韻律によっては、ある要素(の組み合わせ)が他の要素(の組み合わせ)と同一のものとみなされる場合がある。
ダクテュロス( - u u )やアナパイストス( u u - )などにおいては、(韻律の位置によっては)2つの短と1つの長が相互に入れ替え可能になる。このような要素は Maas によってビケプス(biceps [sc. elementum])と名付けられている(Maas, §8 [p.7])。
「2つの短→1つの長」の方向の現象を縮約(contraction)と呼ぶ。
イアンボス( x - u - )やトロカイオス( - u - x )などにおいては、(韻律の位置によっては)1つの長の代わりに2つの短がその位置を占めることがある。この現象を分解(λύσις [< λύω]; resolution)と呼ぶ。
アッティカの悲劇や喜劇においては、1つの短または1つの不定の代わりに2つの短がその位置を占めることがある。これも分解と呼ばれることがあるが、より厳密には置換(substitution)と呼んでそれらを区別する。