φύλαξ–γέρων)
  6. 第3曲用名詞(δαίμων–θυγάτηρ)
  7. 第3曲用名詞(ἀνήρ–πειθώ)
  8. 第3曲用形容詞・比較級・最上級
  9. 代名詞(1)
  10. 代名詞(2)
  11. 数詞・副詞・動詞
  12. 現在組織(ω動詞)
  13. 現在組織(μι動詞)

授業概要

開講
2025年度春学期
科目設置学部
文学部(College of Arts)
科目コード
AL207
テーマ
古典ギリシア語初級(前半)/Elementary Greek (first half)
授業形態
対面(全回対面)
校地
池袋(Ikebukuro)
曜日時限
火5(17:10–18:50)
単位
2単位
履修人数
23名

日程

  1. 2025/04/15
  2. 2025/04/22
  3. 2025/04/29: 休日授業日
  4. 2025/05/06: 休日授業日
  5. 2025/05/13
  6. 2025/05/20
  7. 2025/05/27
  8. 2025/06/03
  9. 2025/06/10
  10. 2025/06/17
  11. 2025/06/24
  12. 2025/07/01
  13. 2025/07/08
  14. 2025/07/15

学期末試験の解説・講評&学修時間のアンケート結果

おことわり

学期末試験の解説と講評は春学期のコースに掲載しましたが,その後春学期のコースの更新ができなくなりましたので,追記分を含めたものを秋学期のコースと授業用ページに掲載します.

平均点

学期末試験の受験ご苦労さまでした.解説を作りましたので参考にしてください.平均点は31.6点(60点満点)でした.

学修時間のアンケート結果

最後の授業(2025/07/08)でお答えいただいたアンケートの結果について,集計が遅くなり申し訳ありませんでした.

学修時間に関するアンケート結果
暗記和訳
平均値約1時間20分約2時間30分
中央値約1時間約2時間
回答数15

大学設置基準により当授業は1回あたり約4時間の自宅学修が必要ですので,シラバスでは暗記に約1時間,和訳に約3時間を要するものとしています.さて,現在私が設定している自宅学修の内容は,以前一般に設定されていた自宅学修の内容が多すぎると思われることから,おおむねそれの5–6割程度になるように設定しているものです(ただし一昨年度と昨年度は自宅学修の内容が若干少ないと思われるのでそれよりは少し増やしています).今回,平均値と中央値のそれぞれが合計4時間以内に収まっていますので,ひとまず自宅学修内容の設定は問題ないと考えています.

ただし平均値より中央値が若干小さくなっていることからわかる通り,一部の方の学修時間がだいぶ長くなっています.今学期の学修内容では,それほど長くなることは一般には考えづらいと考えています.なぜならほとんどの場合は表に当てはめて性・数・格を調べてそれに合わせた助詞を補えば事足りるからです.たとえば表を覚えるための時間を若干増やして,和訳の際に教科書をひっくり返す時間を減らすといった方法を採れば全体の学修時間を減らすことができるように思いますが,このあたりは学生ごとに事情が異なると思いますので,個別の対応が必要かと思いました.

解説・講評

  1. よくできていました.
  2. a. akolūthos, b. Hērakleios, c. phorminx. おおむねよくできていました.cは...ksでも可としました.
  3. よくできていました.
  4. よくできていました.
  5. よくできていました.現在不定詞は能動態だけでなく中・受動態もあります.ただし配点が低いので中・受動態の現在不定詞を書かなかった場合でも減点なしとしています.
  6. おおむねよくできていました.覚えるのが大変ですが,とにかくよく用いられるので覚えていて損はないです.
  7. «τὸν ἀγαθὸν μῦθον τοῖς παιδίοις λέγει.» あまり正答率は高くなかったです.次の問題も思ったより正答率が低かったことを考え合わせると,そもそもギリシア語作文の練習をあまりしなかったので,苦手意識をもっているということなのでしょう.
  8. «ἡ σάλπιγξ ἐστὶν ἀγαθή.» 述語を «ἀγαθός ἐστιν» としている誤答が多かったです.検算のように,書いた後にふたたび和訳してみるとわかると思うのですが……
  9. 「彼女たちは勇敢である」.性・数・格の一致が理解できているか試す問題でした.「彼らは勇敢である」などは語彙だけで訳せてしまいますので0点としました.
  10. 「よい盗賊たちが弁論家に盾たちを運んでいた」.性・数・格の一致が理解できているかと直説法副時称(未完了過去)の理解を試す問題でした.語彙だけを見て思い込みで訳すと「よい盗賊」とはふつう訳せませんので,そのように間違えてしまわないか試しましたが,これに引っかかっている人がかなりいました.性・数・格を理解したかどうかが春学期の目標のうち一番大きなものですので,よく復習をしておいてください.また授業中にも言及したように,単語だけを見て思い込みで訳すことは文学作品の読解の際の大きな障壁になりますので,ギリシア語に限らず読解を行う際には注意してください.(「運んでいた」ではなく)「運んだ」はアオリスト組織(の直説法副時称)で表すのですが,まだアオリスト組織は学修していませんので減点なしとしました.「盾」は複数形ですので,複数形であることが明示されていないものは若干減点としました.
  11. 「食事を私は自分のために作る」または「食事を私は作らせる」.中動態(間接再帰的/使役的)が理解できているかを試す問題でした.主語が「私」ですので,「食事が作られる」は誤りです.主語をたとえば魚と考えて,「(魚であるところの)私は食事として作られる」でしたら○ですが,さすがにそのような解答はありませんでした.
  12. 「その男の人たちの言葉たちが真実であるところの男の人たちに私は従う」.関係代名詞と,中動態(能動態と中・受動態で意味が違う)の理解を試す問題でした.英文法が身についていればギリシア語の関係代名詞は難しくないと思うのですが,高等学校ではあまりていねいに学習していないこともあると考えられます.以下に「関係文の読解方法の実際」を掲載しましたのでご覧ください.なお,男性と女性の両方が含まれる「人」の集団は,ギリシア語では男性複数形(「彼ら」)で表しますので,「その男の人たち」でなく「その人たち」でも大丈夫です.
  13. 「父親たちに子供である私たちは贈り物たちを与えよう」.格と人称,接続法(提案・要請)が理解できているかを試す問題でした.διδῶμενから「私たち」が主語であることがわかります.παῖδεςもやはり主格ですので,「子供である私たちは/私たち子供たちは」とします(同格).「父親たちに」は「父親たちは」「父親たちの」としているものが多かったです.πατράσιの格がわからなかったのか,格をどのように訳せばよいのかわからなかったのかは判然としませんでした.「父たちに,子供たちよ,私たちは贈り物たちを与えよう」でも可です(この場合παῖδεςの前後にコンマを打つのがふつうです).
  14. 「私たちは教育するだろう」.希求法の用法(可能的)を試す問題でした.可能的希求法はあくまで可能性を表すものであり,能力を表すものではありませんので「教育することはできる」は減点としました.
  15. 「あなたより3歳だけ彼は若い」.比較級と比較の対象,比較の差異が理解できているかを試す問題でした.
  16. 「そのもっとも強い町が攻められているのですか?」.最上級と定冠詞の使い方と受動態が理解できているかを試す問題でした.ἡ πόλις (...) ἡ ἰσχῡροτάτη = ἡ ἰσχῡροτάτη πόλιςです(§3.9–8.f).
  17. 「教育されることを彼らは欲していた」.中・受動態と直説法副時称(未完了過去)が理解できているかどうかを試す問題でした.βούλομαιは代表形が中・受動態ですので,能動態欠如動詞ということになり,意味は能動態(必ずしも中・受動態の意味とは限らない)ということになります.παιδεύεσθαιは中・受動態現在不定詞です.ギリシア語では不定詞はすべての組織のすべての態にありますので,識別できるようにしてください.この文の場合,παιδεύεσθαιは受動態と考えるのがよいですが,中動態と考えて「自らを教育する」なども可です.

関係文の読解方法の実際

  1. 関係文とは,二つの別々の文を同じ名詞(形容詞や副詞のこともある)を介して一つにまとめたもの.以下では名詞のときを説明する.
  2. まず関係節と主節に分割しなさい.
  3. 関係節と主節をまずは別々に訳しなさい.関係代名詞はひとまず「その男の人に」「その女の人の」「それらを」などと訳しておけばよい.
  4. 関係代名詞の性と数に気をつけ,それと同じものを指している名詞を主節から見つけ出しなさい.省略されていることもあるので注意.
  5. 関係節と主節を一つにまとめ,主節の方を主要な節として訳しなさい.
  6. (3)で見つけた名詞を先行詞と言う.先行詞が書かれていなければ,οὗτοςの曲用形で補うとよい.

問題(12)なら次のようにします.

  1. ὧνが関係代名詞.
  2. 主節:τούτοις πείθομαι,関係節:ὧν λόγοι ἀληθεῖς εἰσίν.
  3. 主節:「彼ら/それらに私は従う」,関係節:「その男の人たち/その女の人たち/その物たちの言葉たちは真実である」.
  4. 関係代名詞(「その男の人たち/その女の人たち/その物たちの」)は複数であり,主節の「彼ら/それらに」が同じもの(人)を指していると予想できる.そのため,主節は「彼らに私は従う」,関係節は「その男の人たちの言葉たちは真実である」であると予想できる.
  5. 「その男の人たちの言葉が真実であるところのその男の人たちに私は従う」(「……に従う」が主節なのでこちらを主要な節として訳す).
  6. 先行詞は主節の間接目的語(τούτοις)で,文章中に書かれているから補う必要はない.

第14回(2025/07/15)

授業内容

  1. 学期末試験(80分).

第13回(2025/07/08)

授業内容

  1. 「問題(12)」の(10–11).
  2. 「問題(13)」.
  3. 教科書§§4.2.3 (pp. 101–112).

課題

答え合わせ等は行いませんが,今日の授業内容は次で練習することができます.

  1. 「暗記(14)」.
  2. 「和訳(14)」.

配布物

  1. 教科書pp. 105–112.
  2. 「練習(13)」.

第12回(2025/07/01)

授業内容

  1. 「問題(11)」の(12–16).
  2. 「問題(12)」の(1–9).
  3. 教科書§§4.1–4.2.2 (pp. 81–101).

課題

  1. 「小テスト(13)」.
  2. 「問題(12)」の(10–11).
  3. 「問題(13)」.

配布物

  1. 教科書pp. 81–104.
  2. 「課題(12)」.

第11回(2025/06/24)

授業内容

  1. 「小テスト(11)」.
  2. 「問題(10)」の(10–12).
  3. 「問題(11)」の(1–11).
  4. 教科書第3.10–12節.
  5. 教科書第2.1.4節(pp. 13–15).

課題

  1. 「小テスト(12)」.
  2. 「問題(11)」の(12–16).
  3. 「問題(12)」.

配布物

  1. 教科書pp. 77–80.
  2. 「課題(11)」.

第10回(2025/06/17)

授業内容

  1. 「小テスト(10)」.
  2. 「問題(10)」の(1–9)と(13–15).
  3. 教科書第3.9節の(7)強意代名詞〜(12)不定代名詞まで(pp. 65–66, 69–73).

課題

  1. 「小テスト(11)」.
  2. 「問題(10)」の(10–12).
  3. 「関係代名詞の復習(英語)」(「課題(10)」にあります).
  4. 「問題(11)」.

配布物

  1. 「課題(10)」.
  2. 「学期末試験について」.
  3. 2024年度学期末試験問題(見本).

第9回(2025/06/10)

授業内容

  1. 「小テスト(9)」.
  2. 「問題(8)」14–16.
  3. 「問題(9)」.
  4. 教科書第3.9節の(1)人称代名詞〜(5)指示代名詞まで(pp. 62–64, 67–69).

課題

  1. 「小テスト(10)」.
  2. 「問題(10)」.ただし(10–12)はやらなくてよい(強意代名詞を扱えなかったため).

配布物

  1. 教科書pp. 65–76.
  2. 「課題(9)」.

第8回(2025/06/03)

授業内容

  1. 「小テスト(8)」.
  2. 「問題(8)」1–13(14–16は次回やります).
  3. 教科書第3.6–7節(pp. 47–59):第3.6節のうち分詞の部分は省略(秋学期にやります).

課題

  1. 「小テスト(9)」.
  2. 「問題(9)」,教科書練習3(p. 56)は(1)から(8)までできます.

配布物

  1. 「課題(8)」.

第7回(2025/05/27)

授業内容

  1. 「小テスト(7)」.
  2. 「問題(7)」.
  3. 教科書pp. 39–43のἀνήρからπειθώまで.

課題

  1. 「小テスト(8)」.
  2. 「問題(8)」,教科書練習2(p. 47)は(11)から(18)までできます.

配布物

  1. 教科書pp. 49–64.
  2. 「課題(7)」.

第6回(2025/05/20)

授業内容

  1. 「小テスト(6)」.
  2. 「問題(5)」17–20.
  3. 「問題(6)」.
  4. 教科書pp. 38–39のδαίμωνからθυγάτηρまで.

課題

  1. 「小テスト(7)」.
  2. 「問題(7)」:(2)に書かれている教科書練習2(p. 47)は(6)から(10)までできます.

配布物

  1. 「課題(6)」.

第5回(2025/05/13)

授業内容

  1. 「小テスト(5)」.
  2. 「問題(5)」1–16(17以降は時間があれば次回やります).
  3. 教科書p. 37のφύλαξからγέρωνまで.

課題

  1. 「小テスト(6)」.
  2. 「問題(6)」:(2)に書かれている教科書練習2(p. 46)は(1)から(5)までできます.

配布物

  1. 教科書pp. 17–24, 37–48.
  2. 「課題(5)」.

第4回(2025/05/06)

  1. 「小テスト(4)」.
  2. 「問題(4)」.
  3. 教科書§3.2-(5), §3.3-(1–2), §3.4-(1), §3.1-(8–11).
  4. 「小テスト(5)」「問題(5)」の説明.

課題

  1. 「小テスト(5)」.
  2. 「問題(5)」.

配布物

  1. 「課題(4)」.

第3回(2025/04/29)

授業内容

  1. 「小テスト(3)」.
  2. 「問題(3)」の音読.
  3. 教科書§3.1の(1–7), §3.2の(1–4), p. 30の上の表[pp. 27–30, 35].
  4. 「問題(4)」の説明.

課題

  1. 「小テスト(4)」(「課題(3)」に内容が書かれています).
  2. 「問題(4)」のうち『ヨハネ福音書』の音読(ラテン文字転写).
  3. 「問題(4)」のうち第2.2節「曲用の練習」の(1)について,教科書p. 35の練習1の(1)–(4)ができます.この課題は任意ですので希望者のみCanvas LMSに提出してください.

配布物

  1. 教科書pp. 25–36.
  2. 「課題(3)」.

第2回(2025/04/22)

授業内容

  1. 「小テスト(2)」.
  2. 「問題(2)」の答え合わせ.
  3. 教科書§1.2の(8–9), §1.3, §2.1.1[pp. 7–10].
  4. 「問題(3)」の説明.

提出課題

  1. 「問題(3)」(「課題(2)」に内容が書かれています).

課題

  1. 「小テスト(3)」(「課題(2)」に内容が書かれています).

配布物

  1. 教科書pp. 9–16.
  2. 「課題(2)」.

第1回(2025/04/15)

  1. 「古典ギリシア語の学修について」第1節(第2節以降は概要のみ).
  2. 教科書§1.1, §1.2の(1–7)[pp. 3–7].
  3. 「課題(1)」の説明.

提出課題

Canvas LMSの「第2回の授業の前までに提出(2025/04/22 11:00まで)」に提出してください.

  1. 「課題(1)」の第2.2節「読み取り」のa–d.
  2. 「課題(1)」の第2.3節「書き取り」のa–c.

その他の課題

  1. 「小テスト(2)」の暗記(「課題(1)」に書かれています).

配布物

  1. 「古典ギリシア語の学修について」.
  2. 教科書pp. 1–8.
  3. 「課題(1)」.

シラバス内容

テーマ

古典ギリシア語初級(前半)/Elementary Greek (first half)

授業の目標

古典ギリシア語の初級文法を一年かけて学び,新約聖書やプラトーンの哲学作品などを,辞書と文法書を使って読めるようにする.

This course introduces students to elementary Greek grammar. By the end of the academic year, students will be reading some passages from the New Testament or the Plato’s dialogues etc. with the help of a dictionary and a grammar book.

授業の内容

I. 概要

春学期の授業の主な内容は次の三つである.

  1. ギリシア語アルファベット24文字を覚える.
  2. 名詞の格変化を覚える.
  3. 名詞の格の概念を覚え,それにもとづいて短めの簡単な文を訳す.

ギリシア語アルファベットの多くの文字はローマ字と似ているので,Aは一週間〜二週間かけてしっかり勉強すれば誰でも覚えられる.Bは覚える量が多いので,おおむね一学期間をかけて覚えていくことになる.Cには少々センスが要求される.練習問題をこなしていくことで,少しずつその方法を覚えていく.

II. 授業の進め方

授業は次のように行う.第1回はa, d, e, fのみ行う.

  1. [授業前]必要があれば教材を事前にダウンロードしておく.
  2. [授業開始]小テストを実施.
  3. 練習問題の答え合わせ(受講生が順番に発表).
  4. 教材を配布し新たな文法事項を学習する.
  5. 次回の小テストと練習問題の指示.
  6. [授業後]小テストのための暗記を行い,練習問題を解いてくる.

III. ギリシア語アルファベットの暗記(第3回授業時まで)

第3回の授業からはギリシア語アルファベットの読み書きができるようになっていることを前提に授業を進める.

ギリシア語アルファベットの読み書きができるようになっているかは次の二つで確認することができる.

  1. 第2回,第3回の小テストで自己点検
  2. 第1回と第2回の後に課される簡単な提出課題(添削して各自に返却する予定)

やむを得ず第1回,第2回の授業に参加することができなかった学生は提出課題を後で提出することができる.

I. Overview

The three main contents of the spring semester classes are as follows:

  1. To learn the 24 letters of the Greek alphabet.
  2. To learn the declension tables of nouns.
  3. To learn the concept of the case of nouns and to translate short, simple sentences.

The Greek alphabet is very similar to the Roman alphabet, so anyone can learn if they study it carefully for a week or two (A). There are many declension tables of nouns to memorise, so it takes about a semester to learn them (B). It takes time to acquire the concept of case, so this is acquired through repeated translation exercises (C).

II. Classroom procedures

The classes will be conducted as follows. In the first class, only a, d, e and f will be given.

  1. [Before class] Download the teaching materials in advance if necessary.
  2. [Start of class] Quiz.
  3. Answers to exercises (students’ presentations in turn).
  4. Hand out materials and study new grammar points.
  5. Instructions for the next quiz and exercises.
  6. [After class] Memorise the material for the quiz and complete the exercises.

III. Memorisation of the Greek alphabet (by the third class)

From the third class, it is assumed that students are able to read and write the Greek alphabet.

The following two checks will be made to ensure that students are able to read and write the Greek alphabet:

  1. Self-checking with quizzes in the second and third classes.
  2. A short submission assignment after the first and second sessions (to be corrected and returned to each student).

Students who are unable to attend the first and second classes due to unavoidable circumstances can submit their assignments later.

授業計画

  1. 文字と音韻(1):ギリシア語アルファベット24文字を学ぶ.Learn the letters of the Greek alphabet.
  2. 文字と音韻(2):気息記号とアクセントについて学ぶ.Learn about breath marks and accents.
  3. 名詞(1):第1曲用名詞の変化形を学ぶ.Learn the first declension nouns.
  4. 名詞(2):第2曲用名詞・第1/2曲用形容詞の変化形を学ぶ.Learn the second declension nouns & the first and second declension adjectives.
  5. 名詞(3):第3曲用名詞の変化形を学ぶ.Learn the third declension nouns.
  6. 名詞(4):第3曲用名詞の変化形を学ぶ(つづき).Learn the third declension nouns (cont.).
  7. 名詞(5):第3曲用名詞(つづき)・第3曲用形容詞の変化形を学ぶ.Learn the third declension nouns (cont.), and the third declension adjectives.
  8. 名詞(6):代名詞の変化形を学ぶ.Learn the declensions of pronouns.
  9. 名詞(7):代名詞の変化形を学ぶ(つづき).Learn the declensions of pronouns (cont.).
  10. 名詞(8):数詞・副詞について学ぶ.動詞について概説する.Learn about numerals & adverbs; An overview of verbs.
  11. 動詞(1):ω動詞の現在組織の変化形を学ぶ.Learn conjugations of ω-verbs.
  12. 動詞(2):ω動詞の現在組織の変化形を学ぶ(つづき).Learn conjugations of ω-verbs (cont.).
  13. 動詞(3):μι動詞の現在組織の変化形を学ぶ.Learn conjugations of μι-verbs.
  14. 予備.Spare.

活用される授業方法

小テストの実施(配布する紙に筆記),練習問題の解答等(テキストの音読・和訳)の口述と教員からの質問に対する回答.

授業時間外(予習・復習等)の学習

復習は毎回4時間程度必要.復習の内容は毎回プリントを配布して指示する.復習の内容は名詞や動詞の変化表を覚えることと,練習問題を解くことの2つ.

授業を欠席した場合は,遅れを取り戻すために授業時間と授業時間外の時間を含めて次の回までに最低6時間の学習が必要.なお,やむを得ず授業を欠席した場合はCanvas LMSを用いて練習問題等の添削や,授業で扱った内容に関する質問を行うことができる.欠席した回の小テストを別の回に受験すること,欠席した回に行うはずだった練習問題の発表を別の回に振り替えることは可能なので,各自申し出ること.

About four hours of review are required for each class. There are two review tasks: memorising the tables of declension or conjugation, and translation. Specific instructions will be given each time, so review should be carried out accordingly.

If you miss a class, you will need to study at least six hours before the next session, including class time and time outside class time, to make up for the delay. If you are unavoidably absent from a class, you can use the Canvas LMS to correct exercises and ask questions about the content of the class. It is possible to take the quiz of the missed class in a different class, or to transfer the presentation of the exercises that were to be done in the missed class to another class.

成績評価方法・基準

学期中に随時提出するレポートはギリシア語アルファベットの読み書きに関するもの(第1回,第2回授業後に課す).

テキスト

プリントを使用する.プリントは授業時に紙媒体で配布し,Canvas LMSにもPDFファイルで用意する.

参考書

特に購入の必要はないが,中級講読へ進む学生向けに授業中に指示をする.

履修にあたって求められる能力

特に予備知識は必要ないが,次に挙げる簡単な英文法の用語を復習(確認)しておくとよい:動詞(他動詞・自動詞,1人称・2人称・3人称,能動態・受動態),名詞・代名詞,形容詞,副詞,接続詞,母音・子音.

学生が準備すべき機器等

  1. 情報機器を持参する必要はない.配布資料は紙媒体とCanvas LMSにPDF形式で用意する.
  2. 課題提出先はCanvas LMS(紙媒体でもよい).課題は手書きしたものをスキャンまたは写真に撮って提出すればよい(ワープロソフトを使わなくてよい).

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© 2025 MATSUURA Takashi

Last modified: 2025/09/04