eLearning/Latin/Terentius

テレンティウスの写本

系図

   ω
  / \
 /   \
 A     Σ
     / \
    /   \
   γ     δ

解説

Aは所有者の名前を取ってベンボー写本と呼ばれる。大文字で書かれた4--5世紀の写本である。

Σ系統の写本の下部には Calliopius recensui とか feliciter Calliopio bono scholastico とか書かれているので、それらをまとめてカッリオピウス(カリオピウス;Calliopius)写本と呼ぶことがある。

AにもΣにもスルピキウス・アポッリナーリス(Sulpicius Apollinaris; fl. AD 150)による梗概(periocha)があるため、AとΣが分かれたのはそれより後である。カッリオピウスが校訂を行ったのが、Aの書かれた時期(4--5世紀)、それからアエリウス・ドナートゥス(Aelius Donatus; fl. AD 350)の前か後かについては議論がある。紀元後300年から5世紀あたりに行われたというのが定説である。

Aは非常によい読みを伝えているが、しかしすべての点でΣに勝っているわけではない。というのは、5--6世紀の学者である Ioviales がΣの読みからの訂正を加えているからである(これにより、Σは少なくとも紀元後6世紀には存在したということがいえる)。

リンク

オックスフォード大学ボドレアン図書館にある12世紀中頃の写本。挿絵があるのでγ系である。


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Last-modified: 2019-03-30 (土) 04:06:52