Lucent 社製のチップセットを使っているモデムは,カーネル 2.6 系では martian というドライバによって利用することができるようになります.
Vine Linux 4.1 を想定しています.
gcc のバージョンは
$ gcc -v
で調べることができます.
kernel 2.6 系+gcc 3 ならば大体同じ手順でできるはずです.なお,多くの最新の Linux ディストリビューションでは,kernel 2.6 系+gcc 4 を採用しています.この場合は使用するドライバのバージョンが異なりますので注意してください(ダウンロードの項で説明します).
Martian ドライバをコンパイルするには,kernel-source が必要です.Vine Linux の場合は apt-get や rpm を利用してインストールします.
apt-get を利用する場合は次のようにします.
# apt-get install kernel-source
rpm を利用する場合,kernel-source は kernel-doc, readline-devel に依存しますので,その2つのパッケージのインストールも必要です.
# rpm -ivh kernel-source-2.6.16-0vl60.i386.rpm kernel-doc-2.6.16.noarch.rpm readline-devel-5.1-0vl1.i386.rpm
からそれぞれ次のファイルをダウンロードします.
適当な箇所に解凍して make します.
$ mkdir /var/tmp/modem $ cp martian-full-200?????.tar.gz /var/tmp/modem $ cd /var/tmp/modem $ tar xvzf martian-full-200?????.tar.gz $ cd 164x (状況に応じて読みかえてください) $ make all $ su # make install # modprobe martian_drv
最後の modprobe コマンドでドライバ(モジュール)を読み込みます.きちんと読み込まれているかどうか確認します.
# lsmod > grep martian martian_drv 20628 1
のようになればOKです.
martian-20061005.tar.gz を使ってインストールした場合,一般ユーザでもモデムを使えるようにするには,/etc/fstab の以下の部分の「mode=620」を「mode=660」に書き換えます.
none /dev/pts devpts gid=5,mode=620 0 0
書き換えた後,設定を有効にするにはシステムを再起動する必要があります.
最新の martian-200?????.tar.gz を使ってインストールした場合,root でのみモデムを使う場合は上記の設定は不要です.
システムの起動時にモデムを有効にするには,以下の設定をします.
/etc/rc.d/rc.local の末尾に次の記述を加えます.
modprobe martian_drv martian_helper –daemon
書き換えた後,設定を有効にするにはシステムを再起動する必要があります.
/etc/rc.d/rc.local の末尾に次の記述を加えます.
modprobe martian_drv martian_modem –daemon –user=root –group=uucp –mode=0660
書き換えた後,設定を有効にするにはシステムを再起動する必要があります.
システムの起動時にモデムを有効にしない場合は,手動でモデムを有効にする必要があります.特に引数をつけずに実行すると,/dev/ttySM0 がモデムになります.
# martian_helper
# martian_modem –user=root –group=uucp –mode=0660
以下のページが参考になります.
ディストリビューションによっては /etc/fstab を書き換えるのではなく,udev の設定を変更します.