韻律上の区切りでもっとも重要なのはピリオドであるから、ピリオドがどのように構成されるかを知る必要がある。
ピリオドの終わりは次のような性質をもつ。
韻律終止については後で詳しく扱う。
ピリオドはシュナペイアによって特徴づけられる。
古代においてはシュナペイアは、例えばアナパイストスのように「同じ脚がずっと続くこと」を表した。現在の意味とは違うので注意する必要がある。
ピリオドの終わりは短要素(breve)にはならず、ビケプス(biceps; i.e. u u )になることもない。短音節(brevis)がピリオドの終わりにある場合は、短音節がピリオドの終わりにある(brevis in fine versus)という。
ピリオドの最後の韻律要素に入る音節は一般に、音節の実際の現れ方を見る限りにおいては、長音節でも短音節でもよいように見え、したがって「ピリオドの最後の韻律要素は必ず不定長要素になる」ということもできるが、内部的韻律対応(internal responsion)を考えた場合には多くの場合、ピリオドの最後の韻律要素は長要素になることが要求されている(Maas, §34 [p.29])。したがってむしろ「ピリオドの最後の韻律要素は必ず長要素になる」といった方がよい。例えば、ヘクサメトロスは
と書くよりも
と書いた方がよい。
長要素の中に短音節が入っている場合、長要素中に短音節が入っている(brevis in longo, i.e. syllaba brevis in elemento longo)という。この場合に不足する長さは、休止(pause)によって補われる。