eLearning/Metre

ドーリス風

ドーリス風の韻律は、ダクテュロスを多用することによって特徴づけられる。ピリオドは長く複雑になる傾向にある。また、アイオリス風やイオーニアー風においては、ある詩に現れた韻律が他の詩にも現れ、いわばできあいの韻律を用いて詩が作られているが、ドーリス風においては、それぞれの韻律単位自体は他に現れても、それらを組み合わせた「全体」は他の詩には現れない、つまりその場限りの韻律の組み合わせによって詩が作られていることが多い。また、三連構造をよく用いる点が特徴的である。

アナパイストス

脚は u u - メトロンは u u - u u - である。もっとも早い用例はスパルターの行進曲においてであり、ドーリス起源だと考えられている。縮約(contraction)と分解(resolution)が起こりうるが、メトロンの最後の長要素では分解は起こりにくく、使われる詩の種類によっては、分解によって短音節が4つ続くのを避ける場合もある。

劇においてコロスが入場するときの韻律はアナパイストスである。特にこのアナパイストスを、行進風アナパイストス(marching anapaests)と呼ぶ。行進風アナパイストスは、アナパイストスのメトロンを任意の回数続けるもので、最後は韻律終止(calalectic)を起こして u - - か - - - になる。韻律終止の直前の部分を除いてはメトロンの切れ目にカエスーラが置かれる。行進風アナパイストスにおいては u u u u という音節の続き方は避けられる。

三連構造(triad)

ドーリス風抒情詩は AAB, AAB, AAB, . . . という三連構造(triadic structure)を用いることが多い。アルクマーンには原始的な三連構造が見られる。成熟した形でそれが現れるのはステーシコロスにおいてである。ピンダロスやバッキュリデースはこの形をもっともよく使っている。

ダクテュロ・エピトリテー

eLearning/Greek/Bacchylides/Metre参照。


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Last-modified: 2019-03-30 (土) 04:06:55