Last updated: 2015/02/18 by MATSUURA Takashi
人物 | ギリシア語名 | 略号(ギ) | ラテン語名 | 略号(ラ) | 説明 |
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オイディプース | Οἰδίπους | Οι. | Oedipūs | Oed. | テーバイの王 |
神官 | ἱερεύς | Ιε. | sacerdotes | Sac. | |
クレオーン | Κρέων | Κρ. | Creō | Cre. | イオカステーの弟 |
合唱隊 | Χόρος | Χο. | Chorus | Cho. | 15人のテーバイの長老たち |
テイレシアース | Τειρεσίᾱς | Τε. | Tīresiās | Tir. | 予言者 |
イオカステー | Ἰοκάστη | Ιο. | Iocasta | Ioc. | オイディプースの妃であり母 |
第1使者 | ἄγγελος | Αγ. | Nuntius | Nun. | コリントスから来る |
羊飼 | θεράπων Λαΐου | Θε. | seruus Laii | Ser. | 先王ラーイオスの従僕 |
第2使者 | ἐξάγγελος | Εξ. | Nuntius | Nun. | 館の中の出来事を報告する |
以上のほかに黙り役として以下の人物が登場する.
行 | 第1俳優 | 第2俳優 | 第3俳優 | 場面 | 備考 |
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1–84 | オイディプース | 神官 | 前口上 | ||
85–150 | ↓ | クレオーン | ↓ | ,, | |
151–215 | 入場 | ||||
216–299 | オイディプース | 第1対話部 | |||
300–462 | ↓ | テイレシアース | ,, | ||
463–512 | 第1歌唱部 | ||||
513–531 | クレオーン | 第2対話部 | |||
532–633 | オイディプース | ↓ | ,, | ||
634–648 | ↓ | ↓ | イオカステー | ,, | |
649–677 | ↓ | ↓ | ↓ | (第1号哭) | |
678–696 | ↓ | ↓ | (第1号哭) | ||
697–862 | ↓ | ↓ | ,, | ||
863–911 | 第2歌唱部 | ||||
912–923 | イオカステー | 第3対話部 | |||
924–949 | 第1使者 | ↓ | ,, | ||
950–1072 | オイディプース | ↓ | ↓ | ,, | |
1073–1085 | ↓ | ↓ | ,, | ||
1086–1109 | ↓ | ↓ | 第3歌唱部 | ||
1110–1118 | ↓ | ↓ | 第4対話部 | ||
1119–1185 | ↓ | ↓ | 羊飼 | ,, | |
1186–1222 | 第4歌唱部 | ||||
1223–1296 | 第2使者 | 退場 | |||
1297–1368 | オイディプース | ↓ | (第2号哭) | ||
1369–1421 | ↓ | ↓ | ,, | ||
1422–1524 | ↓ | クレオーン | ↓ | ,, | |
1525–1531 | ,, |
かっこ内の数字は特に断りのない限り行数.
行 | 場 | 韻律 | あらすじ | 役者入退場 |
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1–150 | 前口上 | 3歩格 | 王宮の前.嘆願のために集まったテーバイ市民の前にオイディプースが姿を現す.市民の代表として神官に心中を尋ねる.神官は疫病のために国が滅びゆく様子を述べ,オイディプースに助けを求める.オイディプースは神託を得るべく,妃イオカステーの弟クレオーンをデルポイに遣わしていたが,ちょうど彼がアポッローンの神託を得て到着する(85).クレオーンは「ラーイオス王殺害の穢れを取り除けばよい」という神託を伝える.またラーイオスを盗賊「ども」が殺したことを教える.オイディプースはあらゆる手を尽くすことを約束する. | オイディプース・神官入場(1),クレオーン入場(85) |
151–215 | 入場 | 〜ダクテュロス | 合唱隊入場(151) | |
216–462 | 第1対話部 | 3歩格 | オイディプース登場.ラーイオス殺害について知る者は名乗り出ること,口を閉ざした者は追放することを命じる.合唱隊長はこれを聞き,自分は何も知らないが予言者テイレシアースに尋ねればよい,と提案する.テイレシアース登場(300).下手人がオイディプースであることを知るテイレシアースは口を閉ざすが,オイディプースはそれを罵る.罵られたテイレシアースは真実を話すがオイディプースは取り合わない.むしろクレオーンが自分を追い出すことを謀っていると考える.テイレシアースはクレオーンと結託していないと主張するがオイディプースは依然罵り続ける.テイレシアースは事態が明らかになり,オイディプースの素性も知れようと予言して立ち去る. | オイディプース入場(216),テイレシアース入場(300),オイディプース・テイレシアース退場(462) |
463–512 | 第1歌唱部 | アイオリス風 | ||
513–862 | 第2対話部 | |||
513–648 | 3歩格 | クレオーン登場.オイディプースが自分に罪を着せていると述べる.オイディプースが館の中から登場(532).オイディプースがクレオーンに詰め寄り,クレオーンは濡れ衣だと主張する.オイディプースは殺害当時に捜査を行わなかったのかと問う.クレオーンは,捜査は行ったがわからなかったと答える.オイディプースはクレオーンの死を望み口論が続くが,イオカステーが登場し(634),2人にそれぞれの館に戻るよう伝える. | クレオーン入場(513),オイディプース入場(532),イオカステー入場(634) | |
649–696 | 第1号哭 | 〜ドクミオス | オイディプースと合唱隊による歌. | クレオーン退場(677) |
697–862 | 3歩格 | イオカステーはオイディプースに怒っている理由を尋ね,クレオーンとテイレシアースが共謀していると答える.イオカステーはラーイオスに下された神託と殺害,生まれた子供を遺棄したことを語り,神託は成就しなかったことを語る.しかしかえってオイディプースはそれらに心当たりがあり,激しく心を揺すぶられる(726).オイディプースはイオカステーに殺害状況を詳しく尋ねる(1行対話).ラーイオス殺害時に家の使用人が1人生きて帰ったこと,その者が牧人となっていることが判明し,呼び出させる(758).オイディプースは自身の生まれ,育ち,神託,殺害について語る(771).しかし下手人が複数であると羊飼が言ったのならそれは自分ではないと主張する(842). | オイディプース・イオカステー退場(862) | |
863–911 | 第2歌唱部 | アイオリス風 | ||
912–1086 | 第3対話部 | 3歩格 | イオカステーが登場しアポッローンに嘆願する.コリントスから使者が到着し,オイディプースの所在を尋ねる(924).使者はポリュボス王が死去したことを伝える(939).オイディプースが登場し,使者に知らせの内容を尋ねる.ポリュボス王が老いと病によって亡くなったことを知り,オイディプースは神託が成就しなかったと思って喜ぶ(964).オイディプースが使者に詳細を尋ねるうちに,その使者がラーイオスの羊飼から赤子の自分を譲り受けたことが判明する(1行対話).オイディプースは羊飼を呼び出そうとし(1047),呼び出すのはイオカステーがふさわしいと合唱隊長が述べる.すべてを理解したイオカステーは羊飼を呼び出すことを拒絶する(1056).それにもかかわらずオイディプースは羊飼を呼び出す.イオカステーは恐ろしさのあまり館の中へと逃げ込む(1072). | イオカステー入場(912),第1使者入場(924),オイディプース入場(950),イオカステー退場(1072) |
1086–1109 | 第3歌唱部 | ダクテュロ・エピトリテー | ||
1110–1185 | 第4対話部 | 3歩格 | 羊飼が登場する(1119).オイディプースは羊飼の素性を尋ね,コリントスからの使者を見たことがあるかと尋ねる.羊飼は思い出せないと言うが,使者は会った時のことを述べ,羊飼はその状況を思い出す.オイディプースは羊飼に当時の状況を尋ね,成就しなかったと思っていた神託がすべて成就していたことを知る. | 羊飼入場(1119),オイディプース退場(1185) |
1186–1222 | 第4歌唱部 | アイオリス風 | ||
1223–1531 | 退場 | |||
1223–1296 | 3歩格 | 館の中から別の使者が登場し,イオカステーが縊死したことを報告する. | 第2使者入場(1223) | |
1297–1368 | 第2号哭 | 〜ドクミオス | オイディプースと合唱隊による歌. | オイディプース入場(1297) |
1369–1530 | 3歩格,4歩格 | 自分の行ってきた選択を一つ一つ挙げながら悔やむ.クレオーンに謀略の嫌疑をかけたことを後悔する.クレオーンが登場し,過ちを非難することはしないが,穢れは取り除かれるべき,と言う.オイディプースは自分を追放してほしいと頼む.また縊死したイオカステーと残された娘たちのことをクレオーンに託す. | クレオーン入場(1422),娘たち入場(1477),オイディプース・クレオーン・娘たち退場(1524),合唱隊退場(1531) |